鈴木雅彦
 市政報告のページ
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前回の選挙公約と実績について
2006年市議選で私が掲げた公約(選挙公報に掲載)
中学校給食の全校での実現を
子どもたちの医療費を小学校入学前まで 将来的には中学生まで無料に

インフルエンザの予防接種の補助を子どもたちにも
通院・買い物に便利な100円バスを郊外に広げます
介護保険料・利用料の負担を軽くします
水害対策をしっかりと
中学校給食 23年度実施が決定―――公約実現
 合併前、津市と久居市、美杉村では実施していませんでしたが、その他の7町村では全中学校で給食を実施していました。ところが、当時の津市長の「必ずしも教育に給食が必要だとは思わない」との合併協議会の発言により、合併後も以前のまま、津・久居・美杉地域は中学校給食を実施していませんでした。

 私は旧津市議会の時から、中学校での自校方式による給食の実施を訴えていましたから、前回市議選後、ただちに中学校給食の実施を議会で求めました。市は中学校給食の検討をほのめかす答弁を行いました。すると他の議員もこぞって中学校給食を議会で取り上げるようになり、議会全体として、気運が高まっていきました。

 こうなると、市としても悠長なことは言っておられず、中学校給食の「在り方懇談会」を市民を交えて発足せざるを得なくなりました。ただし、教育委員会は自校方式はお金がかかると、偽りのデータまで作って懇談会を誘導し、最終的に久居の工業団地に給食調理センターを建設し、民間に調理を委託して各学校に配送する、「民間委託、センター方式」での給食実施を決めました。

 民間委託は労働基準法上、調理について管理栄養士が現場で指示を出すことができません。それが原因で給食がストップしてしまった自治体もあります。これで食育の観点からの、教育的な指導ができるかどうか不安です。

 食育基本法の趣旨からすれば、県の担当者も「自校方式しかあり得ない」と認識していますが、「センター方式」はこれに対立するものですし、安全確保と地域産業活性化のために地元食材を使うこと、いわゆる「地産地消」が不可能になります。と言うのも、統一メニューになりますから、数千食分の農産物、しかも機械で切りますから大きさと形のそろった農産物を地元で確保できないからです。

 アレルギー対応が不可能な点も問題です。センター方式を採用している自治体が各地にあります。アレルギー対応のために特別調理室を設けていても、アレルギーは人それぞれですから、器や食材が接触しないようにする必要があります。と言うことは特別調理室がひとつでは全く役に立ちません。そのため特別調理室があっても、使用していないセンターがたくさんあります。つまり、アレルギーの生徒には給食を作っていないのです。

 さらに、Oー157等の感染症が発生したら一気に広まってしまう点も問題です。また、いくつかのコースに分けて配送するのですが、久居から一身田中学校まで30分と想定しています。はたして可能でしょうか。各学校には給食の受け取りのための人員がいません。後片付けして返却するのにも人手が必要ですが、これも解決されていません。校長や教頭の役割になる可能性があります。

 こうしたことから「センター方式」には大いに疑問がありますが、教育委員会はすでにセンター建設に向けて走り出しています。この点は極めて残念ですが、ともかくも中学校給食は平成23年度から実施されます。
乳幼児医療費の無料年齢拡大―――公約実現
 津市は少し前までは、3歳未満の乳幼児しか医療費を無料にしていませんでした。前回市議選のおり、夢が丘のあるお母さんに言われました。「子どもを病院に連れて行った時、お金がかかったのでビックリした」その方が以前住んでおられた岐阜県の町では中学校卒業まで無料だったそうです。つまり、病院で子どもの医療費を払った経験がないのです。それが当たり前という市町村が全国にたくさんあります。しかし津市は極めて遅れています。

 旧津市議会時代から無料年齢の拡大を求めていましたが、選挙後、中学校給食とともに「せめて小学校入学まで無料にせよ」と当局に提起しました。当時の健康福祉部長は「実施すると2億円もかかる」と答弁しました。「津市政の諸課題」のページに掲載したように、津市はたくさんのムダづかいをしています。それを放置しておいて、子どもの健康を守る無料年齢の拡大に対し、「2億円も」という感覚はいかがなものでしょう。

 私は再質問しました。「たとえ2億円かかろうが、少子化対策のためにも、安全安心のためにも必要な施策であることを財務部に納得させ、予算を獲得してくるのが部長の仕事でしょう。それを『2億円もかかる』と自ら引いて、努力を放棄するとは何事ですか」と突っ込んだのです。

 その後、県が4歳未満の医療費無料化のために1/2の補助を出すことを決定しました。それを受けて津市でも4歳未満の医療費を無料にしました。このとき、津和会の代表質問でM議員が小学校入学まで無料にするよう求めました。最大会派が求めるのなら成立の可能性がありますので、無料年齢を4歳未満にする条例案を修正し、小学校入学まで無料にする修正案を、教育厚生委員会に提出しました。

