大和
<やまと>
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 現実を知らずにガンプラで「リアリティ」もないよなあ・・・と以前から思っていたので、今年の目標は「戦艦大和を作る」にしていた。去年SDながら10式戦車を製作して、なかなかいい感じだったので次は海軍を、と考えていた。
 戦艦といえば?の問いに、一番多く上がるのが「大和」だと思うので、ちょっと安直だがそれを作る事に。宇宙戦艦ヤマトを作った事があるので、比べて見たかったというのもあるけど。
 これはその大和の、対空兵装が増強された最終時の姿だったはず。舷側にずらりと並んだ機銃座がなんかすごい。細かくて面倒な気はするけど、どうにかなるかと。
 艦船模型といえば宇宙戦艦ヤマトとN−ノーチラス号くらいしか作った事がなかったので、ともかく完成させる事だけを目標に製作開始。
 ちなみに当初予想では、
 「ピンセット必須」
 「機銃は折れやすい」
 「よく考えたら甲板に構造物を並べたら完成」
 程度しか考えていなかったりする。
 ガンプラの知識しかないと、そんなもんだと思う(笑)。
 

 側面から。
 時折、このシルエットをロゴや何かで目にする事がある気がする。
 中央に構造物が集中していて、そこから前後に伸びたシルエットがなかなかカッコいい。
 同時期の日本海軍の他の戦艦とはちょっと違うんだよな。ただ、子供の頃、宇宙戦艦ヤマトから入った人にはこれが一番見慣れたシルエットかも知れん。
 なんというか、きれいな見た目だと思う。
 それにしても主砲がデカい。
 

 上から見ると、思ってたより木甲板が多いというか、艦橋や煙突周囲にものすごく装備が集中してる。
 もっとも、あちこちにまんべんなく機銃を据え付けも、主砲の周辺なんかは射撃時の爆風?が酷すぎて運用できないのだろうとは思うけど。
 主・副砲身根元の布カバーの白がいいアクセントになっている。
 このキット、「艦NEXT」てシリーズなんだけど、組み易さを追求したキットらしく、「塗らずに組んでよし」みたいな感じの組立説明書だった。
 確かにキャラクターモデルしかほぼ組んだ事のない人間が、ちゃんと完成させられるくらいの難易度ではあった。
 色指定も特になく、砲身根元カバーも「コンビニで売ってる修正液で塗ると良いでしょう」とか書いてあってビックリ。他にも、黒い所はマジックで、とか書いてある箇所もあったな。
 艦尾の艦載機や小型舟艇運用甲板が思いのほか広いのな。何となくは知っているつもりだったけど。
 

 このアングル。
 昔「宇宙戦艦ヤマト」でよく見かけていたような。
 少し広がって見える主砲身がなんかカッコいい。
 船体はグレーと赤の二色で、パーツも色の境界で分割されてるんだけど、艦首側面で段差が発生。色々試して、最終的に接着して段差を削ってなるだけ平らになるようにした。
 多分、グレー部分の左右貼り合わせがちょっと雑だった事に起因する物ではないかと。意外と船体の組立も気を付けなきゃいけないのな。「赤とグレー貼り付けて終わり!」じゃなかったよ。ここはかなり想定が甘かった。
 次回作る事があれば、要注意点だ。
 

 艦尾。
 作ってる時、ふと「スクリューシャフトって本当は何色なんだろう?」と疑問に思ったので、ネットで少し調べてみた。
 そしたら過去の文献を調べた人が記事を載せていて、それによると「シャフトは塗装ナシ。ただし、錆が認められた際は塗装を実施する事」とか書かれていたらしい。
 というわけで今回はシルバーで。記事を載せていた人は文献以外に他の艦艇の写真も調べていて、シルバーか船体と同じ色だったのではないか、という結論に達していた。船体と同じ色はちょっと寂しいので、今回はシルバーで。
 そういう所まで調べる人がいる事にちょっと驚いた。
 マストと艦尾についてる海軍旗。シールなんだけど、よくある棒に巻き付けて貼付するタイプだった。でも指示通りに貼ると巻き付けた所が太くなり過ぎて不格好だったんで、真ん中から切ってギュッと押し付けて軽く貼るだけにした。粘着力はガタ落ちだけど、厚みが出ないんでこの方がカッコいいハズ。しかしこの「巻き付ける」シール、ズレずに旗の裏表を貼るの、苦手だわ・・・。なんかコツがあるのかな?
 

 第一砲塔後方の三連装機銃は、組立説明書には載ってない装備だ。
 パーツが余ったんで、勝手に付けた(笑)この辺がキャラクターモデラーの作り方か。
 それと各砲塔、銃座の向き。当初は全部きれいに揃えて同じ向きにしてたんだけど、なんか味気ないのと一部どっちに向けておくのが正解かわからない機銃座があったんで、それぞれ色んな方向に向けてみた。なんとなく動きをつけたくなるのはやはりガンプラからの流れなんだろうか。
 第一主砲の前に、(多分)ロープを巻いてあるリールが何基も設置されてるんだけど、この白がなかなか塗装しにくくて困った。細かいわ見えないわ。
 割と適当に白を乗せてるだけなんだけど、一応それっぽく見えてるんでこれで良し。
 そういえば主砲身の中って、金色らしい。黒かグレーだと思ってた。でも目立ちすぎる気がしたので、茶色で塗装しといた。
 

