ゴッホ展

クレラ−ミュラ−美術館展


名古屋市美術館








実は「ゴッホ」が大好きです。この美術展では、その「ゴッホ」の初期の作品から晩年の作品までの72点が展示されるという夢のような展示会でした。偉そうに「ゴッホ」が大好きと言っていますが、いろんな縁があってやはり今でも一番大好きなのはゴッホかもしれません。この美術展に行くまでは、「自殺した天才画家」「炎の画家」とかいうイメ−ジから、もっと激しい感じの絵だと思っていたのですが、実際に見てみた印象は全く違っていました。まずは「丁寧さ」、ゴッホが絵を仕上げるスピ−ドはかなり速かったらしいのですが、かといって雑さなど全くなく、伝わってくるのはその一生懸命さだけです。池田万寿夫さんの本に「ゴッホほど基礎をやった人はいない」と書かれてたのを思い出しますが、きっと基礎を積み重ねた結果に手に入れたゴッホのスピ−ドなのでしょうね。確かにこの美術展でも、練習のために描かれたスケッチも多く展示されてありましたが、その練習画でさえ力のこもったもので、そのエネルギ−を、「要領のいい上手な油絵を描くこと」に使っていれば、その段階ででも、絵で生活していく事は充分できたのではなかったかな…という気がします。ゴッホ自信が自分で納得できる絵を描くためには、自分に「描く技術」を繰り返し繰り返し教え込むことだけが、唯一の道だったのでしょうか。その練習画を見ていて、涙が出そうになったのは、そのひたむきさが伝わってきたからかもしれません。

美術館展示会場パネルより>

1981 生きたもの、人を描くことによって次の段階、中心の木も生きたように描け、
自然と回りのもの全てが生きてくる

1981 典型とは、自然を越え尽くして、魂が残る

1983 芸術は 魂=心 の底からわくものである テクニックや知識、教養ではない 
かならずしも 展覧会がいいのではなく人々に伝える方法 よい機会を持ちたい

1987 もっぱら 花の絵で 赤いケシ 青い矢車菊と 忘れなぐさ 白と バラ色のバラ 黄色の菊など 
青と橙 赤と緑 黄色と紫
の色の調和を求め 極端な色を調和させるような 他の色と混じりあった 
中間の色調を出そうとしている 灰色ではなく 
強烈な色彩の効果を出そうとしている
かつてわれわれが 語り合ったような 生気を求める色彩においては
真の素描は 色彩によってモデリングする


この展覧会を見に行くにあたって、私たちよりずっとずっと前からゴッホが大好きとおっしゃってた方に、「ゴッホをどのように見たらいいですか」と電話で聞きました。そしたら「何も考えずにご覧になられたらいかがですか。何にも知らなくても、何かを感じるのがゴッホの絵ですから」という答えが返ってきました。「本当に私たちでも大丈夫だろうか」と半信半疑で行きましてからは、こんな具合で現在にいたっています。

                   つづく