ゲルググ
<げるぐぐ>
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 いわゆる”旧キット”。その昔、ゲルググJ型を製作する時に通常型のビームライフルを持たせようとパーツ取りに買ってきたキットだ。
 買ってきて箱を開けて、ビームライフルと手首が一体成型なのを見て箱を閉じ、そのまま放置したのを今も覚えている。ちなみに買ったのは今は亡き”ハローマック”。
 今回、ようやく作る気になったので再び開封。関節にポリキャップを仕込む事、シールドは背中に装備する位を決めて、製作開始。
 背中にシールドを背負わせる事を決めた時点で、ガンダムの「振り向き撃ち」ポージングで飾れるといいな、とか考えていた・・・のだが。
 

 背中にシールドを背負う事にしたのはいいものの、「なんで背負うんだ?」という自分の納得できない問題に直面、いきなりつまづいた。
 だいたいなんでゲルググはバックパックないんだ?とか考えるうちに、
 大推力化したものの、機体に内蔵した推進ユニットに容積を取られ、プロペラント搭載量が少なく、稼働時間がやや短い。そこで、
 ・A装備→大容量プロペラントタンク装備
 ・B装備→高機動パック装備
 ・C装備→砲撃戦パック装備
 の三種が、状況に応じ換装可能なオプションとして開発された
 と自分の中で結論付けた。この機体は試作型なので既存の物を流用した大型タンクを背負っているが、本編登場の制式採用型はシールドで防御可能なサイズにまで小型化されている、という事で、なんとなく自分の中では許せる感じになってきた。
 ここで、「あ、んじゃペズン基地で試作製造された最初期型って事でいこう!」と設定的な何かが頭の中に。よし、これならディティールが色々違うのも許せるぞ。そうだよ、だからこれの延長でガルバルディも開発してたんだよ!
 で、肝心の製作だが。
 肩部装甲を切り離し(元は本体と一体成型という思い切ったキットだった)、頭部を小さくし、胸部を張り出し、腰部装甲を分割し脚部を延長した。あとはせっかくなんでビームナギナタも装備してやろうと。ただナギナタ状のビームはあんまり好きじゃなかったので、ジャンクのビームサーベルを流用。ジオン軍初のビーム兵器装備機なんで、収束率は良くなかっただろうとあんまりシャープじゃない感じにしたのだが、ここはやはり細く尖ってる方がカッコよかったな。
 

 腰部装甲だが・・・ここは切り離さなくても良かったかも。可動軸が仕込みにくい。別に大きく脚を振り上げさせるつもりもなかったし。まあ色々勉強になったから良しとしよう。胸部も角張らせ過ぎた感じだし、丸いコクピットハッチの追加だけで胴体はあえてそのまま製作でも良かったかも知れない。いやもっとカッコよくなるはずだったんだがなあ。
 あんまり写ってないけどビームライフルは割と貧弱な感じだったのでプラ板を貼って本体を若干大きく。グリップは本体にプラ板を突き刺して、手の中の見えなくなる部分をちょっと小さめに製作。手の中で若干左右に振れるので、元キットの「ストックが腕と干渉してうまく持てない」問題を何となく回避。簡単でいいじゃん。
 肩部先端は空きスペースで、試作段階では推進機内蔵やマウントラッチ等、まだ何に使用するかは決定していない設定で。ゲルググもそうなんだけど、ジオングに至るまで「機動戦士ガンダム」登場の機体は肩部装甲に推進機を仕込むという構想がないので、ここはちょっと物足りないくらいがいいんじゃないかと。ちなみに肩部や腰部のフックは「機体保有数の少ないペズン基地では、モビルスーツは資材運搬等の一般作業にも使用されていた」という架空設定から。
 

 そろそろ足裏の作り方、真面目に考えんとな・・・。
 ちなみに腰の四角いブロックは、ビームナギナタ用のラック。
 

 前はここに、ビームサーベルを削って色をちょっと塗り直した写真が貼ってあったんだが、画像差し替え。
 こんな感じのバランスになったんだけど、やはり足は長い方がカッコいいな。
 
●架空設定みたいな。
 YMS−14[PZ−001]/A ゲルググ(ペズン工廠試製型)/A装備
 最初期の設計プランに基づき、ペズン工廠で試作された機体。リックドムの配備以前より試験運用されていた。
 内装機器の約4割にザクUの部品を流用しているが、推進機配置のレイアウト、重量配分は制式採用型とほぼ同一であり、操縦特性はよく似ていた。
 両腕部には固定武装としてミサイル(ザクU用脚部ミサイルポッドの転用品)を装備している。主機は後にビーム兵器運用の為の高出力ジェネレーターへの換装が行われ、最終的に制式採用型とほぼ同等の性能となっている。
 また、制式採用型背部オプションのA/B装備は、本機により運用試験が実施された(C装備は頭部ユニットまでを含めた換装であった為、別拠点にて仕様策定されている)他、ビーム兵器を含む各種火器についても繰り返しテストが実施される等、本機の運用データが「ゲルググ」の最終的なスペック決定に大きく関与している。
 ペズン基地近傍宙域での小規模戦闘に投入された実績があり、その際RGM−79「ジム」一機を撃墜している。
●塗装メモ
裏地→RLMブラックグレー(ラッカー・116)
本体緑→ロシアングリーン(1)(ラッカー・135)
本体灰→エアクラフトグレー(ラッカー・73)
メカフレーム部→軍艦色(2)(ラッカー・32)
シールド縁→ダークイエロー(ラッカー・39)
シールド本体→ネイビーブルー(ラッカー・14)
カメラ→下塗:シルバー(ラッカー・8)・上塗:クリヤーレッド(エナメル・X−27)
膝・爪先→RLMブラックグリーン(ラッカー・18)
関節→ダークシーグレーBS381C/638(ラッカー・331)
ビームナギナタ→ホワイトパール(ラッカー・151)+蛍光イエロー(ラッカー・172)(混色)
バーニア→焼鉄色(アクリル・H−76)