 すると、本来あり得ないことなのですが、その委員会に所属する津和会の議員が3人とも修正案に反対したのです。代表質問は会派を代表しての質問ですから、会派全員の意向です。代表質問と同じ内容の修正案ですから、反対できないはずなのです。しかも反対理由さえ述べませんでした。結局、M議員の質問は、有権者向けの単なるパフォーマンスだったと考えざるを得ません。

 津市は何事も国や県の基準以上のことはしようとしません。かつて福祉の先進地として全国から視察が絶えなかった時代があったことが信じられません。しかし全国の趨勢は無料年齢の拡大です。津市の医療費の無料年齢は、通院が4歳未満、入院が小学校入学までです。選挙前より、無料年齢は拡大して、公約は実現したと言えますが、不十分であることは明らかです。ムダづかいをやめさせて財源を確保し、県の補助がなくても無料年齢を中学卒業まで拡大するよう、引き続き努力していきます。
子どもたちにもインフルエンザの予防接種の補助を―――一部実施
 病院によってインフルエンザの予防接種の値段が違います。安い病院で2000円台、高い病院だと4000円台です。

 前回選挙の折り、たくさんの方から予防接種に補助をしてほしいとの要望をいただきました。特に子どもの場合は2回接種しなさいと言われるので、負担が大きいのです。お子さんが3人いらっしゃる家庭では、予防接種が3000円としても、両親が1回ずつで6000円、お子さんが2回ずつで1万8000円、合計で2万4000円にもなってしまいます。もし4000円の病院なら、3万2000円にもなります。

 現在、65歳以上の高齢者には補助が出ており、昨シーズンは自己負担1200円で予防接種を受けることができました。1200円というのは魅力的な金額です。上の例で言えば一家5人で9600円ですむことになります。

 当選後の議会で取り上げた時、当時の健康福祉部長は「子どもへの接種の効果には疑問もあり」と答弁しています。効果に疑問があるのなら、なぜ医師は2回も接種を勧めるのでしょうか。他の自治体では補助をしている所もあります。少子化対策としての家庭への支援という観点からも、子どもたちの健康を守る観点からも、補助は必要です。

 以前に質問した時には「効果に疑問が」などと腰の引けた答弁をしていました。しかし県内他市で実施している所があることも確認してありましたから、効果がないと答弁したら、他市ではムダなことをしていると評価しているんですねと突っ込みますよ、と多少の脅しを交えて、保健センターから聞き取りをしました。そうしたら、高齢者の場合、65歳以上だけでなく、60〜64歳でも心臓疾患などを抱えている人には、重篤化を防ぐために予防接種の補助をしているから、同じような子どもたちには補助が可能と言い出したのです。

 その結果、2009年4月からこの制度が実施されました。対象となるのは「特定疾患を抱える子ども」と限定的ではありますが、ともかくも一歩前進、突破口を開いたことになります。次はこの枠を広げることが目標になります。
100円バスを郊外にも―――努力中
 現在、津市内には様々な形態のバスが走っています。合併前の旧市町村で、主に高齢者の外出支援を目的に、それぞれの町内だけのバスを走らせたり、デマンドタクシーと言って、乗合タクシーを運行させたりしていたのが、合併後も引き継がれているからです。

 私の公約の一つである「通院・買い物に便利な100円バスを郊外にも広げます」については、旧津市内の中心部を走っている「ぐるっと・つーバス」のようなバス路線を旧津市内の郊外部分にも広げようと言うものです。

 「ぐるっと・つーバス」は、多くの方が、市が運行していると思っていらっしゃるようですが、実は市民運動を盛り上げる中で立ち上げたNPO法人「バスネット津」が運行しているのです。市はこの「バスネット」に助成金を出すという形でタッチしているだけです。従って、「バスネット」に対して、郊外に路線を設けよ、と津市が命令するわけにはいきません。バスネット津のホームページはこちらです。

 「バスネット」に路線を拡大してもらうか、別の形態でのバスの運行を考えるかと言うことになります。しかし、「ぐるっと・つーバス」は停留所名の病院やスーパーマーケットに年間36万円の会費を出してもらう形で運営していますから、郊外路線を設けるにしても、会費を出してくれる企業があるかどうか、ここがポイントになります。従って企業の少ない郊外地域では、市民の交通手段を確保する行政の責任という観点から、NPO法人まかせでなく、津市が直営でバスを運行するか、民間に委託するか、どちらかの方法でないと郊外路線は実現できません。

 津市は74歳以上の方に「寿バスカード」を出していましたが、2009年4月から廃止してしまいました。「バス路線のない地域との公平性」を理由に挙げています。しかし高齢者の外出支援という本来の目的から言えば、合併以前から走らせているバスの路線拡大などを行いつつ、全地域のバス利用ができる「寿バスカード」を発行すべきではないでしょうか。

 「寿バスカード」が廃止された以上、ますます郊外型の100円バスの必要性が高くなったと私は判断しています。津市が「公共交通システム」の検討を進めていますから、それに合わせて郊外型100円バスの議論をしていくつもりです。
介護保険料・利用料の負担軽減―――若干引き下げ
 介護保険制度の保険料・利用料の負担は現役世代にも高齢者にも重くのしかかっています。とりわけ高齢者にとっては、年金からの天引きですから、事実上、年金が減ったのと同じです。これから住民税も年金からの天引きとなりますから、負担はより厳しくなります。

