アルト(陸戦仕様)
<あると(りくせんしよう)>
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 30MMは、そのうち作ってみようとは思っていた。陸戦仕様がなかなか良さげだったのと、戦車型のエグザビークルが発売されたのを見て、「これ組み合わせたらガンヘッドみたいなやつができるんじゃないか!?」と考えて早速購入。ここにガンヘッド計画(?)がスタート。まあ結論から言うとできなかったんだが。というか、ガンヘッドの変形機構もよく知らんのに何とかなるんじゃないかと考えたのがアホだったというだけの話なんだけど。
 ともかく陸戦仕様とエグザビークルを説明書通りに組み立ててみて、ちょっと買い足したオプションパーツセットとガンプラのビルド何とかのジョイントパーツを使って検討する事数日、「あ、これは無理だな」という結論に。結局、当初方針から”可変戦車”というコンセプトだけは継承してこんな形にまとまった。
 この形状にまとめるまでに色々組み替えたり手足の曲げ伸ばしを繰り返した結果、主要関節は軒並みブラブラに。かくしてアルト(陸戦仕様)は二機目を購入、構造検討に使用した試作一号機は、小型シールド等の部品取りの為解体される事となった。
 というわけで、関節がブラブラになった完成形を横目に見ながら二号機を製作開始。
 

 背中に主砲二門を装備。陸戦仕様の膝アーマーにある凹みが、ちょうど主砲受けみたいな感じになってくれた。なんか、いかにも主砲身に合わせた形状っぽく見える。
 機体の左右にはそれぞれミサイルポッドと電磁加速砲を配置して、左右非対称なシルエットに。股間部にはアルトを浮かせて飾る時の3mm穴が設けられているので、これを使って機体の下面装甲を増強。地雷対策だな。
 履帯ユニットの上にはアルト(陸戦仕様)の足先が乗っかっているんだけど、ここは肉抜きが多少あったので適当な四角いパーツで穴埋め。そして本体と同色で塗装。普段ガンプラを作る時は大体暗めのグレーで塗装するんだが(モビルスーツの足裏って、接地部だから車だとタイヤみたいなもんでしょ?そこを赤や青で塗るのもなんか違う気がして・・・)、試しに試作一号機をグレーで塗ってみたら、ちょっと変な見た目になっちゃったんでこのように。
 30MMシリーズは初めて作るんで、「足裏は本体と同色、関節は本体に準じた濃色」をフォーマットにしておこうかと。またそのうち別の機体作りそうな気がするし。


 バックパックについたジョイントと主砲は試作一号機では成形色のグレーだったので、本体色で塗装するとちょっと印象が変わった。他の関節やミサイルポッドも同様に本体色で塗装。実際の戦車を念頭に置いてたんでほぼ単色になった。でもグレーのままにしておくのも、それはそれでアリだったかも知れない。
 基本的な形は陸戦仕様の脚部パーツを履帯に変えて機体を折り畳んだだけと言えなくもない。オプションパーツセットのジョイントパーツでだいぶ助けられた。あとコトブキヤのジョイント。特に履帯部は、左右この位置に持ってくるのに大腿部の回転軸部にどうしてもコトブキヤのジョイントが必要だった。統一3mm軸サマサマだな。
 機体上部のヒサシ装甲と主砲受け、足裏部、電磁加速砲のセンサーなんかは肉抜きや裏側がちょっと目立つ感じだったので簡単に埋めといた。各所にあった使わない3mm軸は切り飛ばし、3mm穴はウエーブのOボルトだったかな?を押し込んで穴埋め。残ってるとどうしてもおもちゃな感じが消えないんで。
 

 履帯上部の板状装甲。「ガンヘッド計画」の時はエグザビークルみたいに前につけようとしてたんだけどなあ。この形態だとこれが一番収まりがいい。
 股関節部がむき出しなんだけど、後部なんでまあいいかな、と。人型でも股関節ブロックはむき出しのままだし。
 主砲ジョイント部にはスモークディスチャージャーを装備。ちょうどいい具合に取付穴があったんで。小物アクセサリーで、スモークと似たサイズの機銃座があってこれも装備させたかったんだけど、適当な位置がなくて断念。機銃が有効な小型標的は交戦対象として想定されてない気がするな。機動力で回避するか、ぶつけて跳ね飛ばすか、小型の随伴機(キットの中に”ロイロイ”て名前のミサイルポッドくらいのサイズのサポートメカが入ってたんで、多分いつも随伴してるんだろう)に処理を任せるか、なんじゃないかな。中・遠距離の火力支援機として製作してるんで、これはこれで良かろう。
 

