ナイチンゲール
<ないちんげーる>
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 デカいよ?多分デカさに満足してくれ、っていうのがこのキットの趣旨の何割かを占めてるんだろうとは思うんだが。にしてもよく発売したな。バンダイすごいぞ。特徴的なファンネルポッドが巨大なんで、横幅は実に50cm近くある。
 もともと部分塗装で仕上げるつもりだったんで、本体の赤は、成形色そのまま。組立前に考えていた事は、
◎「黄色(ロケットノズル内側とか)を極力なくす」。毎回思うんだけど、推進器の噴射炎をまともに被る部位に色付けって、変じゃない?駐機状態で、エアインテークに赤い保護カバーがかけられてる・・・とかだったら分かるけど、ここはよく分からない。なんか違う解釈なのかな?
◎「白色成形色(特に関節カバー部)を違う色調の同系色で塗装」。角形スラスター、関節カバー、プロペラントタンクの3つが白なんだけど、全く用途の異なる部位が全く同じ色、ってのはどうも好きじゃなかったんで。結局、関節カバーとプロペラントタンクをそれぞれガルグレーとライトグレーで塗装。プロペラントタンクは、継ぎ目がうまく消せなかったんで仕方なく。
 後は組み立てつつ気になった所を行き当たりばったりで。足先左右の出っ張りは、外せるもんなら外してやろうかな、位だった。ない方がとんがった形というか、安定よりスピード重視に見えるし。でまあ、あっさり外した。
 

 説明書通りに作っていくと、下半身が「完成したらどんなサイズになるんだ?」と思うくらいものすごくデカい。設定上、全高は他の機体と大差はないので高さ的にはそこまで大きくはならないんだけど。
 組立説明書を見つつ、武装を追加。本体中央にメガ粒子砲、前腕部にもメガ粒子砲を。フロントスカートにも、基部に近接防御用の低出力ビーム砲と、下部に着脱式マイクロミサイルコンテナ(単に四角いだけだが)。テールスカート外周部にも、後方要撃用ミサイル(単に丸モールド貼っただけだが)。
 考えてみて欲しい。ネオ・ジオンは先の戦争で指導者ハマーン・カーンをニュータイプ同士の戦闘で失い、組織が崩壊しかかっている。この時のハマーンの乗機はキュベレイ。武装はファンネルとビームサーベル兼用のビームガンのみ。今回も総帥シャア・アズナブルをモビルスーツに搭乗させ、戦力不足やら戦意発揚やらの理由で戦線に投入せざるを得ないわけだが。
 指導者を失った戦訓がある割に、ナイチンゲールの武装が少なすぎないか?さすがに可能な限り生存性を高めた機体を用意すると思うんだが。というわけで武装を追加。基本使い捨てのファンネル10発と明らかに過剰出力の大型メガビームライフル・・・。なんか扱いにくそうだし。フロントスカートの低出力ビーム砲はやり過ぎた気もしてるんだが・・・なんかこの場所、のっぺりしてて嫌だったんで。
 ついでに足先左右の出っ張りの話なんだけど。「逆襲のシャア」登場のα・アジールが宇宙専用機なのにやたらでかい着陸脚があったり、ナイチンゲールもどう見ても宇宙専用機だが接地性を高める足先左右の出っ張りやビームライフルにバイポッドがあったりして、他の時代の宇宙専用機と比べて違和感があったから撤去してやった。昔は気にならなかったのになあ。
 

 本体にパーツの合わせ目が気になる所はほとんどなし。関節カバー部とプロペラントタンクくらいか。でもこの二つも、塗装せずに組んだらピッタリ合わさってあまり目立たないんじゃないかと。俺は変に接着剤を塗ったから目立っただけで。
 本体が大体完成した所で気になるのが、関節の緩さと可動範囲の狭さ。緩いんじゃなくてパーツがデカくて重いから負けてるのかな。いずれにせよあまりポーズは取れない。これにシールドを持たせたら尚更ポーズは固定に・・・と考えた所で、シールドは作らない方針に。ライフルも「大型メガビームライフル」→3cm位中央と後端を切り飛ばして軽量化、「ただのメガビームライフル?」に。小脇に挟んで保持しにくくなったんで、後端を切り飛ばしたのは早計だったか。
 それはそうとファンネルポッド。そのまま組んだら垂れ下がってくるんで、軸下に1.5mmほどプラ板を噛ませてこの角度にする、ってどういう事だ。設計ミスではないと思うんだが・・・分からん。
 でもって全身の丸い三つ穴凹モールド。何らかの意味がある物ではなさそうな感じ。結局、ほぼ全箇所にリベットやら何やら貼り付けて結構な時間がかかった。組みやすさ重視なせいか、全身のディティールは結構大味な印象。三つ穴凹モールドと、装甲裏側のモールドが噛み合ってると良かったかも。合ってたら開口してみようか、とか思ってたし。
 あれやこれやと言ってみたが、全体の印象としては・・・あまり動きのないポーズで飾ると結構満足できるかと。動きのあるポーズはちょっと。モビルスーツとしてはかなり異質なフォルムなんで、これはこれでなかなか。そういえば全身のマーキングシール類は結構貼りにくかった。デカいんで左右同じ場所に貼れてるか確認するのとか。ファンネル基部に1から10まで、ナンバリングシール貼ったんだけど、写真じゃほとんど見えてないのに今気づいたぜ。おかしいな。
 

