ぶらっと北海道
   
やっぱりどはでなススキノ

ラーメンすみれは極上の味

道路際にそびえる札幌ドーム

月寒社宅跡に建つマンション

八紘学園の白樺

マイハウスの眺望健在

厚別川パークゴルフ

旭山動物園入口

一番手前にあるフラミンゴ

旭山動物園の園内

旭川の田園風景

ジャガイモ畑と羊蹄山

洞爺町のある農家

レイクヒルの人気者のヤギ君

洞爺湖畔の顔

白煙上げる昭和新山

 じめじめの本州を抜け出して、梅雨のない北の大地へと向かったのは6月30日。12時半に 家を出て関空15時発のANAに乗る。と、ここまで書いたが、実は格安のパック旅行を初めて旅行社で セットしてもらい、関空に車で行くのも2泊3日の駐車も初めてだ。正規の往復航空運賃で運賃と2泊のホテル代、 さらに駐車料金までまかなえるという内容で、ホテルのバイキングの朝食まで付いていた。これは再々利用しない 手はない。

 空に上がると本州はすっぽり厚い雲に覆われている。うっすらと地上が見え始めたのは津軽海峡の 上空だった。間もなく千歳空港の上空に至り地上が見えてきた。13年ぶりの初夏の北海道だ。16時50分に 着陸し、札幌行きのリムジンバスに乗る。東武ホテルに近いススキノのバス停で降りると、いきなり 相変わらずド派手な南4条のススキノ交差点に懐かしさを覚える。5分ほど歩いてホテルに着いて チェックイン、荷物を置いて「さあラーメン」だ。
 近くにおいしいラーメン屋さんはありますか?とフロントに聞くと、待ち構えていたように、パンフ を持ち出して場所を説明してくれた。パンフには“札幌が誇る極上ラーメンの饗宴 すみれVSてつや” とある。2年前にできた千歳鶴ミュージアム・アネックスの中に、2店が競い合って構えている。
 すみれは平成元年に中の島にオープン以来、平成3年に新横浜ラーメン博物館に出店、その名を全国に 轟かせている。6時半頃で混んでいると思ったが、一番乗りだった。「おすすめは?」と聞くと「みそ」 だというので「じゃあそれとビール」を注文した。
 ラーメンの味は言葉で表現するのは難しいが、噂にたがわずうまい。ビールは札幌クラシックだ。 何と言っても“札幌で飲むビール”がうまいのだ。銘柄は問わなくても本州で飲むより確かにうまい のだ。それは3年間も確かめてきた。では、もう一本“地ビール すみれビール”を頂こう。壁には 訪れた有名人の色紙が何枚も貼ってある。「うかじ」や「あとう」などと読めるのがあった。店の娘に 「ホームページを持ってるからね」というと「やばっ、載るかも」と喜んでいた。

 その後、2キロほど南西方向に歩いて、昔の仕事仲間がやっている居酒屋を訪れた。店はお世辞にもきれいとはいえない 床が傾いた5人座ると一杯の狭さだった。ある事情で無一文になった彼女が会社をやめ、その後どのように暮らしてきたかは 年賀状の1行ほどのコメント以外に詳しく知る由もないが、必死で働いてやっと持ったささやかな、でも彼女にとっては城の場末の店であった。
でも近所の常連さんが頻繁に来てくれるので何とか続けられているという。夕方6時に 開店し、翌朝の6時ごろまで働き、朝帰って午後2時ごろまで寝て、4時には準備に入るという毎日が続く。 昼間の自由時間は2時間ばかり、休みは水曜日のみ。一人で北に生きる女の強さ を思った。今朝は4時半に起きてナナを 散歩させた僕は、午前2時にあえなくガクッとグラスを落としそうになってダウンし、タクシーでホテル に帰った。

 翌日は不覚にも目覚めたのは8時だった。朝食だ。バイキング形式の朝食は和・洋の2コースあって 洋を選んだ。北海道の新鮮なサラダやポテトや豆類などの味覚が並んでいる。牛乳がおいしい。朝食が 済んで、ホテル内の出張朝市で毛がにといももちを千葉の家族に送る。今日は旭川にある旭山動物園に 行く予定だ。
 フロントにレンタカーを頼むと、15分ほどでオリックスレンタカーが迎えに来た。その車に乗せて もらってオリックスの事務所に行き手続きするしくみだ。これも初めてのことだ。貸してくれたのは スバルのインプレッサ。まだ6,000キロしか走っていない新車だ。旭川に行く前に、まず懐かしい 場所を訪れようと月寒に向かった。国道36号線沿いの札幌月寒病院の前が地下鉄福住駅になっている。 その少し先の、羊ヶ丘小学校から36号に出た向かい側、羊ヶ丘展望台に向かう道路の角に、札幌ドームが 聳え立っていた。
 札幌に転勤後1年間住んだ月寒社宅からは、駅もドームも徒歩5分の近さではないか。社宅跡はすぐに 見つかった。今はマンションが建って、当時はなかった地下鉄の駅ができているので、いいロケーションだ。 八紘学園の畑も昔のままで、牧草を刈り取った後だった。サイロも白樺のある景色も懐かしく、ここで 遊びまくった小学生と幼稚園児だった子供達の姿を思い出した。
 次にわがマンションを見に行った。リビングから、厚別川のほとりと遠く恵庭岳を望む眺望が自慢だったが、 新しいマンションが川寄りに1棟できていたが、眺望は健在だった。管理人の話では「正面の広場は、広すぎ て買える者がいない」とのことだった。厚別川の土手はパークゴルフ場になっていた。

