鈴木雅彦
 市政報告のページ
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市長や議員の報酬など
特別職の報酬月額の変遷
市長 副市長 議長 副議長 議員
現在 1,130,000 
(1,017,500)
870,000
(809,100)
670,000 610,000 550,000
04年 1,130,000 
(1,117,500)
870,000
(860,400)
670,000
(662,600)
610,000
(603,200)
550,000
(543,900)
96年 1,130,000  870,000 670,000 610,000 550,000
94年 1,090,000  845,000 640,000 585,000 530,000
92年 1,040,000  810,000 610,000 555,000 500,000
90年 960,000 750,000 560,000 505,000 450,000
89年 900,000 700,000 520,000 465,000 410,000
88年 880,000 680,000 500,000 445,000 390,000
86年 830,000 630,000 470,000 415,000 360,000
84年 770,000 577,000 440,000 385,000 330,000
81年 700,000 525,000 400,000 350,000 300,000
 私は1999年に議員になりましたが、上の表を見ると、それ以前の議会は2年に1回、時には毎年、市長や議員の報酬を増額していたことが分かります。
 ()内の数字は条例の付則で一時的に減額している金額です。
 なお、上記は月額で、単位は円です。
市職員部課長級の給料について
給料 管理職手当 合計
部長級最高月額 490,000 94,252 584,252
部長級平均月額 467,923 89,830 557,753
課長級最高月額 456,800 60,462 517,262
課長級平均月額 421,159 62,128 483,287
毎月の支給総額
 自治体によって給料の額は違いますが、津市の場合は月額55万円です。同規模自治体の中ではかなり低い方です。そしてこの金額は、私が議員になった1999年以前から変わっていません。ちなみに副議長は61万円、議長は67万円です。

 正確には報酬と言います。何が違うかと言えば、生活のための給料ではなく、議員という職務に対する報酬と言うことで、従って失業保険の対象ではありませんし、退職金もありません。また、給料の場合は生活を保障するために、差し押さえも25%までしかできませんが、議員報酬は100%差し押さえることができます。
天引き金額と手取り額 08年12月の場合
 家族構成によって引かれる税額が違ってきますので、議員が一律同じではありません。私の今月の明細書で言うと、所得税が22,960円です。そして住民税が42,900円です。さらに共済の掛け金があります。これが何と88,000円も引かれます。

 この他に議会関係者の冠婚葬祭や委員会別に行う忘年会費用などに使うために、毎月5,000円が天引きされます。ただし私は副委員長だった年に参加したきりで、忘年会は欠席しています。

 これが通常天引きされる金額で、総計15万8860円になりますが、12月はこれに年末調整が加わり、4,016円の税金が引かれました。これにより、天引きの総額は16万2876円、支給額の30%がこれで消えていきます。

 55万円から天引き総額を差し引きしますと、38万7124円、これが手取り額です。議員になった時は、確か、42万円ぐらいの手取りでした。
ここから国保料などを支払います
 この38万円余りが議員の生活に使えるわけではありません。サラリーマンですと、手取りが基本的に生活に使えるわけですが、議員の場合は、自営業の方やリタイアされた方と同様で、国民健康保険料を納めなければなりません。勿論、介護保険料もあります。さらに国民年金の掛け金も納めます。

 これらの合計は約10万円になります。これを手取額から引きますと、残るのは28万円と言うことになります。

 しかし28万円を生活費として使うわけにはいきません。議員には付き物の選挙資金を捻出しなければなりませんし、議員を引退しても、選挙で落選しても失業保険が出ませんから、貯金をしなければなりません。また、市長には1期ごとに3000万円の退職金が出ますが、議員には退職金はありません。従って、そのことも考えて生活しなければなりません。
政務調査費は議員活動に使われる
 議員の第2の給料のように言われる「政務調査費」というお金があります。これは以前、領収書の添付義務もなかったため、何に使っても分かりませんでした。ということは議員としての活動に使われていたか、検証することができなかったのです。