 そもそも「保険制度」ですから、保険料さえ払えばサービスを利用できて当たり前です。それなのに介護を受ける時に、別途に利用料を取るのは「保険制度」としては言語道断と言わねばなりません。しかも介護サービスを受ければ受けるほどお金がかかるのですから、保険料を払っていても利用を差し控えるようになるのは当然です。

 お金に余裕のある人しか、必要なサービスが受けられない、これが現在の介護保険制度の実態です。その上、特別養護老人ホームなどが不足しているために、国は「住み慣れた地域で生活をする」ことが大切だという理由を付けて「在宅介護」に重点を置いています。その結果、施設に入所できない待機者が膨大な数に上り、また、家庭での負担が大きなものになっています。

 制度を導入する時、政府の宣伝では「公的介護保険制度」という言葉が盛んに使われました。しかし制度が導入されてからは、「公的」という言葉はとんと聞かれません。わたしはこれを、政府が責任を放棄したことの現れだと考えています。利用者が介護事業者を選べる制度ですから、いわば、民と民の問題、行政は応援しますが、責任は持ちません、私にはこんな風に感じられるのです。

 2009年4月から、介護保険料の段階が細分化され、同時に各段階とも、若干の引き下げが行われました。ある意味では「公約の実現」ではありますが、一番負担感の大きい所得層に対する配慮がまだ不十分です。県内他市では10段階、9段階にしている所がありますが、津市は7段階です。その結果はと言えば、高額所得者に応分の負担がなされていないのです。1000万円も2000万円も所得のある方々に、能力に応じた負担をして貰えば、日々の生活に追われて苦しい思いをしておられる方々の負担を下げることができます。

 保険料は3年に1度、見直しが行われます。次の見直しは2013年、平成24年からです。それに向けて他市の事例を研究しながら、当局の努力を求めていきたいと思います。
水害対策をしっかりと―――進行中
 2008年8月29日、朝から各地の水害被害のニュースが続いています。特に岡崎市がひどかったようです。時間雨量146ミリ、全市14万世帯に避難勧告が出されました。津市では、2004年の台風21号による被害が記憶に新しい所です。合併前の旧津市のデータしかありませんが、400戸以上の床上浸水被害がありました。

 水に浸かって車がダメになった方、保育園に子どもを迎えに行くのに水の中を4時間、帰りは子どもとともに4時間、往復8時間歩いた若いお父さん、この辺は水害はありませんと言われて家を建てたのにだまされた、と怒りを隠せない方、窓を開けると田圃を覆い隠す一面の水、初めての水害に命の危険を覚えた若い奥さん、妊娠中なのに水の中を歩いて帰宅せざるを得なかった方、こうした声がたくさん寄せられました。しかも避難所である三重短期大学のあたりは腰まで水に浸かり、待機すべき職員も辿り着けない状況でした。

 こうした事態に立ち至った原因の一つは、宅地開発です。天然のダムである田圃がどんどんつぶされて宅地ができ、ショッピングセンターができ、雨水を受け止める余地がなくなっています。都市計画法の改正で、2007年12月からは、大規模開発が事実上不可能になりましたが、ミニ開発はあちこちで続いています。

 開発が進むひとつの要因は、政府の農業政策によって、農家が農家として成り立たなくなったことです。そのために「ご先祖様には申し訳ないけれども」農地の維持ができず、宅地並み課税の負担が大きく、手放さざるを得ない、これが開発を招いているのです。従って、抜本的な水害対策には、日本の農業政策の転換と都市計画の在り方の見直しなど、非常に大きな問題が立ちはだかっています。しかし、当面の解決すべき問題もありますから、並行して努力する必要があります。

 たとえば志登茂川の改修です。江戸橋付近でくびれている(ネック点と言います)ため、水はそこで詰まってしまいます。従って、その拡幅を行わなければならないのです。1999年の初当選以来、何度も何度も県と折衝するよう(志登茂川は県管理河川です)議会で取り上げ、三重県はようやく拡幅のための土地の買収に入りました。

 しかしそのスピードが遅いのです。まだわずかしか買収が進んでいませんので、何回目になるか分かりませんが、もう一度議会で要請しようと思っています。また、側溝や排水路の整備という問題もありますが、この点については徐々に工事を進めています。さらには道路もアスファルトで覆うのではなく、地下に水が浸透するような素材の使用も広がっています。

 このように努力は重ねていますが、近年は時間雨量100ミリを超える局所的集中豪雨が増えています。津市でも104ミリの雨を観測したこともありますし、台風21号の時は、3時間で270ミリほどの豪雨でした。(関連ページ、データ)

 こういうことを考えると、これまでのように「力ずく」で水を押さえ込む方法から、脱却する必要があるかも知れません。これについては全国的な研究を待たなければなりませんが、少なくとも、杉ばかりの山から、保水力の高い広葉落葉樹の山への転換と水田の維持管理、開発の抑制、側溝整備などは、市長の腹ひとつでできることですから、議会で頑張っていきます。
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