テーブルのリユース

   
解体前

天板に打たれた釘を抜く

金具も外す

天板を外すと腐りが

分解後の全部材

カンナをかけるときれいな木地が

角を取ります

再組み立て

隠し釘

再生しました

ナナは近くで日向ぼっこ

 昨今、リユースなる言葉がもてはやされている。日本人特有の“もったいない意識”が復活 するのは願ってもないことだ。また、やおよろずの神の国には、すべてのモノに神が存在する。
 30年ほど前に小学校の校舎の建て替え時にもらったテーブルを、私がいない間に父や母がペンキを 塗ったり、補強したりして屋外で使用していたが(ほとんどほったらかし)ペンキが剥げて天板が 反り返ってきたので、年初めにリユースすることにした
 まず、全ての部材を分解してカンナがけするために、後から強化のために打たれたたくさんの 釘を抜くことから始める。天板を少し傷つけるが、くぎ抜きを打ち込んで抜いていく。天板を 固定したL字型の金属板も外そうとするが、ネジ釘がさび付いて回らない。これもドライバーや くぎ抜きを使って強引に外す。

 分解していて見ると、このテーブルには釘が一切使われていない。天板の裏に溝が切ってあり 受け板に細工したホゾに横から差し込んである。ところが、この結合部分に水がたまりやす かったのか、かなり腐っていたので、受け板の上部を10ミリ近くカンナで削り落とした。
 両足の連結部も金槌で叩いて外したが、ホゾとホゾ穴とがきっちりと締まっていて、いわゆる “いい仕事”をしている。やはり“学校に収める机”を意識した往時の大工さんの心意気が見える。 「これは大切にリメイクしなくては」という気持ちになる。

 分解した全ての部材にカンナをかける。釘が残っていないか注意しながら作業を進めるが 「おおっと、アブねえ」天板同士をつないだであろう浪釘が残っていた。これを鋸で両側に 切れ目を入れてドライバーで押し外す。
 やがて、本来のきれいな木地が出て、十分再使用に耐えそうだ。木の種類は不明だが杉や檜では ない、クリの木に近い硬い木だ。4枚の天板は、縦横の両端が上方向に反り返っていたので、カンナで 削り落とし、平らにした。内2枚は長径の方の端が腐っていたので、10ミリほど電気ノコで 切り落とした。脚部は元通りに組み立てたが、天板の幅が狭くなり、長さも少し短くした。

 天板受けの差込ホゾがなくなったので、天板4枚を固定するために3箇所に幕板を取り付けた。 幕板側から天板の表面に釘先が出ないように57ミリのコーススレッドを打ち込む。
 この天板をブロンズのコーナー金具で取り付け、中央が下がっているのをコマをはめて調整し 組み立て完了。最後にメープル色の浸透性木部 保護塗料を塗って3日がかりで完成とする。ナナが日向ぼっこをしながら作業を見守っている。甦った テーブルにはそれはそれはきれいなテーブルの神様がいますか?

<2011年1月7日完成>  


 
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