鈴木雅彦
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子育て応援 日本一の津市で 財政再建を
四つの提言 八つの目標

子育て応援・福祉への投資・地元業者支援で 財政再建と雇用の場の確保
09年08月01日 作成
市 政 へ の 提 言
子育て応援で財政再建 福祉への投資で雇用と税収増 第3セクターの見直し 地元業者の応援
議員の公約のあるべき姿について 目標―――次の4年間で目指したいこと
提言1 子育て応援で津市の財政再建を
 この4年間、議会で様々な質問をしてきましたが、詰まる所、暮らしやすい津市にするにはどうしたらいいのか、ここに収斂します。ここで注意して欲しいのは、子どもたちの医療費を無料にせよとか、中学校給食を自校方式で実施せよ、介護保険の保険料・利用料を軽減せよ、などと個別の施策の実現を求めるだけではないことです。なぜなら、当局は『合併後の厳しい財政事情』を錦の御旗に、「国や県の動向を見て」としか答えないからです。つまり、国や県の基準以上のことはしませんという意味であり、それに対して10年1日の如くに、暮らし・福祉・教育を充実せよと言うだけでは押し問答になるだけです。

 そこで私は、これこれを財源にして、こうした施策を実行すれば、出生率が上がり、転入者も増え、人口ピラミッドの形が正常化され、高齢化社会を支えられる健全な津市に転換することができる、こういう組み立てで質問をしてきました。

 まず財源ですが、中部空港への船を相場の1割で運航業者に貸していることを改める、年間約1000万円で借りている土地を県に無償で又貸ししているのを改める、商工観光部やスポーツ文化振興室、社会福祉協議会などが、年間3億円以上も払ってセンターパレスに入居している問題を改める、同和行政である住宅新築資金等貸付事業で発生している9億円近い滞納を回収する、などを提言しています。

 これだけでも相当な財源が確保できます。これによって、たとえば中学卒業まで医療費を病院窓口で無料にする、幼稚園・保育園の定員を増やして自宅や職場の近くで入園・入所できるようにし、待機者もなくす、休日・夜間保育の充実、子どもたちのインフルエンザ予防接種を高齢者と同じように補助する、小学校区単位に保護者が乳幼児を連れて気軽に過ごせる施設を設ける、そして最もお金のかかる高校・大学のお子さんを持つ家庭への援助、などなど様々な施策が可能になります。子育て応援、日本一を目指そう、これが私の提案です。

 これらが実現するだけでも若い世代の人口増が期待でき、税収がアップすることになります。子育て応援を通じて津市の財政再建を図ろう、これが私の第1の哲学です。財政が厳しいからできない、と考えるのではなく、財政が厳しいからこそやらなければならないのです。
津市の財政について
 津市の財政が厳しいのはなぜか、このことについても考える必要があります。原因を明らかにしない限り、教訓が汲み取れないからです。教訓が汲み取れなければ、せっかく財政を健全化しても、同じ過ちを繰り返す危険性があるからです。

 市の幹部も議員も枕言葉のように、合併で財政事情が厳しくなったと言います。これはある側面ではその通りです。財政力指数が0.9だった旧津市から、0.2だった旧美杉村まで、財政力の違う10の自治体が合併したのですから、財政力は全体として旧津市より遙かに低下することは自明です。では合併しなかったら、財政事情は厳しくならなかったのでしょうか。

 いいえ、とんでもありません。自治体の財政が悪化した真の原因は他にありますから、合併による財政力の低下は二次的な原因です。

 旧津市の時代、最後のK市長が就任した時、津市の借金は600億円でした。ところがK市長の在任中に、借金は一挙に二倍になりました。ここに根本的な原因が隠れています。今から50年も前ですが、津市は夕張市のように、自治体として破産(財政再建団体)した経験があります。その時の苦い記憶がありますから、借金を増やすことには、ことのほか慎重だったはずです。それが何故一人の市長の在任中という短い期間に、借金が二倍にもなってしまったのでしょうか。