 古い元議員に聞くと、世論の手前、議員報酬は上げにくいので政務調査費(以前は違う名前でしたが)の制度を作った、と言う人もあります。私が議員になってからでも、控え室で出前を取るコーヒー代があまりにも多額で、政務調査費の使い道としていかがなものかと、新聞に指摘された会派もありました。

 仮に過去の政務調査費の使い道に疑問があったとしても、現在は不明朗な使い方は不可能な仕組みになっています。

 私はと言えば、領収書の添付義務のない時代から、きちんと領収書(写しではありません)を添付し、使い道を明らかにしていました。現在、津市議会では、すべての会派の政務調査費の領収書が添付された書類が作成されており、誰でもいつでも閲覧できるようにしてありますので、関心がおありの方は事務局をお訪ね下さい。

 実際の使い道は、先進地の視察、専門家にお願いして勉強会をする時の講師料、控え室で使用する事務用品、調査・研究のための書籍・資料代、議会のコピー使用料などが多いと思います。

 津市議会の政務調査費は一人当たり5万円です。これは全国の県庁所在地の中で、下から3番目くらいに少ない金額ですが、さらに毎年4万円に下げて、1万円はその時々の重要課題、たとえば保育園・幼稚園の窓ガラスの耐震補強などに使う、というような特例措置を続けています。従って政務調査費は4万円、使い道は議員としての活動に限定され、透明性の高いものになっています。

 なお、この月4万円(年間48万円)は議員がもらえるものではなく、使わなかった分は返還する義務があり、実際には半分も使わないのではないでしょうか。ただし、09年1月から議員活動の広報活動にも使えるようになりましたので(他の議会では以前から認めている所が多かった)、多くの議員が議会報告をするようになるのではないでしょうか。
津市議会の「費用弁償」は交通費
 今日(09.06.23)夕方のテレビ番組で市議会の「費用弁償」と「交通費」が取り上げられていました。水戸市議会の例が報道されていたのですが、全国県庁所在地の内、どれだけに「費用弁償」の制度があり、さらにその中で1日1万円以上が幾つなどと報じていました。また、「費用弁償」以外に交通費を支給している議会もあるような報じ方でした。

 この番組をご覧になった津市民もたくさんいらっしゃるでしょう。津市の市会議員も随分貰っているんだろうと思われるのではないでしょうか。こういう番組は個別の数字を出さないことが多いので、誤解を招くことが多いのです。いつぞやは市会議員に退職金があると、完全に間違った記事を載せた新聞もあったぐらいです。

 そこで津市の「費用弁償」について確認しました。旧津市時代、本会議と委員会に出席すると1日に3000円が「費用弁償」として支給されていました。私は「費用弁償」廃止を唱えていましたが、受け取らないことは公職選挙法で寄付行為と見なされますので、反対しながらも受け取ってはいました。受け取りを拒否できないため、全国的には、受け取ったあとで「供託」する議員もあるようですが、供託しても、お金の行き先がありません。結局は引退の時に供託を解除して全額受け取ることになるのではないでしょうか。

 合併後、交通費としての性格を明瞭にしようと、自宅から議会までの経路が片道8qまでは1500円、それ以遠は規定に従って増額、という形で、全体として「費用弁償」の総額を削減しました。そしてさらに改正を行い、現在では完全に交通費の意味合いに限定し、1q37円という公務員の旅費規程(裁判員にもこれが適用されます)と同じ金額にしました。

 私の場合は往復12q(前の改正の時に実測値が提出してあります)です。12×37ですから、444円になります。私はバスで議会に行くようにしていますが、往復のバス代は440円です。つまり私の場合は交通費としての趣旨に合致した金額になっているわけです。

 こうした流れからすると、いずれ「費用弁償」という制度は、津市でも廃止する方向で一致できるのではないかと期待しています。
ボーナスについて
 議員にもボーナス(期末勤勉手当)があります。退職金も失業保険もない議員にとっては、これが老後の生活を支える重要な原資となります。あるいはこれを選挙資金とする方もあるでしょう。09年の夏のボーナスは支給額が115万円で、天引きが25万円余り、差し引きの手取りが89万円強です。

