●タニコメ旅日記●
ミルフォードトラック完走を目指して 2月17日(11日目)

―― そして帰国の途に ――
 9:30テカポ湖畔のホテル ゴドレー リゾートを出発、大型バスに14名が好き好きに座ってゆったりだ。やや雲が多いが先ず先ずの天気、クライストチャーチまでは3時間ほどの行程、バスはR−8を私の感覚ではぶっとばすというスピードで走っている。
 フェアリータウンを過ぎた頃空は晴れて来た。
 野山も草木が多くなり、みどり濃くなってきた、道は近道なのかR−8を外れてR−79に入っているが、とにかく東進している。  羊牧場では毛刈りはもう終わりに近いとのことだが、牧羊犬四頭が羊を追い込む様子が見られた。ボスと思しき一頭が後ろでニラミを効かせ、他の三頭が走り回って追い込んで行く見事なもので、これぞ正にニュージーランドという感じの風景だった。
 見渡す限りの緑の平原、何と広漠とした風景だろう!。
 昨日一昨日のオタゴ地方の枯れた感じの荒涼とした原野と比べて、この地方はかなり高い所までよく整備された緑濃い平原だ。いくつもの丘や小さい峠を越え、遠く近くに草を食む羊や牛、この他に鹿やオストリッチ、アルパカと色々な動物が放牧されている。  NZイコール羊と思い込んでいたら間違いだ、最近は鹿が増えているようだ。
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本当は「短パン、Tシャツで」のはずのフッカーバレーのハイキング

 そんな風景を眺めながら、帰国に向けての一日をノンビリすごしている。
 10:30ごろジェラルデインの街で休憩。人口3500人ほどの街だが、クライストチャーチまで一時間半と近いこともあって引退者が多く住み、ガーデニングが盛んな街という話だ。ここで皆様は大変美味しいといわれるジャムを買い込んだ。  私はここでもホーキーポーキーだ。
 この辺はもうカンタベリー平野なのだ、クライストチャーチまで135kmとの標識があった。最早山は見えない大平野、バスは踏み切りを渡ってR−1に出た。R−1は北島の端から南島の端インバカーギルまで、NZを縦断する大幹線だ。
   明子は“空の色がキレイ!”としきりに感心する、確かに空は抜けるように青い。しかしNZの天気は変りやすい、クライストチャーチ近郊の街ロールストンを通過する頃には小雨になった。
 13時ちょっと前、クライストチャーチ国際空港に到着。
 早く着いたので空いていて、搭乗手続きは直ぐに終わった、リュックだけになってホット一息だ。ビールを一杯飲み13:30分に出国手続き、入国手続きは随分手間取ったが出国手続きは極めて簡単。搭乗待合室で、先ほど買ってきた“スシ”をつまんだ。
 久し振りの「醤油味」、何だかんだといっても私達は醤油味文化に馴染んだ人間だ、結構美味かった。明子はここで手持ちの少しばかりのNZ$を遣いきった。
   只今14:00間もなく搭乗が始まるだろう、いよいよNZを発つ時が来た。
 シンガポール航空SQ−298便は15:00発、10時間余をかけてチャンギ空港に向かう。問題はチャンギ空港でのトランジットで5時間余りの待ち時間があることだ。
 シンガポールを夜中一時に発って関空まで更に6時間だから長い旅なのだ。行きは目的があったから、それ程気にはならなかったが帰りは結構シンドイ旅になる。機は定刻にクライストチャーチ空港を離陸し一路シンガポールに向かった。SQ−298での10時間のフライト。
 16時過ぎにライトミールが出てビーフシチュウを戴いた。更に23時ごろデイナーで蒸した白身魚とライスを戴いた。食べてばかりで身体はフォアグラ状態だ、もう何をする気もしない“イヌコロコロ”状態だ。
   機はオーストラリアを縦断するように飛行したが、この大陸を通過するのに6時間ほどもかかった、さすがにオーストラリアは広いと感じる。クライストチャーチから10時間を要して、予定より20分ばかり早く、NZ時間1:00AMにようやくチャンギ空港に着陸した。
 ここで時計をシンガポール時間にあわせて8:00PMだ。ここ迄は良かったのだが、関空への乗り継ぎ便SQ−986が出る1:30AM(シンガポール時)まで5時間半もある、サテどうしたものか。数少ない経験なので待ち時間をどう過ごせば良いのかも思い付かない。
 昼間と変らず開いている空港内の店を覗いたりして多少ウロウロした後はソファーに座り込んでしまった。私はこの旅行のホットな気持ちを残したいとメモを取り、明子は何かしら買い物をしていた。
 12:00に集合して、一応ここで「解団」ということで阿辻直子さんから挨拶があった。13名+1名のパーテイ−が別れを惜しんで互いに挨拶を交わして搭乗待合室へ入った。
   SQ−986便はAM1:30ちょうどにチャンギ空港を離陸して一路関空へ向かった。この頃には全員疲れと眠さでグッタリ、私は直ぐに眠ってしまったが明子は暫くして出た夜食のサンドウイッチを食べてから眠ったようだ。順調なフライトで、ブレークファーストで眼を覚すまで良く眠った。
 日本食というメニュー。
 ライスと、鮭の蒸したもの、卵焼、野菜の煮物だが怪しげな味付けの日本食らしいものだったが、久し振りの和食を戴いている内に予定より20分早く関空に着陸するとのアナウンスがあり、SQ−986便は8:10AM無事に関空に着陸した。
   今回は帰りもスーツケースは別送してくれるのでリュックだけで、11時前 12日振りの我が家に帰り着いた。
 帰ってきた大阪は、テレビニュースでは既に春一番も吹いたそうで明日の最高気温は17℃の予想だと報じられて、正に三寒四温の季節に入っていた。
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光風台に無事帰着

 今回の旅行では、特に明子念願のミルフォードトラック54kmを歩き切ったことで大きな目的は達したが、このトランピングを通じて、歩いている最中、またロッジで受けた暖かく行き届いた接待は素晴らしいものであった事を感謝します。
 一緒に行動した仲間も素晴らしく、日本人組のみならずNo102グループの大半を占めた外国人(USA,スエーデン、オーストラリア、カナダ、イングランド、NZ)との楽しい交流も短い時間ではあったが思い出に残る旅だった。健康を維持し、身体を鍛え、また何時の日かこんな思い出に残る旅をしよう。
 今度は何処か、今は判らないがきっと又こんな素晴らしい出来事が待っているに違いない。
 良かったなあ “明子”!!。
 阿辻直子さんはじめ同行の皆様、楽しい12日間を本当にありがとう御座いました。
    2004,3,8(月)  幸一 記

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