 それはバブル景気崩壊後、景気回復策として公共事業が奨励されたからです。自治体にも国の事業への負担金が求められ、さらに規制がかけられていた自治体の起債(借金をすること、正確には市債の発行)も緩和され、どんどん開発型の事業が借金で進められたのです。しかもそれらの事業は、バブル景気(その前の市長からK市長にかけて)の時に計画されたもので、すでに経済の前提が崩れているのに、政府の音頭に乗ったのです。それが中勢北部サイエンスシティであり、アスト津の建設であり、中部空港へのアクセス港の建設であり、競艇場の大改修だったのです。

 従って、財政状況の悪化はひとり津市だけの問題ではなく、政府に踊らされなかった賢明な一部の自治体を除き、ほとんどの自治体が借金増に苦しんでいます。津市は現在、一般会計や特別会計など、あらゆる会計を合計すると2100億円ほどの借金を抱えています。大変な金額です。これから「合併特例債」という借金をして、ゴミの最終処分場や新しい斎場を建設する予定ですから、この借金をどうするのか、ここのところを真剣に考えないと、あの悪夢、財政再建団体に再び陥ることにもなりかねません。

 だからこそ、社会を支える世代の人口を増やす施策を実行して、税収を増やすことで財政を再建しようと、提言しているのです。
提言2 福祉への投資で雇用と税収の確保を
 そこで09年6月議会でも、子育て応援で社会を支える世代の人口を増やして、津市の財政再建を図ろうという提言を行うと同時に、松田市長の市政運営の哲学は何か、を問いました。提言に対しては、人口だけが指標ではないという答弁しか返ってきませんでした。市長の哲学については、バランスの取れたまちづくりとか、元気に働ける街とか答弁しつつ、最終的には産業の振興を強調するにとどまり、哲学と言える答弁はありませんでした。(詳しくはこちらをどうぞ。)

 産業の振興そのものは否定できることではありませんが、これまで津市が、あるいは全国の自治体が行ってきたのは、産業振興=企業誘致でしかありません。勿論、既存産業に対する施策も打ち出していますから、これは極端な言い方かも知れませんが、企業誘致につぎ込んだ税金、あるいは借金は他の施策に比べると桁違いに突出しています。

 08年秋以降の経済危機で、工場が閉鎖されたり、解雇・派遣切りが行われました。企業誘致型のまちづくりは景気動向に左右され、景気のいい時は市民を潤すけれども、一旦景気が悪くなると市民を不幸にします。鳴り物入りで亀山に進出したシャープでさえ、すでに第1工場が閉鎖されています。誘致の際に県が90億円、亀山市が45億円をプレゼントした記憶も新しいのですが、見合うだけのものが還元されたのでしょうか。派遣社員を当て込んで津市内にもアパートが建ち並びましたが、空室ばかりでローンの返済に苦しんでいる話が伝わってきます。

 こうした現実を見ると、景気に左右されにくいまちづくりが大切だと感じます。では一体どうしたらいいのか、私が辿り着いた結論は、福祉への投資で雇用と税収を確保するまちづくりです。高齢者の介護や障がい者施設、保育園・幼稚園・学童保育など、こうした施設は景気に関係なく必要なものですから、景気動向には左右されにくい面があります。そして現実的にも施設に空きがなくて待機している方がたくさん見えます。利用者に喜ばれ、かつ、雇用の場が確保できる、一石二鳥のまちづくりではないでしょうか。

 ただし、介護施設が増えると介護保険料に跳ね返るシステムになっていますから、それを回避するために、介護保険の枠外で独自の制度を設ける必要があります。介護保険制度導入前に議論された、いわゆる「上乗せ」「横出し」と言われるものです。これなら介護保険制度に左右されませんので、事実上、昔の措置制度を復活させたようなシステムが構築できるのではないかと考えています。

 当然のことですが、工場用地に空きがある以上、企業誘致もその範囲で行えばいいのですが、まちづくりの柱にするには余りにも危険です。バランスの取れたまちづくりを強調するのであれば、企業誘致も福祉への投資もバランスよく行えばいいのです。そのようにして雇用の場が安定的に確保されれば、景気に左右されにくい、つまりは安定的に税収を確保できる津市を作ることができます。これらを通じて財政再建を図っていく、これが私のまちづくりの哲学であり、津市と市民に対する第2の提言です。
福祉労働者の給与水準を引き上げる
 ひとつ大きな問題があります。介護保健関係の施設は、労働の厳しさや他の職種と比べて、余りにも給料が安いことです。いわゆるワーキングプアに近い実態があり、労働者の定着率が低くなっています。これはそもそも介護保険の仕組みに問題があるからです。保険料を抑えるために、人件費を低水準にしなくてはならない仕組みになっているのが原因なのです。

