おもちゃドクター スキルUP講座

第1章 診療事例

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1−14 隠れた所にあるネジ

 外観の見栄えをよくするために、隠しネジにしたり、構造上ネジが隠れてしまう場合がある。分解する場合には注意が必要になる。特に、ツメでの勘合と間違えて大きな力を加えてこじ開けないようにしなければならない。

隠しネジの方法

 1. ネジ止用の穴部分を大きなシールを貼り付けて覆う方法。薄手のシール場合は、シールのの上から指の腹で押さえると穴の部分が少し凹むので穴があることが分かる。金属製のシールなどでは指で押さえても確認できないので、シールを剥がして見る必要がある。

 2. ネジ穴に化粧栓を詰める方法。化粧栓としては、プラスチック製や、ゴム製が多いが、木工製品では詰め木で隠している。ゴム製の場合で底面にある場合は、脚を兼ねている場合が多い。

 3. 蓋や部品により隠す方法。電池ケースの中では、電池の下にある場合もあり、電池ケースの蓋を開け、さらに電池を外してみる必要がある。

構造上隠れてしまう場合

 4. 引き出しを引き出さないと現れない場合。底に穴が開いているが引き出しが邪魔をしてネジ穴とは気づかない。

 5. シャベルカーなど上下の車体を回転軸で繋いでいる構造の場合。上下の車体を回転させないと全部のネジを外せない場合がある。

 6. 回転体または回転できる部品がある場合は、特定の位置関係にしないと外せない場合もある。

 7. 後で取り付ける部品により隠れる。分解の順序が大事である。

シールの剥がし方

1−15 粘着シールの剥がし方


 おもちゃに張られているシールは、ほとんどの場合、ドライヤーで暖めると剥がしやすくなる。シールがうまく剥がれない場合は、隠しネジと思われる部分に、ナイフで十字に切り込みを入れて穴を開け、細めのドライバーでネジを外す方がよい。後は丸いシールを貼って隠す。

 シールを剥がすには、図のようにシールを引っ張りながら真上に持ち上げる気持ちでゆっくりと力を加える。剥がす範囲は最少とし、作業完了まで粘着面に剥離紙(紙粘着テープの2つ折り)を貼り付けておくとごみも着かず作業がし易い。 

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津おもちゃ診療所 2011/02/01