第1章ボランティアについて

表題へ  目次へ  第2章へ

1−1 ボランティア【volunteer】の意味

【語 源】 ラテン語の「Voluntas(自由意志)」「Voluntarius(自らすすんでする)」に由来。
【volunteer】ボランティア
   ボランティアとは、誰もが住みよい社会を作るために、自らすすんで活動する人、または、その活動をいいます。
【ボランティア元年】
   阪神・淡路大震災が発生した 1995 年(平成 7)のこと。被災者の支援や復興に関するあらゆる分野で,多数のボランティアが活躍したことから,マスコミや関係者の間でいわれるようになった。

1−2 ボランティア活動の基本理念

(1) 自主性・主体性 (自分からすすんで行動する)
 人から強制されたり義務としてするのではなく、自らの自由な意志に基づいて行う主体的な活動です。
(2) 社会性・連帯性(共に相手を尊重できること)
 ボランティア活動は特定の人だけのものではありません。また、誰かが誰かに仕えるというものでもありません。 誰もが社会の一員として、いきいきと豊かに暮らしていける社会を作り出していく活動です。
(3) 無償性・非営利性(利益を求めないこと)
  ただし、実費や交通費など必要経費は報酬に含めません。
(4) 創造性・先駆性(必要に応じて工夫できること)
 社会で、地域で何が必要とされているのかを考え、常に活動を見直して、よりよい社会を作っていく活動です。

1−3 ボランティアの心構え

(1) 身近なことから始めてみましょう。
 身の回りを見直し、気付いたことから、出来ることから始めてみましょう。
(2) 相手の気持ちを考えて行動しましょう。
 ボランティア活動は、独りよがりや押し付けになってはいけません。
(3) 約束や秘密は守りましょう。
 訪問時間、援助内容、プライバシー等、どのような小さなことでも約束を守り信頼関係を高めましょう。都合が悪くなって休んだりする時などは、必ず連絡をしましょう。
(4) 自分を成長させましょう。
 知識や技能を社会に役立てるために、研修や学習によって自分自身をいっそう高めるよう努めましょう。
(5) 無理せず、長く続けられるように。
 自分の生活のリズムを考えて計画をたて、無理な時は、はっきり断わる勇気も大切です。
(6) 周囲の理解も必要です。
 今までの生活にボランティア活動が加わります。活動を始める前に周囲の理解を得ておきましょう。
(7) 人と人のつながりを大切に
 知り合った人たちとの関係やボランティアを受け入れてくださる施設の方との関係を大切にしましょう。
(8) 安全第一を心がけましょう
 活動場所の点検や、事故時の対応を考えておきましょう。ボランティア保険に加入しましょう。

1−4 ボランティアの可能性

ボランティアに不向きなこと、行政がすべきこと

  学校に行ったり、買い物に出かける時の補助を、ボランティアにまかせたらどうなりますか。

   いいボランティアを見つけた幸運な人は外出でき生活を楽しめますが、見つからなかった人は、自立した生活が出来なくなってしまいます。また、ボランティアの都合に合わせなくてはなりません。
 学校に行ったり、買い物に出かけるのは、人間の基本的権利です。自立した生活のためには気兼ねなく補助を受けられる体制が必要です。

  ボランティアは、地域的にも、時間的にも編っています。介護、介助といった「待ったなし」の仕事をボランティアに期待することは、無茶なことです。このような重要な仕事は、介護、介助の専門職を育て、行政が責任をもってすべきことです。

行政が不得意なこと、ボランティアが得意なこと

 行政の基本的な行動原理は、「公平」と「平等」です。このことが、大震災のような非常時には足かせとなります。公平の前提となる全体の把握ができないからです。

 ボランティアは、自分で考え、自己責任で行動するから行政よりはるかに機動的に働くことができ、しかも、支援の仕方が非常に多彩になります。「機動性」「多彩さ」はボランティアの得意技です。

 行政が不得意なもう一つは、新しい状況への対応です。法律や基準が何十年と変わらないことがあり、古い基準では新しい願いに対応できません。また、前例がないからできない、あなただけを特別扱いできない、「ぜいたく」「わがまま」な願いはできないと、新しい願いを取り上げません。

  しかし、その願いに共感するボランティアの支援が得られれば、実現できるかもしれません。その実践が新しい制度を生み出し、法律や基準を変えてゆく起動力になります。

1−5 ボランティアセンター

ボランティアセンターは、各市町村の社会福祉協議会の中にあります。
  ボランティア支援
  ボランティアの紹介
  ボランティア保険の取り扱いなどを行っています。
  ボランティアの登録を行いましょう。

目次へ  第2章へ  このページの最初へ
編集 津おもちゃ診療所