 一応、裏返したらこんな感じ。ちゃんと装甲で守られているぞ。この装甲はエグザビークルの履帯を引っこ抜いた装甲部を流用。地雷を食らってもへっちゃら、・・・だといいなあ。
 履帯部はもっと派手にウェザリングしたつもりだったんだけど、つや消しを吹いて組み立ててみたら、思った程じゃなかった。一番よく汚れて削れる履帯部なんで、再度ウェザリングしても良かったかも。
 変形機構自体は、単に肩と足がくっつくところまで前屈させるだけ、というシンプルな物。そのまま変形させる事もできるんだけど、股関節周りが少々動かしにくいんで一度脚部を取り外してから変形させた方が無難な感じだ。
 

 バックパックの基部が多重関節になっているので、主砲は360°回転させる事が可能。バックパックごと上を向かせたりする事もできる。特に用途がある訳ではないが・・・遮蔽物の陰から砲塔だけ出して攻撃したりできそうなので、戦術の幅は広がるのかも。一応こんな感じで機動砲撃戦にも対応している。
 なお、バックパックにマーキングされたナンバーは、航空部隊からの識別を容易にするための物。
 

 

 機動戦形態から、砲撃戦形態へ。
 低速走行しつつ脚部接地ユニットを前方に展開、走行の運動エネルギーを利用しつつ立ち上がる設定で。
 脚部ユニットを展開する事で車高が上がり、傾斜地や瓦礫地盤面でも安定した射撃が行える最大攻撃モードとも言える形態。射撃後は機動戦形態に移行し、速やかに次射撃地点へと移動する・・・と思われる。近距離ならこのまま歩いて移動するんだろうけど。一応、ちゃんと歩ける逆関節メカにはなっているんじゃないかな。
 製作当初には想定していなかった、中間形態だ。
 

 購入時にキャンペーンやってたみたいでマーキングシールを貰った。実際の戦車とかって部隊の番号くらいしかマーキングはないけど、パトリオットミサイルなんかの画像にはマーキングの文字があったので、今回は控えめに砲とミサイルのみコーションレターを貼っておいた。
 ちなみに足首はボールジョイントで接地面も広めなので、姿勢はなかなか安定している。
 

 横から見ると、アルトが深々と頭を下げている姿勢。「すんませんでしたァ!!」てしてるだけ・・・。
 小型シールドを回転させて位置を変更する事で、側面からの関節部分は防御できていると思う。
 にしてもこいつの主砲、何撃つんだろうな?カートリッジらしきものがあるから実弾だと思ってるんだけど、なんか装弾数が少なそうな。バックパックの中に予備弾倉が入ってて、仲間の機体に交換してもらうとか?んなわけないな。
 弾倉に見えるのはコンデンサーで、バックパック内のジェネレーターからエネルギーを充填、連射可能なビーム兵器と考える方が無理がないか。背中のビームキャノン(エネルギー兵器)と右腕の電磁加速砲(実弾)、左腕のミサイルランチャー(実弾)くらいがバランスいいんじゃないかな。
 

 股関節球体ブロックと大腿部をつなぐライトブラウンのジョイントが、コトブキヤの部品。ここに一関節追加する事で、脚部の開き幅が調整できて長さも程よく稼げる。3mm径のジョイントで良かった・・・何に使うかわからんけど買っておいて良かった・・・。
 背中、というか尾部を防護する装甲板と脚部が干渉するんでこれ以上脚をハの字に開けないんだが、ハの字に開かなくても運用上特に問題はないだろうと思う。ちなみに敵機と想定外の接近遭遇した場合は、基本的には後方に座り込む感じで機動戦形態に移行、履帯駆動で全速後退で対処するつもり。
 

 

