電話台の製作

   


















 電話機の調子が悪いので、NTTに持ち込んで修理見積もりをとったら2万円もかかるという。 なら、買っちゃえとM社のオタックス24,800円を上新電機で購入。置き場所も変えたいので 電話台を作ることにする。
 材料は、これまたイチロー君が叔父さんの旧家を取り壊すときに拾っておいてくれたもの。どうやら 床の間の飾り棚に使っていたようで、塗装されている。これを写真のとおりカットして、2枚の長方形の 板を取る。下はミスタージョンで購入した直径24ミリの足になる丸棒。なぜか発泡酒の缶が置かれているが、 これも材料か?





 この30ミリ厚の板の古い塗装をサンダーで剥ぐ。60番のサンドペーパーで剥いでいくと、強烈な 樟脳の臭い。そうか君はマサシゲ(クスノキともいう)だったのか。垢がよれるように塗装が剥がれて ペーパーにくっついていく。このあと、ペーパーを120番、240番と細かくして仕上げていく。











 次は足のホゾづくり。これがちょっと厄介で頭をひねった。丸棒から正方形のホゾを切り出す場合に、 重要なのが4辺の段差がつかないこと。そのために鋸を当てる位置を統一するためにガムテープを 巻いた。これが大正解。まんさんえらい!
 もうひとつ重要なのが、両端のホゾの角度が合っていること。これがねじれていると、ホゾ穴に 入らないことがおこる。丸い先端に正方形を書くのに、差し金の直角の頭の部分をあてて、2辺を 書く。反対側からもう一度同じことをして4辺を書く。次にガムテープに沿って、4辺に鋸で切れ目 を入れる。




 買ったばかりのラチェットでソーホースに固定してノミで縦割りする。ペキッと面白いように割れる。 割れた面をノミできれいに削って平らにする。ホゾの長さは15ミリにしていたが、30ミリの板に 半分もホゾ穴刳るのはきついなあと思い、10ミリにカットする。
 ばあちゃんが「ゲート行ってくるでえ、今日は日曜やぞ」と言いながら、スクーターに跨って 出て行った。こんないい天気に、納屋でこちょこちょしているのでちょっと心が揺らいだが、 日曜にやるのが日曜大工ではないか、こんないい天気にのんびりと穴など刳っていることも、また 人生ではないか、と思い直して作業を続ける。




 ホゾ穴のサイズをどれだけにするか、を決めるため、ホゾの太さをノギスで全部測ってみた。 16.5、16.8、17.0とまちまち。よし、16.5が一番多いので、これに統一しよう。 そして、16.5ミリより太いホゾをノミで削って16.5ミリに統一した。
 そして今度はホゾ穴だ。板に鉛筆で穴の位置を書き、16.5ミリの正方形を書く。この作業には 情けないがメガネが要る。気合だけではどうにもならない。次に、インパクトドライバーにドリルを セットして、ホゾ穴の中央に深さ10ミリ以上の丸い穴をあける。これで、ノミでの穴刳りが随分と楽に なる。




 これで、部材は全部出来上がり。あとはホゾに接着剤を着けて組み立てるだけだが、勘だけで作った 両ホゾの角度。果たしてぴったり合うのだろうか。まず、左側の板に、足を差し込んでいく。これは 4本とも綺麗に入った。次が上のフタの方だ。足の先端に少しずつ木工用ボンドを着けて、上板をはめる。 おー、入ったああ。感激の一瞬だ。まんさんえらい!(よく自惚れる人だ)









 これが組み立て後。この上にもう一枚座布団を敷いて、その上に25キロのセメント袋を乗せて 夕方まで接着剤の乾燥を待つ。やさしくてあたたかい木目が、何十年かぶりに出たので塗装は せずに済ました。













 鎮座ましますオタックス。
















 大工のまんさんの強力な助っ人たち。左上の電動ノコから下に、ドリル、インパクトドライバー、 中央上のコーススレッド長短数種(インパクトドライバーでねじ込む釘。逆転すれば簡単に抜ける。最近は 本職の大工さんもこればっかり)。赤いのがサンダー、グリーンの電気カンナ、右上はノミ4種、 差し金とメジャー、その下がラチェット、一番下はノコたちとノギスや水平器。やはりいい仕事を するには道具だ。  


 
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