 もともと介護保険の制度が導入される時には、介護を家族や個人から解き放ち、社会全体で高齢者を支えるという理念があり、政府は「公的介護保険制度」という言葉を強調していました。ところが、いざ蓋を開けてみると、保険料は3年ごとに高くなり(09年度の見直しでは津市はほんの少し下がりました)、サービスは受ければ受けるほど利用料の負担が大きくなると言う、社会全体で支えるどころか、本人や家族の経済力に左右される制度になっていたのです。

 こうした実態が福祉に携わる人の賃金を押さえつけているのです。ですから、国に対して制度の抜本的な改正を求める必要があります。しかし政府がこれに応じるかどうかは分かりませんから、自治体独自の努力も必要になります。つまり、介護保険制度の枠外で、独自の制度を作るのです。そして実質的に介護保険制度を利用しやすくし、そこで働く人たちの生活を支えられるようにするのです。

 また、学童保育にも問題があります。学童保育は基本的に、利用者がお金を出し合って運営する仕組みです。従って、利用者が少なければ少ないほど指導員(学童保育の先生)の給料も低水準になります。しかし、利用者が多ければ指導員も増やさなければなりませんので、結局はすべての指導員の給料水準は低いままなのです。本来、行政がすべき仕事をして戴いているのですから、学童保育への津市の関与の在り方を見直し、「普通の生活」ができる給与水準に引き上げる必要があります。

 このような問題を解決しながら雇用の場を確保する、働き盛りの世代を応援する、ひいては津市の税収を安定的に確保する、こういう方向にこそ津市の未来があります。財政的に見れば、津市の負担は増えますが、税収の形で津市に返ってきますから、極めて現実的なまちづくりだと確信しています。
提言3 第3セクターの情報公開で市民的な論議を
 津市の財政再建にとって、第3セクターの見直しは避けられません。第3セクターとは行政が出資に参加する会社のことで、株式会社や有限会社など、津市にもたくさんあります。しかし中には、なぜ自治体が出資しなければならないのか、必然性の感じられない第3セクターの会社も存在します。結論的に言えば、民間企業が国の制度を利用して補助金を引き出すために、合併前の旧自治体がそれらを応援したと言うことです。

 しかしながら企業の思惑が外れ、事業が立ちゆかなくなって倒産寸前の第3セクターも存在するのです。補助金に関する法律により、事業が停止すれば補助金を国に返さなくてはなりません。しかし倒産寸前の第3セクター会社にお金はありません。一体、誰が補助金の返還を負担するのでしょうか。万が一にも、市民の税金が投入されるようなことがあってはなりません。

 このほかにも津市の第3セクター問題としては最大の課題、津センターパレスがあります。詳しいことは津センターパレスに関する記事をお読みいただきたいのですが、厳しい事態であると言うほかありません。センターパレスにはいくつもの店があり、多くの人が働いています。こういう方々の雇用の場を確保しながら、センターパレス問題の解決をどのように図るのか、ダイエーや近鉄に返還しなければならない16億円ものお金をどうするのか。

 私としては広く市民の皆さんに第3セクターの経営状況を率直に公開し、市民的な議論をしながら解決を図るべきだと考えています。経営再建のアイデアが出てくるかも知れませんし、傷口が広がらない内に補助金を返還して会社を精算すべきだという意見が出るかも知れません。どういう意見が出るにせよ、津市の財政に関わる問題であるだけに、市民的な納得の得られる形で解決を図るためには、情報を公開して市民的に議論することが肝要ではないでしょうか。これが第3の提言です。
提言4 地元業者の応援で雇用増・税収増・財政再建を
 中勢北部サイエンスシティを初め、市内の幾つかの工業団地に進出する企業には、固定資産税をまけてやったり、土地の取得に補助したりと、優遇制度があります(制度の詳細はこちら)。工業団地というものは、本来、市外・県外から企業を誘致して、税収のアップと雇用の場を確保するのが目的です。津市最大の工業団地であるサイエンスシティもそうでしたが、残念ながら市内業者の移転がかなり多く、また当初の目的である「サイエンス」の名にふさわしい先端産業の集積もできていません。さらには分譲のはずが、借地も認めるようになってしまいました。

