ガンダムTR−6 ウーンドウォート
<がんだむてぃーあーるしっくす うーんどうぉーと>
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 まずは全景から。武器がこんなに大きい。コンポジット・シールド・ブースターという名称の複合兵装なのだが、本体を超える全長を有する大型装備だ。小型の機体に大型の武器という、インパクトのある組み合わせ。悪くないと思うのだが、実際に操縦したら右に偏った武器の質量に振り回されて、かなり扱いにくそうな気がする。いや実際に作ってみるまでそんな事あまり考えなかったんだが・・・。
 見た目は好きだったんで、プレバンで予約購入したのだが、設定とかじっくり見てるとかなり変な機体だわ、これ。
 

 コンポジット・シールド・ブースター本体がそこそこでかい上に、さらに長大なブレードが付いてるんで、そのうち下に垂れ下がってくるだろうと思われ。まあそれはそれとして、機体サイズはかなり小型。頭部は標準、本体は標準より一回り小さく、大腿部は標準より二回り大きく腰には大きなブーストポッド、といった感じ。面白いバランスなんだけど、いびつといえばいびつかも。この機体をコアに、拡張パーツを組み込んで通常の機体と同サイズになる設定なんで、こんな小型機なんだとか。でも腰のブーストポッドと大腿部にジェネレーター搭載してて、かなりの高出力機でもあるらしい。
 手元にある本に、「腕部はウエポンベイとして扱われ、格闘戦は想定されていない」とか書いてあるんだけど、じゃあなんで長大なブレードのついた武器が標準装備的になってるんだろう・・・?


 これをちゃんと塗装して完成させる事にした時、手元にヘイズル改、ヘイズル2号機、アドバンスド・ヘイズル、黒いウーンドウォート「ヘイズルU」があった。あれやこれやと装備を考えているうちに、このウーンドウォートには左腕に黒ウォートのシールドを持たせてやる事に。黒ウォートにはシールドは要らなくなりそうだったんで。
 なにげに差し替え可変モビルスーツをちゃんと作った事がなかったんで、今回は差し替え用パーツもちゃんと塗装する事と、各推進機内にディティールがなかったんでスリット状のプラ板を貼り込む事だけを考えて、製作開始。
 可変機なんで、変形後はどこがどの程度見えるようになるのかがよく分からないんでちょっと困った。結局、「ちょっと余分目に塗っとけ!」みたいな感じで解決。
 

 手足はなかなかよく動き、動きのあるポージングができる。ところでこの機体、膝から下は先の細い角材のような形状のシンプルなパーツで構成されているのだが、中には何が入ってるんだろう?予想では大腿部スラスターの為のプロペラントタンクじゃないかと思っているんだが。
 腰部のブーストポッドには、冷却ガス噴射口の丸いモールドが5つある。これを使用して大気圏突入が可能らしいのだが、よく考えたら素体となる(シンプルであるべき)モビルスーツにこんなものが標準装備されているのがちょっと変な気が。一つのパーツに多機能を付与するデザインである事は理解できるんだけどなあ。
 形は派手なんだけど、主に白と紺のツートンカラーに近いので、カラーリング的には落ち着いている・・・と言えなくもない。
 

 後ろ姿。ウーンドウォート「ヘイズルU」に付属していたシールドを装備。なにやら表面にビームの砲口にも見えるパーツがあるのだが、詳細は不明。形は好きかな。
 コンポジット・シールド・ブースターの尾部裏面にはフレキシブルアームが装備されており、これと肩部と接続、基点としてブースター本体のクローアームを展開し射出する事ができる。このキットでもパーツ差し替えで再現されているギミックだ。うちでは再現させず、ライフルモードのみ。ならばフレキシブルアームは外しておいても問題なかったかな?その分だけ重量も軽減できるし。
 ブーストポッド下の三角のプレート(ウイングなんだろうか?)、一体どんな機能や役割を有しているのだろう?変形したら収納する設定みたいだし。
 

 腕の構造が複雑。この機体独自の形状で、類似した機種は多分ない。ほんと全身どのパーツも個性的だな。
 胸部インテーク内にスリット状のプラ板を貼り付け。ボディ真正面にくるパーツが、ただの凹みでディティールなしなのが寂しかったんで。インテークとは言ってみたが・・・姿勢制御用のスラスターかな?
 なんとなく、書く事があんまりないなー、と思っていたのだが、割と設定通りに塗装しただけだったからかも知れない。機体各所にロールバー的な部位があって塗り分けるのが面倒だったとか、白にスミ入れするのが苦手なんで結局シャーペンでやったとか、そんなところか。
 ちなみにこのウーンドウォート、シルエットはなかなか可愛らしいかも知れないが、フェイスは決して可愛くはない。
 

 

 ここからはモビルアーマー形態。
 変形すると腰部ブーストポッドが正面を向く、面白い形。
 変形用胸部パーツにバラしたブーストポッドと手足を畳んで取り付ける形なのだが、折り畳んだ時に一つのブロックになるように、脚部の膝から上と下が同じ位の長さになっている。ガンダム世界では珍しい長さのバランスではないかと。大概、膝から下の方が長いし。
 機首ブーストポッド両サイドの紺色の部分は、設定通りだとグリーンのセンサー部。趣味の問題でこうなった。センサーはあるのだが、普段は紺色のカバーの中に収納されている設定で。・・・しかし何のセンサーだろうな?小型のグレネード・ランチャーなんて設定でもいいかも。
 

