第1章 診療事例
1−01 | 人形の目玉が陥没している。 |
処置方法: 人形の目玉は「写真2」で判るように目の穴より大きく前に取り出すことはできない。頭部内側より目玉の袋を切開して取り出す。
「写真3」が取り出した目玉を分解したもので、右が樹脂製の後カバー、左が金属製の前カバー、真中が樹脂製の目玉可動部である。
目玉可動部両側に回転軸ピンがあるが、このピンが折れることにより目玉が陥没する。写真では見えない側のピンが折れていた。
「写真4」はピンを金属棒で復元したもので、折れていなかった側も一体修理しているが、おれた方だけの復元のほうが中心出しが容易である。修復した目玉を戻すのも、前から挿入するのは不可能で後より入れることになる。「写真5」は目玉の戻した後で完全には戻りきらない。X印に糸で縛ったが、非常に縛りにくかった。細い針金で留めるほうが容易かもしれない。ホットボンドで固定する方法も比較的容易である。「写真6」で判るように目が少し奥になるが、ほとんど気にならないので、完治と言える。
写真1 |
写真2 |
写真3 |
写真4 |
写真5 |
写真6 |