 経済状況の厳しい中では、なりふり構っていられない、背に腹は替えられぬ、ということだったのでしょう。それにしても、当初目的の「雇用効果」について質問してもきちんとした数字が答弁できない有様は、あまりにも哀れです。市民や議会には効果の説明もできないのに、県や亀山がシャープのために135億円もの巨額の税金をポンとくれてやってから、津市は上記の優遇制度を作りました。私はこれに大いに疑問を持っています。

 誘致の対象の基本は市外・県外の企業です。と言うことは、これまで一度たりとも津市に貢献したことのない企業だと言えます。そんな企業には工業団地進出と引き替えに、税金を投入して優遇してあげるのに、これまで津市で頑張ってきた地元業者はどうして応援しないのでしょうか。これまでにも景気の悪いときはありましたが、そんな時でも地元業者の皆さんは、津市に所得税や法人・個人の住民税、さらに固定資産税も納めており、津市の住民に対しても雇用の場を提供してきた、その部分はきちんと評価することが大切だと思っています。

 ところがそうした地元業者の方々は、08年秋以来の経済危機で苦況に喘いでおり、固定資産税の支払いにも苦慮しており、滞納すれば14.6%もの延滞金が請求されます。長年、津市に貢献してきた業者がこのように苦しんでいるのに、一度も津市に貢献したことのない企業のみを優遇するのはいかがなものでしょう。更に言えば、「津まつり」のときには商工会議所にイベントを任せ、花火の折りには協賛金を頂戴する、あまりにも地元業者に負担ばかりを求めているように思えてなりません。

 市長は「元気づくり」を最大の公約にしていますが、それならば地元業者への支援を通じた元気づくりが、ひいては市民と津市全体の元気(雇用増、税収増、市の財政再建)につながっていくと思うのですが、これを私の第4の提言にしたいと思います。
議員の公約のあるべき姿について
 議員の公約と市長の公約は、同じ公約でも全くと言っていいほど意味合いが違います。それは議員と市長の権限の違いによるものです。市長には執行権がありますから、「これこれのことをやります」と言えば基本的に実現できます。それに対して、議員は「これこれのことをやります」と言っても、執行権がありませんから、議会の質問を通じて市長を動かし、市長を通じて実現を図ることしかできません。

 従って、議員の場合はいくら素晴らしい公約でも、実現させるのは難しいことです。と言うことは、「あれもやります、これもやります」とたくさん並べれば並べるほど、実現は不可能になり、結果的に有権者を騙した形になってしまいます。執行権がないという事実を真面目に受け止めれば、「あれをやります、これをやります」というばらまき的な表現は、意図的な嘘だと言わざるを得ません。

 こうした考えをもとに、私は公約を幾つかに絞り込み、その上で「これらの実現を目指します」と表現することにしています。それが議員の場合の、有権者に対する責任のある公約の提示の仕方だと確信しています。そして以下の公約を掲げたいと思います。
目標 ――― 次の4年間で目指したいこと
子育て応援 高齢者支援 安全・安心 スポーツ振興
就学前まで
医療費を無料に
インフルエンザ予防接種
子どもたちにも補助を
延長保育・休日保育 70歳からバスを無料に
水害対策の
テンポアップを
スポーツ施設の充実 通学路に公費で防犯灯 太陽光・小水力発電で
CO2の削減
せめて小学校入学まで病院窓口で医療費無料に
 現在、津市では通院の場合は4歳未満、入院の場合は小学校入学前までが無料となっていますが、県が医療費を半分負担するのがその年齢だからです。自治体が全額負担してでも子どもたちの健康を守ろうと、通院・入院に関係なく、小学校を卒業するまで、あるいは中学を卒業するまで、医療費を無料にしている自治体がたくさんあります。

