おもちゃドクター スキルUP講座

第1章 診療事例

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1−03 ぬいぐるみの犬
 ぬいぐるみのおもちゃで、胴体内の機構の治療は、最初にぬいぐるみを脱がす必要がある。
 ぬいぐるみは、袋物の縫製と同様に各パーツを裏返してミシンで縫い合わせている。これを表に返して機械部分にかぶせている。このために、縫製段階で1箇所開口部が必ずある。この開口部を閉じる方法は、開口部に蓋(部品を蓋としても利用する場合もある)をする方法としない方法があるが、最終的には次により処理されている。

1. まつり縫いによる。 2.接着による。 3.専用押え部品による。 4.絞りによる。 5.前記の組み合わせによる。

 ぬいぐるみをきれいに脱がすには、この開口部を見付けて製作時と逆の工程で行うのが最良である。他の所より脱がすと、簡単に脱がせても再組み立ての時の始末が汚くなるので、なるべく行わないほうが良い。(縫い合わせの先端部分で小さい部品を治す場合などは、近くを切開したほうが良い場合もある.)


[ 実 例 ]
 写真@の犬は、電池ケースを蓋としており、接着(ホットボンド)による始末のみである。

 写真Aは、接着部分を剥がした状態。

 写真Bは、ぬいぐるみを胴体より脱がした状態。頭の部分は

 写真Cのように目と鼻のボルト止め部品で押えられているので脱がさないでおく。

 写真Eは、頭部分を外した状態がで写真Dのピン2本で連結されている。

 写真Fは、胴体内の機械部分で下部の樹脂部分は電池ケースである。

 写真Gは、胴体ハウジングと脚部品で、右上の黄色い部品は泣き声を出す笛である。

 写真Eで判るように胴体前部にぬいぐるみの一部が接着されており、剥がさないと胴体を分割できないが、片方の胴体のみ剥がし、再組み立てしやすいように剥がす範囲をなるべく少なくする。

注意:ぬいぐるみを脱がす時や着せる時は内部の機構に注意して破損しないようにする。

修理手順の写真8枚

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津おもちゃ診療所 2007/03/30