おもちゃドクター スキルUP講座

第1章 診療事例

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1−24 記憶ICによる動作異常 2例


例1 おもちゃ名称 おしゃべりダンシング オラフ


異常発生の引き金 電池の入れ替え

症状 電池を入れ替えたら、動きが少なくなった
   音への反応がなくなった
   鼻を押さえてしばらくすると少し動く
   おしゃべりしない

処置 点検中の偶然により初期設定の状態になった。
   初期設定後は正常に動くようになった。

原因  交換した電池がエボルタ電池であったため電池ボックスとの相性が悪く、
     動作時に導通状態に変化が起き、雑信号が発生してバグが起きたとも考えられる。


例2 アンパンマン タッチであいうえお教室キッズタブレット

異常発生の引き金 電池液漏れ


症状 液漏れによる電池受け錆で電源が入らない。
   電源修理後、異常動作を確認
    勝手に動く、2重の音が出る,止まらない
    反応しないボタンがある、違う反応がある等。

処置 基盤目視で液漏れの影響を確認・スポンジマット水洗い
    基盤をKURE「エレクロニック クリーナー」で洗浄
    変色した半田を付け直しで一部改善する。
    録音と名前の内容を消去するこてど回復

原因  液漏れによる基盤汚れでリークが発生し、
      ICに異常信号が記録されたと思われる。



考察: 例1、例2共に記憶ICに異常信号が記録されてしまい、
       異常動作の原因になったと考えられる。
   例1、例2共に、購入時状態に初期化する方法がない。
     例1では、偶然に初期化された。
     例2では、録音・名前の内容を消去できたら初期状態にほぼなる。
      消去作業中に意図しない雑音が入りこみ、数回の試行が必要であった。

 
*今後、ICを利用したおもちゃでは多くの記憶内容があり、記憶異常で動作異常が多くなると考えられる。初期状態にする方法の準備が大事になる。
   

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津おもちゃ診療所 2020/10/26