 また、津市の場合は病院で一旦お金を払い、申請すると後で戻ってくる「償還払い」という方式ですが、そもそも病院の窓口でお金を払う必要のない制度にしている自治体がたくさんあるのです。高額医療費については、病院の窓口で定められた金額以上は払わなくてよいシステムができているのですから、子どもたちの医療費についても、窓口でお金を払わなくてもよいシステムにするのは可能です。

 これができないのは、行政が保護者を疑っているからです。どういうことかと言うと、窓口で無料にすると、何でもないのに子どもを病院に連れて行く保護者が出てきて、医療費が膨らんでしまう、と言うのです。つまり性悪説に立っているのですが、具合が悪くないのに子どもを病院に連れて行くでしょうか。市民を敵視するような行政の考え方には憤りを覚えます。むしろ、具合が悪いのに経済的な理由で病院に行けないケースの方が問題です。

 結論として次の4年間では、せめて通院の場合でも小学校入学まで、病院の窓口で医療費を無料にする、このことを目指すべき公約とします。本当は小学校卒業まで、将来的には中学卒業まで無料に、と言いたいのですが、そういう公約を掲げる市長が誕生しない限り、現実的ではありませんし、いいことを並べ立てて有権者を騙すこともできませんから、まず実現可能な公約を掲げたいのです。小学校卒業まで、将来的には中学卒業まで無料に、については次の段階の公約にしたいと思います。

 この公約にしても、第1に年齢の拡大というハードルがあり、第2に窓口での無料システムの構築というハードルがあり、簡単な問題ではありませんが、こういう公約が支持されて当選するならば、行政も市民の声として受け止めざるを得ない面がありますので、議会での質問と市民の声の後押しという形で行政と議論することができます。
特定疾患の子どもだけでなく
子ども達みんなにインフルエンザ予防接種の補助を
 病院によってインフルエンザの予防接種の値段が違います。安い病院で2000円台、高い病院だと4000円台です。子どもの場合は2回接種しなさいと言われるので、負担が大きいのです。お子さんが3人の家庭では、予防接種が3000円としても、両親が1回ずつで6000円、お子さんが2回ずつで1万8000円、合計で2万4000円にもなってしまいます。もし4000円の病院なら、3万2000円にもなります。

 そこで前回選挙では「子どもたちのインフルエンザ予防接種に補助を」という公約を掲げました。詳しくは「前回選挙での公約と実績」をご覧いただきたいのですが、結果としては、2009年4月から「特定疾患を抱える子ども」に限り、重篤化を防ぐために補助することになりました。対象は09年度で83名と限定的ではありますが、ともかくも一歩前進、突破口を開いたことになります。

 しかし対象が83名ではいかにも少なすぎ、子育て応援の観点から考えれば、義務教育中の子どもたちにはすべて補助するのが好ましいと考えます。勿論、かなりの予算が必要となりますから、実現は簡単ではありません。予防接種対象となる1歳から、たとえば15歳の子どもたちまでを考えますと、その人口は20,017名(09年6月時点の統計)です。2万人として、高齢者と同じ金額2,800円を補助すると、必要な予算の上限は5,600万円です。高齢者の予防接種率59%より高めの80%と設定しても4,480万円の予算で実現することができます。

 ちなみに、センターパレスに津市が払っている家賃・共益費は3億2400万円です。09年5月、センターパレスへの入居の見直しが議会に示されましたが、それで節約できる金額は7,956万円ですから、これだけでも2年分に近い財源を確保することができます。三重県内で既に実施している自治体があり、しかもこのように財源も示せるわけですから、津市での実現を目指したいと思います。
延長保育・休日保育の拡充を目指します
 夫婦で働いている家庭が多い現代では、保育の問題は深刻です。市立の場合、保育時間は8:30〜17:15、私立の場合は8:30〜17:00となっています。従って、その時間に迎えに行けるように、お母さんがそれに合わせた仕事しかできないのが実情です。本当は正社員として仕事がしたいのに、パートなどの非正規雇用を選ばざるを得ないのです。