 ここからは覚え書き。この先自分の役に立つかも知れんので。
 
◎全体図
  
 
 素組みと完成品を並べて。
 色々ネットで他の人のレビューを見てたらかなり酷評されてたんで覚悟して素組みした。
 確かにまあ、酷評されるだけの事はあるんだけど、かと言ってゲルググらしからぬパーツは特になし。・・・そこが厄介なのかも知れないけど。
 一番気になったのは、頭の横幅と足の短さ。
 
 
◎頭
  
 
 紙ヤスリに擦り付けて幅を狭く。たまに胴体と合わせてみて、許せる大きさになったら接着して、鼻先にコトブキヤのディティールアップパーツをくっつけて隙間埋め。なんかそれっぽく見えるからこれで良し。
 モノアイスリットは横に開口しただけ。三角に見えてる部分は、黒塗装で。
 

 
 頭の中身はボールデンアームズのボールジョイント受けにスジボリして、丸モールドを貼り付けてモノアイと言い張る。
 しかし完成したらほぼ見えない。
 
 
◎胸
  
 
 肩を切り離して適当にプラ板を突き刺し、そこにプラ板で囲んだポリキャップを接着。
 本に書いてあった通りにやったつもりだったんだが、あまりに何も考えずにやり過ぎてポリキャップが横にちょっとはみ出す結果に。もうちょい内側にプラ板刺せば良かった。
 
  
 
 胸部成形。この段階ではこれでいいと思ってた。何回かやり直してようやくこの形まで持ってきたので、なんか上手くいった気になっていたような。昔からゲルググの胸は四角いつもりでいたんだが、これは四角過ぎ。エッジ落としたらよかったのかな?
 裏から見ると適当に固定したポリキャップが。
 
 
◎腰
  
 
 ランナーを切って胴と腰の接続軸に。上に見えているプラ板で囲んだポリキャップに付いた軸パーツ×2が、股関節。
 取り付けたら幅があり過ぎたので、ここは元部品を使わない方が良かったかも。
 

 
 腰装甲は前と側面に分割して切り離し。軸を付けてはみたものの、ゲルググの腰は受けを仕込みにくい感じ。
 白い板につながったポリキャップを左右に渡し、これにサイドアーマーの軸を刺す事に。軸径とポリキャップの穴が全く合ってないが、初めから軸をセロテープで太らせて刺すつもりだったので特に問題なし。
 
 
◎脚
  
 
 膝下で切って延長。大腿部で延長するのは、なんか違う感じがしたんで。割と安易に切ったんだが、後で膝下のディティールが上手くいかず困った。次回があるなら、よく考えるべき箇所。
 5mm近く延長したが、この板にプラ板の端材を積み重ねて足首ポリキャップの土台とした。
 
  
 
 膝部の黒い装甲。貧弱だったのでどうしようか考えていたのだが、ふと「囲んでいっぱい貼って、隙間埋めたらどうなるんだろう?同じサイズに整えやすいんじゃないか?」と思ったんで何となく実験。こんな感じになった。一応できたけど、エポパテ盛って成形した方が楽だったかも。
 
 
◎腕
  
 
 肘の軸先端がボールになっている、不思議な構造だったので(たぶんこういうのは”ボールジョイント”とは言わないのだろう)これを削り落としてただの軸として、ポリキャップをねじ込んだ。
 

 
 右の上下に写ってる、コの字型の白い部品が肘関節のポリキャップカバー。プラ板に肘軸を通す穴を開けてから切り取って、前後のカバー部分のプラ板を貼り付けた。組んで肘を動かしたらちょっと隙間が見えたので、それを隠す為にプラ板を追加で貼り付けてこんな形に。
 一番目立ってる赤いタンクは、旧キットリゲルグ用のプロペラントタンクで、形を整えて2個背負わせている。
 
 
◎シールド
  
 
 プラ板の上にシールドを置いてマジックで型取り、ハサミで切ってから一回り小さくして貼り付け。これにディティールを付けた。プロペラントタンクの陰になってほとんど見えなくなる予定だったんで、それらしいディティールなら大丈夫だろうと。
 白はプラ板、濃いグレーはコトブキヤ、薄いグレーは鉄道模型の側溝(情景パーツ)、青いのは旧HGUCギャンの足裏を切り取った物。
 
 これらを組み合わせたのが今回の完成品。ちなみにプラ板切りに定規は使ったが、寸法を測った所は一切なし。それでも一応形にはなる。ポリキャップは、プラ板で囲んで貼り付ければ案外何とかなるもんだなあ、というのが感想か。次はもっと丁寧に作るつもり。
 あくまで、”つもり”。
 
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