紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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    農林水産省が募集した全国「ため池百選」に
            「片田ため池群」も推薦される


 農林水産省は、ため池の多面的機能の理解増進をねらいとして、全国から「ため池百選」に該当するため池の公募を行った。

 筆者は、津市にある多くのため池の中から野田地区と片田田中町にまたがる「赤池・池尻池ため池群」を推薦し、本ホームページに掲載した(2009年9月18日)。

 農林水産省ため池百選

 農林水産省が募集した全国「ため池百選」に津市野田の「赤池・池尻池ため池群」を推薦
 

 その後に、当ホームページの記事を読まれたAさんから、津市片田田中町にある「片田ため池群」を推薦しているという連絡があった。そこで、天気の良い秋の午前中に落ち合って、一緒に野田と片田のため池群を歩いてみた。

 「赤池・池尻池ため池群」と「片田ため池群」とは、松林池が重なっており、両ため池群とも同じ片田丘陵に存在していた。

 「片田ため池群」には、松林池(上池と下池)、尾ヶ峰池(上池、下池)、新池が挙げれていて、全ての池を巡ってみて、池の規模は赤池と較べてやや小さいが、変化に富み、里山の風情が濃厚であった。また、有機米の水田が隣接していて伝統的な稲作が見られたり、白銀梅林が尾ヶ峰下池に隣接していて、開花時期には地元の人達がイベントを行ったり、地元の小学校が環境教育と結びつけていたりと、多面的機能の利用が具体的に行われているようだ。Aさんは片田の方ではないが、仕事とのかかわりでこの地域に関係し、「片田ため池群」と一体となった里山の魅力に惹かれて推薦されたとのことである。筆者も同行し同感の思いであった。

 できれば、両ため池群は、一部のため池が重複しており、同一の丘陵地帯に位置し、双方を繋ぐ連絡通路もあり、里山的風情を共に有していることから、共通の生物多様性保全地域、自然観察地域として、「片田、野田ため池群」として一体的に扱い、利用されることが望ましいと思われる。

 「ため池百選」を仲立ちとして、思いを同じくする「ため池友達」ができることも、ため池の効用であろうか。

津市片田田中町にある尾ヶ峰下池。ため池の奥に有機米を栽培している水田が見え、その奥にはハンノキの樹林が見える。はさ掛けの棒杭が右手にみられる。このあたりのため池には、のどかな里山の風情と自然の豊かさが満ちている。

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