 延長保育の制度はありますが、保育所によって時間が違います。市立の場合は18時までが圧倒的で、私立でも19時までが多いのが実態です。現実の社会では、そんな時間までに毎日お迎えに行ける仕事はそう多くありません。その場合でも、家の近く、職場の近く、通勤経路の途中などの保育所でなければ、非常に利用がしづらく、結局、祖父母がお迎えに行くケースもたくさんあります。夫婦と子どもだけの家庭では、お母さんが仕事をあきらめざるを得ない、これでは保育所の持つ意味が失われてしまいます。

 また、休日保育は市内では1ヶ所しか実施していませんが、これではニーズに応じきれるものではありません。小売業やサービス業では土日が休みでない場合の方が多いですから、休日保育を実施する保育所を増やす必要があります。

 こうした施策を実施するには、正規の保育士、必要に応じて臨時の保育士を増員して、受け入れ態勢を充実させることが必要です。市の人件費は増えますが、働くお母さんが増えることで、税収が増えて支出とのバランスが取れます。それに何よりも、4年前、松田市長もこうした選挙公約を掲げましたから、その実現を求める形で、市長と議論することができます。市長にその気があって掲げた公約ならば、実現は可能なはずです。
70歳以上の方はバスを無料に
 旧津市は高齢者の外出支援として、74歳以上の方に寿バスカードを支給していました。合併後は公平性の観点から全市に広げるべきなのに、旧津市に限って実施していました。ところが津市は「公平性」の観点から、09年3月一杯でこの制度を廃止してしまいました。「公平性」の観点からは、誰もが利用できるようにするべきだと思うのですが、誰もが利用できなくするという「公平性」を市は選択したわけです。住民サービスを切り捨てるという、とんでもない「公平性」です。

 外出支援は、高齢者が健康を維持して、元気に生活していただくという意味です。健康であれば医療費を抑えることができますから、津市の財政面に寄与する制度でした。また、外出先で買い物をしていただければ、商店街も潤い、活性化につながるという目的もありました。商店が潤えば商店からの税収も増え、この点でも津市に寄与します。

 こういう津市への寄与を考えれば、この制度はなくすべきではなく、むしろ広げることと、中身を充実させることの方が、高齢者にとっても、津市にとっても良いことではないかと考えています。かつて名古屋市が60歳以上としていましたが、いきなりそこまでは無理としても、せめて70歳以上の方を対象にしてはどうでしょう。お年を召されれば外出するのも億劫になる面がありますから、極力制度が効果を発揮するよう、74歳ではなく、70歳以上にするべきです。

 同時に、カードが使えるのを40回に制限しないことです。制限があることで、使い切ってしまった場合などに売買が発生するという意見をよく耳にしました。無制限にすれば売買の可能性は低下するでしょう。三重交通との契約は、利用した分だけ津市が支払う形にすれば、税金を無駄に使うこともありません。どんどん利用していただけばいただくほど、医療費が抑えられ、税収が増える、というわけですから40回に制限する意味は全くないと思います。70歳以上の方にはバスを無料で利用していただく、長年、日本の社会を支えて来られた方々ですから、せめてそれぐらいのことはして差し上げたいではありませんか。
水害対策のテンポアップを
 津市はかなり水害の多い都市です。特に私の住んでいる一身田はたびたび水害に見舞われています。とりわけ1974(昭和49)年7月25日の大水害では、一身田北部を流れる2級河川・志登茂川が氾濫したため、一身田の大部分が床上浸水の被害に遭いました。私の家は一身田でも東の方で、勾配に従って西から流れてくる水が、近鉄線路に遮られて、最後まで水の引かなかった地区でした。

 一面の海状態ですから、下手に歩くと田圃や小川に落ちてしまいます。陸路での避難や救援物資の配布などは不可能な事態で、手こぎの船や、モーターボートが街を行き来するという、普段からは考えられない状態に陥りました。また、電話の中継局が水没したため、外部との連絡も絶たれ、完全に一身田は孤立したのです。

 以来、県も津市も河川改修に取り組んできましたが、水害がなくなることはなく、最近では2004年の21号台風の時、3時間で270oもの雨が降り、全市(旧津市)が水害に見舞われました。このことから4年前の選挙でも「水害対策」を公約に掲げました