 どうしても格闘戦せざるを得ない場合は、近接戦形態に移行。機体左右の電磁加速砲とミサイルポッドを排除する事で、ノーマルのアルトに準じた格闘戦能力を発揮できる。とはいえ接近戦装備は左腕の打突機能付きスパイクシールドのみなので、どうにかして敵のセンサーか関節にダメージを与えた後、機動戦形態に移行してスモークを展開しつつ全速後退、が基本的な流れになるかと。
 今回、いつもロボット作ってるウヲとしては珍しく人型形態はおまけモードなんで、この形態での積極運用は想定していない。だから重量バランス悪いのにミサイルポッドは左脚部にしかついてなかったりする。肩の識別番号のマーキング方向も、この形態が基本形でない事を示しているのだ。
 唯一、近接戦以外でこの形態に変形するのは電磁加速砲による狙撃戦時。この装備だけは、人型形態が一番柔軟に取り回せるんで。
 

 こいつの脚部、大腿部の下に膝関節があり、その下に履帯ユニットとのジョイントがある。で、「腰まである巨大な」履帯ユニットの先端に接地ユニットが接続されている訳だが。
 膝関節の曲げ方向を塞ぐ履帯ユニットって・・・ヒザ曲がらんぞ。まあ履帯ユニットとのジョイント部が多少伸縮するんで歩行はできそうなんだけど、歩行時の脚部の動作は独特な物になる気がする。原型機に比べて脚部の可動域が制限されるのは間違いないし。敵を蹴飛ばしたりする能力を要求されている訳でもないし、瓦礫の斜面を登って左腕で本体を支えつつ電磁加速砲で精密射撃、位できれば十分だろう。
 こういうメカの運用を考える時、どんな局面でも原型機よりワンランク上の性能を発揮するカスタマイズ機、ってのはあんまり考えないんでこれくらいが無理のない設定かと思う。
 

 背部ビームキャノン(今決めた。これは実弾じゃなくビーム兵器ね)は、この角度くらいまでしか前に向けられない。このまま正面を撃つには前傾姿勢を取る必要がある。バックパックがジョイント部で180°回転させて腰辺りまで位置を下げられるんで、脇の下から砲身を出して射撃する事はできる。ガンダムMk.Xみたいな感じだ。
 機動戦形態時の下面装甲が後腰部で半分畳まれた状態になっているが、斜面等機体の安定を保ちにくい状況で安定脚として展開される・・・はずなんだ。思いつきにしちゃなかなか機能的でいいじゃないか。
 

 上半身はいたってノーマル。胸部と肩部に装甲が追加されただけ。
 そういやキット素組みのアルト(陸戦仕様)って、状況によって背中の履帯(局地用移動ユニット、て書いてあった)をよいしょ、と降ろして下駄みたいに履く設定なんだろうか?
 
●架空設定みたいな。
 eEXM−17/T アルト陸戦仕様(ガン・タンク型)
 アルト(陸戦仕様)の特殊型に分類される機体。迅速な火力展開を目的として開発された。
 速度を重視した機体構成の為、主たる移動手段は履帯駆動となり、通常型アルトと比較して展開時間を50%近く短縮する事に成功した。反面、地上での走破性を重視するあまり跳躍・短距離ジャンプ機動能力は失われている。
 中・遠距離支援機としての運用が本来であるが、近接戦闘対応能力も有している為、前線における本隊到着までの抑止力として運用される場合もある。
 背部武装ユニットは「ミッションパック」と呼称され、これを換装する事で対空戦闘等様々な状況に対応する事が可能となっている。また、ジョイントさえ合えばあらゆる物を積載できる為、武装を取り外し大型コンテナを装備し、前線における物資輸送車両として運用される場面も数多く見受けられる。
 その使い勝手の良さから、特殊型としては生産機数の多いバリエーションである。
●塗装メモ 
 本体→ サンディブラウン(ラッカー・19)
 本体濃茶→ ダークアース(ラッカー・22)
 関節→ 土地色(ラッカー・522)
 頭部カメラ下→ シルバー(ラッカー・8)ダクト→ 黄橙色(ラッカー・58)
 主砲カートリッジ→ ニュートラルグレー(ラッカー・13)
 センサー内→ メタリックグレイ(エナメル・XF−56)
 履帯→ エクストラダークシーグレーBS381C/640(ラッカー・333)
 履帯転輪→ 軍艦色(2)(ラッカー・32)
 ジョイント部→ RLM66ブラックグレー(ラッカー・116)
 
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