当寺は、伊富貴山観音護国寺といい、大原観音寺とも称されている天台宗寺院です。
そのはじめは伊吹山中にあって、弥高寺、太平寺、長尾寺の三ヵ寺と共に伊吹山四大護
国寺は、仁寿年間(851年~853年)に三修沙門によって開基され、元慶二年(878年)
定額寺に列せられた名刹です。
当寺の寺伝によりますと、貞和三年(1347年)に伊吹山中から現在の地に移ったとさ
れていますが、当寺に伝わる古文書などによりますと、それよりも八十余年前、鎌倉中期
の正元年中(1259年~1260年)に今の地に移転し、弘安年間に至る約20年間にほぼ寺観
と什物を整えたとされています。 鎌倉から室町にかけては、時の領主であった地頭佐々
木大原氏によって手厚い庇護を受け、戦国期には、浅井亮政、久政、長政からも多くの寺
領を安堵されています。 羽柴秀吉は寺領を安堵するとともに、長浜城主時代にたびたび
立ち寄り、天正四年には当寺に茶屋を申しつけています。 その頃小僧をしていた石田三
成が鷹狩りの際に訪れた秀吉に、一杯目は大きい茶碗でぬるめのお茶を、二杯目は中くら
いの茶碗でやや熱めのお茶を、三杯目は小さい茶碗に熱いお茶を差し出し、その才能を認
められ、出世の糸口を作ったという話が伝えられています。そのお茶の水をくだとされる
古井戸も残っています。
江戸時代になっても諸役を免ぜられ、観音寺村という寺院名が村名となり、彦根藩(井
伊氏)の所領として幕末に至ります。 境内には、本堂のほか、薬師堂、鐘楼、惣藏、惣
門などがあり、その内の本堂、鐘楼、惣門が国の重要文化財に指定されています。 寺坊
は、盛時には二十三坊あったとされていますが、現在、本坊、玉泉院の二坊を残すのみと
なり、わずかにその面影を見ることができます。
11月4日・5日 10時より観音寺本坊本ブックカフェを行います。
5日、15時より川村妙慶僧侶による法話を観音寺本堂で行います。
川村妙慶
KBSラジオ「川村妙慶の心が笑顔になるラジオ」土曜日8時放送でご
活躍されています。
お気軽にお参り下さい。
令和5年10月30日 ホームページを更新しました。