 しかし河川改修の歩みは遅々としています。市長が強調する「安全・安心」の街にするためには、もっとテンポを上げる必要があります。また、そう多くない雨量でも、常に浸水する箇所がありますが、これらについては河川改修に関係ないため、原因の究明と対策を独自に行う必要があります。さらには、保水力の高い広葉落葉樹の山への転換、水田の維持管理、開発の抑制、側溝整備なども進めていく必要があります。総合的な取り組みの方向性を示させること、そしてできることからどんどん対策を始めることを目指したいと思います。
野球場・武道館など スポーツ施設の改築・建て替えを
 津市にもスポーツ施設は幾つもありますが、老朽化していたり、全国大会を開催できる要件を満たしていないなどの難点があります。昔は津球場でプロ野球のオープン戦が行われたこともありましたが、もう何十年もありません。それどころか、高校野球の開会式さえ行われなくなっています。武道館の利用者からは、改築・建て替えの要望が寄せられています。体育館もあまりに古く、耐震性が心配です。

 こうした問題を一気に解決できる財政状況ではありませんが、いずれ三重県に国体の順番が回ってきます。このままでは津市には公式競技のできる会場がない、ということにもなりかねません。

 野球の関西独立リーグに参加する球団「三重スリーアローズ」が本拠地の球場として、津球場を使用することが決まりました。そのため2億円をかけて、スコアボードを電子化し、フェンスに事故防止のラバーを張るなどの改修を行います。しかし、駐車場が圧倒的に狭いのが、高校野球の開会式すらできない理由のひとつですから、お客さんに来て貰うためには駐車場問題を解決しなければなりません。体育館の駐車場でもありますから、球場と体育館の将来を見据えた解決が必要です。

 武道館の建て替え要望の声を受け、議会有志で現状を視察したことがあります。それを機に、市議会にスポーツ議員連盟が発足したいきさつがあることから、スポーツ施設の問題は議会でも関心が持たれるはずですし、合意も図りやすいと思います。必要な施設すべてに対応するには時間が掛かるでしょうが、とりあえず津球場と体育館の問題、次いで武道館の問題に取り組み、さらに順次、その他の施設の改修をめざしたいと思います。
通学路への公費による防犯灯の設置・増設を目指します
早くも実現に向けて09年9月議会で予算措置
 いわゆる「街灯」と呼ばれている照明は、住民にとってはどんな呼び方でも差はありませんが、行政においては所管の違いがあり、呼び方も違います。ひとつは市民部が所管する「防犯灯」です。もうひとつは建設部が所管する「道路照明」です。

 ここで取り上げるのは防犯灯です。防犯灯を設置するのには5万円ほどかかりますが、このうち1万円を津市が補助しています。残りの4万円と電気代・維持管理費は地元自治会の負担、これが原則です。

 原則というと、例外があるように聞こえますが、実はその通りなのです。全部ではありませんが、河芸と白山では合併前から防犯灯を公費で設置しているものがたくさんあります。それはそのまま合併後も引き継がれ、たとえば河芸ですと、新たに設置される防犯灯は自治会負担になっているようですが、旧来からある約1000基の防犯灯の電気代は公費で負担しています。

 同じ津市で扱いが違うのは問題がありますが、これを解決する方向として、河芸も白山も地元負担にするのでは、合併による住民サービスの低下になりますから、津市の安心・安全のための重要な施策として、市内のすべての防犯灯に津市が責任を持つ、という解決の方向があります。各地で交番・駐在所が統廃合されて防犯上の不安が住民に広がっているおりですから、津市の責任で犯罪を防止する観点からも、この解決方法が望ましい方向であると確信しています。

 現在の方式ですと、人家の少ない自治会の境界部分には防犯灯を設置するのは難しく、夜間の安全が保障されません。とりわけ冬場は早くから暗くなりますので、そういう所を帰宅せざるを得ない児童・生徒を犯罪から守るためにも、防犯灯を自治会の責任にする今の方式を改める必要があります。ただし、すべての防犯灯を公費で、と言うとかなりの予算が必要になりますので、次の4年間は方向性を打ち出すために当局に問題提起し、議論をしていく期間としたいと思います。