 このボーナスは、実は以前はもっと高いものでした。私が議員になる前が一番高かったのですが、私が議員になった時に、官民格差の是正措置として、人事院が国家公務員に対して減額の勧告を行いました。それ以後も減額勧告が続き、最近では09年5月にも勧告があり、合計で減額勧告が4回ほどあったと思います。これに準じて地方公務員も議員も減額を行いました(回数が間違ってたらごめんなさい)。

 これによって以前よりボーナスは年間50万円余り下がっています。手元に資料が残っていないので正確には分かりませんが、私個人で言えば、サラリーマン時代の夏のボーナスは100万円ほどあったと思います(基本+支店の営業成績+個人の営業成績)。
専業議員の生活
 これが議員の報酬や政務調査費の実情です。従って議員活動に専念している議員の生活は質素にならざるを得ません。

 公式行事もありますので、スーツも必需品として買わねばなりませんし、つきあいの範囲が広がりますので、葬式に出る機会も増えます。すると月々の香典代がなかなかの金額になってくるのです。姉妹都市から訪問団が来れば、パーティ参加費もいります。商工会議所が開催する正月の賀詞交換会などもあります。所属する様々な団体の会費もあります。借家住まいですから家賃もあります。

 このように定期・不定期の出費が年間を通すと、100万円にもなりますので、日常生活は質素で、大門で飲むということもありません。昔の職場の同僚が東丸之内で食堂を開いているので、たまにそこへ顔を出すぐらいです。

 勿論、議員活動に専念せず、本業を別に持っていらっしゃる方々もあります。そうした方々は本業で生活を維持できる所得がありますから、私のような生活ではないと思います。ここに書いたのは、あくまで私個人の経済生活です。
議員年金制度は崩壊寸前
 さて、議員を引退、あるいは落選後の生活はどうなるでしょうか。本業のある方は、その経営に専念するだけのことですが、議員活動に専念していた場合は、受給年齢に達していれば年金で生活することになります。

 40代、50代の場合、もしくは3期以上議員をしていない場合、年金がありませんから働かざるを得ません。こうなると悲惨です。失業保険もない中年の失業者になるのですから、配偶者の収入に頼った生活になります。しかも落選・引退の翌年の住民税や健康保険料などは、前年の所得に基づいて課せられますので、無収入の状態で百数十万円も支払わなければならないのです。

 中年ですから仕事も見つかりません。結局、生活保護を受けるケースも出てきます。

 年金を受給できる場合も余裕があるとは言えません。なぜなら、議員定数削減の流行と平成の大合併で議員が激減したからです。つまり、掛け金を払う人が減り、年金を受ける人が増えたのです。津市の場合、合併前の10市町村に166人の議員がいましたが、今は38名です。2010年の選挙からは36名になります。

 そのため、ここ7〜8年の間に何回かの「改正」があって、掛け金が上がり、受給金額が引き下げられました。私が議員になった頃は3期務めれば月18万円ほどの年金が受給できました。それが今は13万円ほどになっています。

 ところが、上述の理由で制度そのものが破綻寸前になっています。掛け金よりも払う年金の方が圧倒的に多いのですから、議員共済は毎年赤字で、2012年には積立金がゼロになってしまうのです。ということは、これからは議員は年金が受給できないことになります。退職金はない、失業保険はない、年金もない、では議員の生活は成り立ちません。

 ということになるのなら、諸外国の一部に例があるような、無報酬のボランティアによる議会制度にするしかなくなるでしょう。ただ、自治体の仕組み自体が違いますから、単純にボランティア議員は今の仕組みの中では不可能です。また、制度や法律の知識を必要としますし、様々な現場を見に行く必要もありますから、日常的にそうした時間の余裕が保障されないボランティアでは、市政運営に対するチェック機能が維持できるかどうか、疑問が残りますので、仕組み自体を変える必要があるでしょう。
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