 アップにすると、腹部にメガ粒子砲。だって付けたかったんだもん。
 本来はメガ粒子砲にカバーがついているのだが、ナシで。成形色仕上げで大掛かりな改造・・・は無理。
 シールドを作らなかったのは見ての通りなのだが、おかげでポージングに表情がつけやすくなった。こういう、「その機体の定番パーツをあえて外してみる」ってのは少し印象も変わって悪くないんじゃないだろうか。
 とはいえ浮かせて飾れるようなシロモノではないく、両脚とテールスカートの三点支持で立たせておくしかないのだが。
 

 ファンネルコンテナ裏側の大量に設置されたロケットノズル。
 その内のいくつかを撤去。見た目のインパクトは抜群だと思うけど、普通に考えたらこんなに集中していらんだろ、という事で。
 大きなテールスカート、ここはもうちょっとディティールを増してやった方が良かったかも知れない。ちょっと物足りない。
 あとつや消しクリアーが吹き付け不足か。プラスチック感がかなり残っている気がするな。これは今後の課題という事で。この時はおそらく、3回程吹き重ねてると思うんだけど、5回くらいにしたほうがいいのかな?
 人に勧められるかと言えば、微妙なキット。ポリキャップの保持力があまり高くなく、肩と股関節は抜けてくる事もしばしば。メガビームライフルも、可動指が災いしてか保持しにくい。最近はSDと1/144の製品が出ているので、そちらを買う方が良いかも。
 
●架空設定みたいな。
 MSN−04R−2 ナイチンゲール
 ネオ・ジオン軍の総帥、シャア・アズナブル専用機。自身の高い戦闘能力に加え、ネオ・ジオン軍の保有戦力の少なさもあり、その出撃回数は意外なほどに多い。
 高い機動性に加え、ファンネル、120mm機関砲をはじめ腹部拡散メガ粒子砲、前腕部メガ粒子砲など高い火力を有する。機体各所には三つ穴型のマルチスロットが設けられ、機雷、戦域離脱用の閃光弾、各種ダミー等、様々なオプションを選択する事ができる。また、フロントスカートには隠し腕、近接防御用のビーム砲が内蔵され、下部にはマイクロミサイル・コンテナを片側最大4基マウントする事ができる。
 携行武装としては、射撃戦用のメガビームライフル、近接戦用のビームトマホークの他に、長距離射撃戦用の大型メガビームライフルや、ミサイル・ビームトマホークをマウント可能な大型シールドが存在する。
 四肢のカバー部には伸縮機構が組み込まれており、特異な機体形状ながら近接戦闘時にはビームトマホークを死角なく取り回す事が可能となっている。
●塗装メモ
 足首メカ部→ メタリックグレイ(エナメル・XF−56)、ジャーマングレイ(エナメル・XF−63)
 股関節スリット部→ ジャーマングレイ(エナメル・XF−63)
 ロケットノズル→ 焼鉄色(アクリル・H−76)、ゴールドリーフ(エナメル・X−12)、クリヤーブルー(エナメル・X−23)拭き取り
 裏地→ ジャーマングレー(ラッカー・40)
 関節カバー部→ ガルグレー(アクリル・H−51)
 腰部メカ部可動基部→ ダークシーグレーBS381C/638(ラッカー・331)
 メカ部動力パイプモールド→ ジャーマングレイ(エナメル・XF−63)
 膝周囲丸モールド→ ダークグレイ(エナメル・XF−24)
 プロペラントタンク→ ライトグレーFS36495(ラッカー・338)
 墨入れ→ ジャーマングレイ(エナメル・XF−63)
 腰周囲動力パイプ→ ジャーマングレー(ラッカー・40)
 角形スラスター内部→ 焼鉄色(アクリル・H−76)
 フロントスカート裏メカ部→ ダークシーグレーBS381C/638(ラッカー・331)
 腹部メガ粒子砲→ ニュートラルグレー(ラッカー・13)
 足裏→ ジャーマングレー(ラッカー・40)、ジャーマングレイ(エナメル・XF−63)、メタリックグレイ(エナメル・XF−56)
 メガビームライフル放熱部→ 黒鉄色(ラッカー・28)
 メガビームライフル本体→ 軍艦色2(ラッカー・32)
 メガビームライフル細部→ ダークシーグレーBS381C/638(ラッカー・331)
 メガビームライフル後部シャフト→ ニュートラルグレー(ラッカー・13)
 
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