 しかしながら児童・生徒の安全は急務ですから、新たに通学路に防犯灯を設置する場合に関しては津市が負担する、少なくともこれだけは4年以内の実現を目指します。現に市内に公費負担の防犯灯があるのですから、頭ごなしに「できません」とは当局も言えないはずです。そして「安全・安心の津市づくり」は市長の最大の公約のひとつですから、市長もノーとはいいにくいはずです。通学路への公費による防犯灯の設置・増設を目指します。
 このページは09年8月1日に完成したのですが、国の緊急経済対策の補正予算を財源にし、早くも09年9月議会に、集落間の通学路に防犯灯を公費で設置するための補正予算案が上程されることになりました。選挙前に目標実現です。今年度は2000万円ほどの予算ですが、引き続き来年度以降も予算化されるように頑張りたいと思います。

 なお、設置する防犯灯は蛍光灯ではなく、太陽光発電によるLED(発光ダイオード)です。青い色の防犯灯は心を落ち着かせ、犯罪を防ぐ効果があるとの外国の研究があるようですが、専門家の話では白壁の街並みであれば青色は充分映えるが、日本の茶色や黒の街並みでは効果はないとのことですので、恐らく白色のLEDライトになるものと思われます。
太陽光・小水力発電の普及で
温室効果ガス(CO2など)の削減を目指します
 「大気中の炭酸が地上の温度に及ぼす影響について」という論文を、スウェーデンの化学者アレニウスが発表したのは1895年、今から110年以上も前のことです。もっともアレニウスは、温暖化によって高緯度地方でも作物の収穫が増えるぐらいにしか考えなかったようですが、少なくとも人類は110年以上前から、地球温暖化の問題を知っていたのです。初めて地球温暖化に警鐘を鳴らしたのはCO2濃度の季節による変動と、全体としてCO2の増加を観測したキーリングというアメリカの学者です。以来、様々な観測・研究が行われ、60年代には「温室効果」という言葉が使われるようになりました。

 このように随分以前から地球温暖化問題が認識されているにも関わらず、温室効果ガスであるCO2やメタンは未だに増加を続けています。アメリカに至っては京都議定書から離脱して、世界の流れと対立すらしていました。しかし地球温暖化はそのような悠長なことをしていられるほど甘い問題ではありません。北極や南極、グリーンランドなどでは学者達の想定を遙かに超えるスピードで氷が溶けており、夏場の北極には氷が存在しない事態まで引き起こしています。

 今、学者が心配しているのは、たわんだバネが弾けるように、ゆっくりと温暖化の影響を呑み込んでいた自然が一気に弾け、急激な気候変動が起きることです。それがいつになるのか、と言えばまだ分かりませんが、そう遠くない時期であるとは言えるようです。それならば早急に手を打たないと取り返しのつかない事態になってしまいます。

 では、津市で何ができるのか。私が考えているのは太陽エネルギーと水力の利用です。津市の経済界は小中学校の屋上に太陽光発電パネルの設置を提案しているようですが、これは是非実現に向けて努力したいと思います。津市ではクリーンエネルギーとして風力発電が有名ですが、風力発電には実は様々な問題・弱点があります。そうした問題をクリアできるのが太陽光発電と小水力発電だと、現時点では考えています。

 「現時点では」と限定するのは、想定外の問題点が発見される可能性が科学技術には付き物だからです。今の段階でさえ、太陽光発電は直流を交流に変換しても矩形波になってしまうので、家電製品に影響があるとか、電力を安定させるためのパワーコンデンサーの交換時期を考えるとコスト面でのメリットがない、などの見方も出ています。しかし技術面の問題はいずれ徐々にクリアされ、発電効率も上がっていくだろうと思います。

 太陽光発電はパネルの設置に広い面積が必要になりますが、小中学校だけでなく、市役所などのビルの屋上が利用できますし、屋上緑化も並行して進めることにより、CO2の削減とヒートアイランド現象の防止が期待できます。また小水力発電は用水路で発電が可能です。地方議員の公約に地球温暖化問題を取り上げるのは異例かも知れませんが、私はぜひとも太陽光発電と小水力発電の普及で、CO2の削減を図りたいと思います。
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