●タニコメ旅日記●
ニュージーランド紀行ミルフォードトラック54キロ完走をめざして<序>

 「世界一美しい散歩道」 と言はれるミルフォードトラックを、いつの日か歩きたいと、明子は10年も前から思い続けていたと言う。 昨年2月に僅か十分の一ばかりを体験して以来明子が夢見続けたミルフォードトラック54kmを三泊四日で完全走破を目指して、それを実現する旅が今始まろうとしている。今回の旅は、昨年のサザ−ンアルプス旅行とは違って「ミルフォードトラック完走」 という明確な目標を持っているのが特徴でありその他の旅程はオマケみたいなものだ。
―― ミルフォードトラックの歩き方 ――
 三泊四日という事になっているが事実上四箇所のロッジに泊まりながらガイドに案内されて歩くガイドウォーク、この場合は清潔なベッドやシャワーも完備した宿泊施設に泊まり、レストランに劣らない朝夕食と昼のランチが付き、ロッジ内ではビールやワインなどアルコール類もいただける。昼食時にはガイドがつくる暖かいスープやコーヒーなどの接待も受けられる。従って自分で運ぶ荷物といえばレインウエアーや防寒衣、1〜2日分の下着に昼のランチボックスと飲み水ぐらいなもので、リュック共で7kg程度が 一般的なようだ。
 ガイドは先行して接待役の2名と最後尾で落伍者を出さないように拾ってくる1名の計3名が付く。(Milford Track Guided Walk)。但し料金は高い、いわば王さんか大名の歩き方だが、一般的で日本からの客なんかはほぼ全てこのスタイルだ、勿論今回の私達もこれだ。
 一方、ハットと呼ばれる、内部は木の台だけしか無い小屋に泊まり、自炊しながら歩き通す、やや体力に自信のある人向けのインデペンデントウォークと云われる歩き方もある。この場合は寝袋や炊事道具、食料、着る物など生活用品一切を担いで歩かねばならないから、体力に自信があるベテランでなければ一寸しんどいだろう。勿論ガイドはつかないが料金が桁外れに安い。 要は王さんスタイルと乞食スタイルの両方があるという事だ。
この両方合わせて一日80名しか入山しないようにDOC(環境保護庁)が決めているので山の中は閑散としている。
―― トレーニング ――
新しいウウォーキングコース。高代寺山の山すそ廻りの5kmコースもやや飽きて来て、最近はサボリがちだった。そんな所へ明子がダム廻りコースのルート図を貰ってきたので、今回のトランピング(トレッキングの事をNZではこう呼ぶ)に備えてダム半周の10kmコースに乗り換えた。
 11月後半から13500歩Av,約2時間を周2〜3回、さすがに最初はダムサイトの5kmが、ホンマかいな?というほど長く感じられたが直ぐに馴れた。新しいトレッキングシューズ。12月中旬から、40年前の登山靴で歩いてみたが…。
昨年2月のNZハイキングでは、私は大きい方を履いたが、流石に40年間放っておいた革は傷んでおり裏がはがれそうになって修繕不能になった。昨年は明子が使った、昔クレッタ−シューズにしていたのを履いてみたが私の足が大きくなったのか、キツ過ぎて無理!という事がわかった。
 12月25日、新型のトレッキングシューズを購入。美津濃 「Berg」、27cm、13800円。1月6日には慣らしも完了した。
2004,1,7。
ミルフォードトラックへ出発する日まで余すところ一ヶ月に迫ったのを期にトレーニングも本格化した。洋次郎からか借りた50l型リュックに多少の荷物を入れて5kgという軽い荷重で、いつもの10kmコースに一庫公園の周回コースを加えて3時間半の行動をした。 軽いとはいえリュックをかついで(昨年2月8月のNZ,スイスは20l型であった)歩くことで腰の負担(痛くなる)が気懸かりであったが、別段どうということもなかった。少しずつ荷重を増やしながらこのスタイルでやってみることにする。
1月12日。
 明子を伴って空身で同じコースを歩いた、19300歩 約14,5kmの計算3時間40分だったが、明子は“ヘロヘロ”になった。 こりゃー一寸マズイなあー。
1月23日
 一応目途が立った日。猛烈寒い一日だったが、明子は30LITERリュックに5kgばかりの荷重で19000歩 約14kmを歩いた、今度はスピードを出来るだけ落として歩いた。後半もそんなにヘバル事も無く、通しでのトレーニングが出来本番への目途が立って一応安心した。その後、私8〜7kg、明子6kgで14kmを歩くトレーニングを何度かこなして本番に備えた。  

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