 カーナビに従って道央道を北に突っ走る。2時間足らずで旭川に着いた。旭山動物園の少し手前に 旭川ラーメン「特一番」があった。12時を回っていたのでここで“本場旭川ラーメン”を頂くことに した。駐車場は満杯だった。この店は昭和25年創業で(おいおい俺と同い年かい)、豚骨と魚だしを 18時間煮込んだスープに、道産小麦のチヂレ麺が売り、チャーシュー麺塩750円のチャーシューは とろりとした舌ざわりで、麺はツルツルの喉越し、残したスープを、もう一杯、もう一杯とレンゲで すくって味見した。店内にはレトロなラヂオやおもちゃなどを展示していた。

 旭山動物園は、広大な旭川平野が終わり、これから山になるという丘陵に作られていた。天気が良くて 少し暑すぎる中を、大勢の観客が訪れ、さまざまな動物のしぐさに癒されていた。確かにどの檻や水槽も、動物の 普段の姿を色々な角度から“見せよう”とする意図がそのコース取りに見てとれた。
詳細はこちら<旭山動物園のホームページ>
 2時間ほどでここにさよならして札幌に向かう。オリックスレンタカーで車を返し、市内の“魚屋がやっている居酒屋” でビール2杯と刺身盛り合わせを頼んだが、札幌に発つ日の昼に、お土産にもらったピリカラの韓国ラーメンを 食べ、昨日はすみれ、今日旭川と3日連続のラーメンでちょっとお腹の調子が狂ったのか、刺身が 進まない。半分食べた残りを、こそっと紙に包んで「おあいそ」し、今日も傾いた居酒屋に向かった。
 6時過ぎだったが、もう親子(といっても子は40過ぎの太った娘)が来て、出前のラーメンを たべていた。そうか、ここは近所の人のお茶の間みたいなところでもあるんだな。少しすると 今度は未亡人の二人連れが入ってきておしゃべりを始めた。いずれも70歳台だという。私がカラオケを 2曲ほど歌うと、この昔の娘さんの一人からリクエストがかかった。「昴」を歌えと言う。得意の一曲なので 心をこめて歌った。賛辞の嵐をいただいて「今夜でお別れです」とさよならを言って、今日はこれで切り上げた。 10時頃だった。

 7月2日は7時30分に目覚め、朝食のあと8時30分のレンタカーの迎えをロビーで待った。 今日は市内から、石山、藤野、定山渓から中山峠を経て羊蹄山を見に行く。  スキーなどでよく通った道なので迷うことはなく、中山峠の売店に着いた。ここの駐車場から もう羊蹄山は見えている。「姿かたち」の姿では本家の冨士に及ばないが、この方向からのかたちでは 本家を超えているのではないか、と思う。もっと近づいて、やまの根元から先っぽまで見ようと 喜茂別に向かう。途中、ルピナスと羊蹄、喜茂別川と羊蹄を撮影する。極めつけは ふもとに広がるジャガイモ畑とバックの残雪の羊蹄山を満喫して洞爺湖に向かう。
 国道453号線を同い年の細川たかしの真狩村、洞爺村と進み、洞爺湖サイロ展望台で休憩し 高台からの洞爺湖を眺める。まだ昼飯には早い時間、少し行くとレイクヒルファームに立ち寄る。 高台の広々とした農園で、親子らが楽しそうにバドミントンなどを して遊んでいた。芝生に1頭のヤギがつながれていて、子供達の人気者になっていた。
10分ほどでここを後にして、洞爺湖畔に向かう下り坂の途中、風格のあるそば屋があったのでここで大ざるを いただく。こしのあるそばで、蕎麦湯もついた本物であった。しかし“麺喰い”だねえ。

 美しい洞爺湖畔でしばらく休憩する。ここも何度か来たところであるが、どこがどう変わったのか まったく分からない。湖面には遊覧船が浮かんでいた。
 湖畔の道路の先に赤茶けた山が見える。有珠山だ。そうだ、昭和新山を見に行こう。遠くはなかった。ここも駐車場は 満杯に近いほど客が来ていた。新しくできた昭和新山の途中まで階段がつけてあり、一番上の踊り場に 新山誕生の説明板があった。「今、あなたが立っているこの場所はかつてはのどかな麦畑だった」とある。 それが50メートルもせり上がって、昭和新山の中腹になったわけだ。世界でも珍しいタイプの火山だそうだ。
 みやげ物の店が連なっている。一番奥に「昭和新山ガラス館」があったので覗いてみると様々なガラス製の器が 展示されていた。見事な作品ばかりだ。窯と工房も近くにあったらしいが、平成12年の親山にあたる有珠山の 噴火で閉鎖されたと言う。ここで“泡立ちの良いビアグラス”を一つ買った。中国人の観光客がかまびすしい。 1時間ほどでここを発って支笏湖に向かった。

 国道276号線を、眠気をがまんしながらひた走る。午後2時ごろに湖畔に着いたが、特に用もないので 有料の駐車場には入らず、入口でUターンし、千歳に向かった。車は4時半にオリックスの千歳店に 返せば良いのでまだ2時間半もある。とはいえ、特に行きたい所もなく、とりあえずナビに沿って 走っているうちに、もう空港が見え始め、“目的地”に3時に着いてしまった。ここで給油清算し 空港行きのマイクロバスに乗って、空港には4時前に着いた。飛行機は18時40分、2時間40分も あるが、とりあえずビールか。向うに着いたらまた運転があるので早い目に飲んでおけと、トントロと 子持ちシシャモの天ぷらをツマミに札幌クラシック中ジョッキ2杯が早々と進むのであった。
<その他の写真集スライド(40枚)>

2006年6月30日(金)〜7月2日(日)  


 
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