第1章 こどもの成長とおもちゃ
人間の精神活動が大脳の働きによることは良く知られていますが、その大脳の80%までが生まれてから三歳までに形成されることは意外に見過ごされているようです。つまり乳幼児期の生活が、その子ども達の一生を左右すると言っても過言ではありません。
おもちゃは、そうした大切な時期に子ども達の情操を豊かにし、社会性を高め、あるいは運動能力を培うなど、他の何ものにも代え難い重要な役割を果しています。
1−1 | ファースト&ベビートイ |
生後1年間は子どもにとっていちばん変化の多い時期です。1ヶ月もたてば赤ちゃんは眼が見えはじめ、耳も聞こえるようになります。そこで、この時期には色や音など感覚に訴えるおもちゃが重要な役割りを果します。
4〜5ヶ月頃になると、おもちゃを手で掴み、またすぐに口に持っていこうとします。したがってこの時期には、そうした赤ちゃんの欲求に応え、またなめても無害なもの、危険のないものを選びたいものです。
7〜8ヶ月頃からお誕生日にかけては、運動能力も格段の進歩を見せ始めます。おもちゃに対する興味も一段と増す時期です。赤ちゃんの素晴らしい生命力に即し、これをさらに刺激して成長を手助けするよいおもちゃを与えましょう。
1−2 | プレスクールトイ |
乳児期から脱し幼児期に入ると、子どもの知能、運動能力は著しく向上します。戸外での遊びも活発になり、友達もできてきます。男の子と女の子の違いが判然としてくるのも、幼児期の大きな特徴です。
女の子は人形遊びやままごとに興味を示し、男の子はメカニカルなものや冒険性に富んだもの、さらにスポーツものなどに夢中になります。
友達ができることによって、一つのおもちゃを共同で使うことも覚え、簡単なゲームやいわゆる"ごっこ遊び"ができるようになります。子どもの発育段階に合わせて、できるだけ創造意欲を刺激するようなおもちゃを与えたいものです。
また小学校に入る時期近くでは、学習的な要素を持ったおもちゃも有用といえましょう。
1−3 | スクールエイジトイ |
小学校に入ると学校での勉強が主となり、遊びは軽視されがちですが、児童の社会性を高めるのはむしろ遊びの中からともいえます。
遊びを通して友達との人間関係が育ち、また趣味的な遊びで集中力も養成されます。知能がどんどん発達していくので、大人と一緒にゲームを楽しんだり、またホビー的なものに夢中になる傾向も出てきます。
また女の子はファッションに強い興味を持ちはじめます。大人は絶えず子どもの生活に注意し、子どもの夢を生かすため、よりよい環境の中で、優れた感覚のおもちゃを自主的に選ばせるようにしたいものです。
1−4 | ジュニアトイ |
最近は社会変化の速度も一段と早まり、子どもたちの生活もこの変化につれて様々な影響を受けています。遊びや興味の対象も大人社会と同様に多様化、選択能力にも長けています。
これは豊かさのためともいえますが、新しい遊びの世界を創造することによって、彼らの興味を助長するような、新しい感覚の"おもちゃ"も、今後は幅広く要求されてくることになると思われます。
「(社)日本玩具協会のHPより」
「(社)日本玩具協会のHPより抜粋」