 艦尾甲板の上の茶色い部分は、夜間歩行帯だったと思う。
 ここも作例によって茶色だったりグレーだったりまちまちだった。
 おそらく滑り止めのリノリウム材で、茶色でいいんじゃないかと。グレーの方がカッコいい感じはするんだけど、付属のシールも茶色だったし。
 甲板左右のカタパルト上には、左右それぞれに艦載機を取り付けるようになっていた。が、大和の色にグリーンの艦載機は目立ちすぎる気がして何となく乗せたくなかったので、友人に載せた方がいいか意見を聞いてみた。返答は「実際には一度も飛ばした事なかったはずだから、いらないんじゃないか?」。
 そんなこんなで、カタパルト上の取付基部を切り飛ばし、カタパルトをフラットに。でも平らなだけだと少し寂しいので、カタパルト上面にレールぽくプラ材を貼り付け。そんなに違和感なくまとまった気がする。
 艦載機は作らなかったが、ボートは作った。ちょっとだけ見えてるのがアクセントになってるのかな?割と大雑把に塗装したけど、あんまり見えない部分だからこれで良し。
 それとこの艦尾甲板の墨入れ、拭き取りがかなり面倒だった。最終的に、しっかり拭き取れてないけどまあこんなもんでいいかな?くらいで完了としたんだけど、出来上がってみたら案外悪くなかった。
 

 舷側にある茶色い一本線に見える部分、これは係船桁(けいせんこう)という。
 これを振り出して、小型の舟艇を係留しておくためのものらしい。
 なんで側面にポツンと木製箇所があるのか分らず、知り合いに聞いてみた所、手持ちの資料を調べてくれた。いやありがたい。何だかわからなかったら、グレーに塗装している所だった。持つべきものは友、だな。
 ときに甲板上に多数設置されている機銃座。スナップフィットのキットではあるんだが、これを取り付ける時は一度穴を丸棒ヤスリなんかで軽く広げておくと良さそうだった。途中から気付いてそうしたんだけど、何箇所か、少し甲板から浮いて見える機銃座が生じてしまった。これも次回以降の注意点として覚えておこう。
 

 後部副砲塔基部にある、ちょっとゴツめの対空機銃座。
 これ、史実にないやつだ。
 組み立てた後で余ってたんで、つけた(笑)
 ちなみに両面テープ止め。いつでも外せる親切設計だ。そのうち、「史実と違うのはなんかやっぱりヤだ」となった時は撤去しようと思っている。でも違和感なく付いてるよな?
 艦橋後部にはタラップが付いているんだけど、このタラップの中央付近にもう一本タラップを取り付けるよう、組立説明書には書かれている。でもタラップ同士の取付位置は分かっても、床面のどこに固定したらいいのかいまいち分からなかった。
 今回は組み立て時、ネットで探した1/200戦艦大和の組立記事を見ながら作っていたので、それを参考に取り付けた。これガンプラだと適当にアレンジしてどうにかできるんだけどなあ。スケールモデルだと「その位置である事に意味がある」んじゃないかと思うんで、あまり好き勝手するわけにもいかない気がする。
 煙突後方のマスト。これも2パーツくらいだったか、細いプラ棒的なパーツ同士を上手く接着して、逆三角錐に組み立てた。
 手で持ってどうにか接着したけど、本当はどうするのが一番上手なやり方なんだろう?
 

 前後の副砲塔の上のアンテナみたいな部分。
 これは空中線を張るための支柱なんだけど、付けなくても良かったかも知れない。ない方がスッキリなのか、物足りなく感じるのか判断に迷う。
 この支柱や艦橋上部の信号灯(写ってないけど)は、ボーナスパーツとして記載されている部品だった。折角なので付けてみたのだが、空中線の支柱はもっと細いパーツだと良かったかも。強度的な問題でこの太さなだけで、本来はもっと細い部位のような気がする。
 それにしても、大和は後ろ姿が思いのほかカッコいい気がする。実際に作ってみてそう思った。
 

 艦首付近、対空機銃座がない。
 主砲の正面なので、機銃座を設置できないのはわかるんだけど、何か不安だ。このあたりを狙って爆撃されたりしないんだろうか?他の対空砲火で十分カバーできるから問題なのだとは思うが。
 そういえば第二主砲基部左右にある対空機銃座。
 これも余剰パーツで作って設置しておいた。ガンプラユーザーがスケールモデルを作ると、なんかこういう事がしたくなるんだよな。
 
●架空設定みたいな。
 大和
 架空設定特になし。
●塗装メモ
 本体→ 呉海軍工廠グレイ(ラッカー・LP−12)
 艦底部→ ダルレッド(ラッカー・LP−18)
 菊花紋章・スクリュー→ GXブルーゴールド(ラッカー・GX210)
 主砲防水布→ グランプリホワイト(ラッカー・69 フラットベース混合)
 機関銃身→ ダークアイアン(ラッカー・MC214)
 木甲板→ ライトブラウン(タン)(アクリル・H−27)
 係船桁→ ウッドブラウン(アクリル・H−39)
 歩行帯敷→ リノリウム色(ラッカー・LP−17)
 
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