 なんとなく変形させる前から予想はしていたのだが、この形態は真上から見ると中央の棒が短いT字型フレームの先端にそれぞれブーストポッドと脚部が取り付けられた形状になっている。要は、機体中央はフレームがむき出しで、ギュッとまとまった形状ではないという事だ。各パーツが密着する感じのゼータ系とはモビルアーマー形態に要求する能力が若干異なる、という感じなんだろうか。
 ちなみに下部に伸びるモビルスーツ形態時の股間パーツは、半回転してサブアームを展開する事ができる。まあ展開するだけで、特に何に使われるという事もないのだが。設定ではコンポジット・シールド・ブースターをはじめとする武器等の保持に使用されるらしいのだが。このキットでは保持する機能がついてないんだよな・・・。
 

 後ろから。
 こんな感じで、中央部はフレームが露出した感じになっている。
 変形後は、収納されていた細身のウイング(放熱翼かな?)が展開されるのだが、これは別パーツを差し込んで再現するようになっている。
 で、だ。
 このウーンドウォート、モビルアーマーにすると後ろから見た時に、キットのままだと推進機のディティールが何一つないという、少々困った事になっている。そこで今回は、写真大腿部の左右と上側に、角型スラスターの小さいパーツを貼り込んでみた。上側は、変形時に干渉しないギリギリの位置に。ウイング部のスラスターは、モビルアーマー時は変形用パーツに貼り付けただけだが、モビルスーツ時には同じスラスターパーツが小型の磁石で貼り付けられる豪華(?)仕様だ。まあ一度変形させて写真撮ったら、二度と変形させるつもりもないんだが。製作時はここでちょっと時間を取られた。
 しかしいくつか見たレビューサイトでは、モビルアーマー時に推進機類が何ら見られない事を特に不満に思っている様子がまるでなかったのだが、気にし過ぎなんだろうか。個人的に、モビルアーマー時は推進機が後方に集中し、加速力が増大するように見えるのって大事なポイントなんだが。ほら、ゲームとかでも変形すると速度や移動力が上がるじゃん?
 

 真下から見える、ブーストポッドに半没している頭部付近のパーツが、変形用の差し替え本体部。どう変形したらこんな風になるのかよく分からず、ネットでしばらく調べてた。・・・なかなか複雑な変形するんだな。
 白一色のパーツなので、頭部アンテナと胸部ダクトは黄色く塗装。後方も紺色で塗ってはあるのだが、変形後はほぼ見えないな。黄色だけの塗装でも良かったかも。
 変形した腕部パーツがブーストポッドのスラスターの真下に位置するのも、推力を阻害する要因になりそうな気がしてちょっと気になる部分ではある。腕部は変形させずに後方に伸ばすだけの変形の方がいいようにも思うなあ。
 

 

 参考までに、変形後にコンポジット・シールド・ブースターを装備させるとこんな感じ。股間部のアームを展開し、コンポジット・シールド・ブースター内のフレキシブルアームをちょっと横にずらして引っ掛けると、保持しているように見える。
 ただ、装備の全長が相当あるんで収まりがいいかと言われると何とも。とはいえ設定通りに保持させると、おおむねこんな感じになるはず。初めから装備させる事を想定して製作するなら、磁石埋め込みとかにしておくと案外楽に装備できる形にできたのかも・・・と、写真を撮りながら思ったり。
 ちなみにシールドは、ほんとに上からただ置いてあるだけ。
 

 後方上からだと、載せただけシールドで中央フレームが隠れてくれるので、なんか安心する。ここが一番載せやすかったんでこうしといたが、もうちょっと後ろに載せて上からシールド先端が突き出さない程度の位置にした方が、収まりが良さそうだ。
 総評。可変モビルスーツは色々大変。ウーンドウォートは各部形状、各部バランスとも他の機体とはかなり違うので、その辺は作っていて面白かった。一般販売されていないし、流用パーツなしの完全新規なのにそれほど高くもない所も良い点かと。
 
●架空設定みたいな。
 RX−124 ガンダムTR−6 ウーンドウォート
 架空設定特になし。
●塗装メモ 
 白→ グランプリホワイト(ラッカー・69)フラットベース混
 明紺→ ティターンズブルー2(ラッカー・UG17)
 暗紺→ ネイビーブルー(ラッカー・14)
 ダクト→ 黄橙色(ラッカー・58)
 頭部アンテナ→ イエローFS13538(ラッカー・329)フラットベース混
 スラスター内スリット→ メタリックグレイ(エナメル・XF−56)
 各所ロールバー状部位→ ニュートラルグレイ(エナメル・XF−53)
 センサー→ 下塗:シルバー(ラッカー・8) 上塗:クリヤーグリーン(エナメル・X−25)
 関節→ ダークシーグレーBS381C/638(ラッカー・331)
 フレーム部→ 軍艦色(2)(ラッカー・32)
 裏地→ RLM66ブラックグレー(ラッカー・116)
 
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