●タニコメ旅日記●
世界最高峰ヒマラヤの大地を歩く 11月9日(4日目)

〔ポカラへ〕
5:30分起床の早や発ちだ、10:00AMカトマンズ発OY―137便でポカラへ向かう。ネパールは明日から3日間国を挙げてのお祭りとの事で車の渋滞を計算に入れて、多少早めの出発だった。
 空港までの道々、町も田舎も家の掃除や花飾りに余念が無い様子であった。この祭りの時には町へ出稼ぎに行っている男達も故郷に帰るのだそうで、市内から郊外へ向かうバスも満員の様子であった。恐ろしいのは、この国では路線バスは屋上にも人を乗せることだ。
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背の低い簡単な手摺があるだけのバスの屋上に鈴なりになった乗客は吹きっさらしの中で、あの傾きそうな山道も振り落とされもせずに乗っているというのは命がけの移動のように見えた。ガイドの話では、屋根上だからといって別段安い訳ではないが、急ぎの場合はやむおえず乗るのだそうだ。

** セキュリテイ―チェックは厳しい国内便
 ポカラへの国内便もセキュリテイーには随分気を使っている様子で、機内持込制限は厳しく、予備の電池や傘までもスーツケースに入れた。手荷物は中味まで取り出しての検査で、やはり危険なゾーンに一歩近付いた国であることを感じさせた。但し命綱のミネラルウオーターは一人500m以下のみOKであったが、全員ボディチェックがあるため男女別々の入り口から搭乗待合室へ通された。
 何時の間にか変更になっていた足裏マークのYeti Airline OY―129便はJETSTREAM41型30人乗りのプロペラ機。4席ばかりの空席を残して離陸した機は、安定飛行に入ったころ右手の雲間にチラッとヒマラヤの何処からしい山が見えたが、訳が判らない内に僅か30分足らずの飛行を終えて10:40ポカラ空港に着陸した。

* 嬉しくなるポカラの第一印象
 初めて来たポカラの街は上天気、かなり暑い。山も近い、標高900mの街だ。国内便で僅か30分の移動だった割には、空港からのバスから見るポカラの街の雰囲気はカトマンズの喧騒とホコリ、ナガルコットの丘の上の超田舎的な雰囲気とはまるで違う亜熱帯風な、みどりが目に優しい街に変わっていた。
 そりゃそうかも知れない、資料では北緯28度、奄美大島と同じ位と書いているし、第一年間気温が最低8℃最高30℃、雨季の雨量は月間500〜800mmというのだから亜熱帯そのものだ。

** SHANNGRI―RA VILLAGE RESORT (シャングリラ ビレッジ リゾート)
* 歓迎のティカ
 ホテルへ入った途端、歓迎のティカをつけてもらった私達はウレシ!ハズカシ!。シアワセが訪れますように!!。眉間に赤い記しをつけてもらって、早速カメラに収まったのでした。
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* 居心地良いリゾートホテル
 今日から三連泊するホテルだ。私達の部屋は一階の306。庭から出入り出来るガラス戸の外は一寸したテラスからブーゲンビレア棚に覆われたバルコニーへと続いている。
 来た時には気付かなかったこのバルコニーが、あの三角錐6993mのマチャプチユレの正面だったと判ったのは翌朝であった。
 パパイヤが房になって実り、見知らぬ果樹や花が咲く南国風の広い庭や、プールサイドの雰囲気、部屋のつくりなどは、かつて遊んだバリ島ヌサドアビーチのホテルとよく似た感じで、ノンビリゆったりした雰囲気はネパール語で言う“ビスタ―レ ビスターレ”な感じで、すこぶる居心地が良いまさにリゾートホテルだ。

** この国のホテルに“靴べら”は置いてない
 着替えて出かける時に妙な事に気がついた。  ナガルコットでもこのホテルでも部屋に靴べらは置いていなかったのだが・・・。
 そらそうやな!、街を歩いている人の殆どが「ゴムじょんじょ」やったからな!。靴べらなんか要らん訳や!。  アホなことに気がついて一人で喜んでいました。

* やっとヒマラヤが見えたのだが・・・・
 プールサイドの日陰でゆっくりと昼食を戴いた後、午後は市内観光に次いでペワ湖ではボートの上からヒマラヤを眺める時がやってきた。
 この街でも又、バスは混雑を極めるバザールの大通りをやっとの思いで抜け人影も疎らなオールドバザールの通りで車を止めた。 ネパールに来て三日目にして今始めて吾が目に映るヒマラヤ、人家の軒先の向こうに見えるマチャプチユレのピークは雲間に浮かんでは消える危ういものであった。
 少し歩いた高台の寺院からは確かに幾分よく見えるようにはなったのだが・・・。
 更にバスを進めてから乗り込んだペワ湖の湖上からも、先ほどから少し角度が変わってアンナプルナサウスの方が正面に見えるようにはなったが、相変わらずの日当たりのない雲間に見え隠れするヒマラヤは、余りに遠く明瞭感も今一つで多少の感激はあっても私に感動するほどの印象は与えなかった。 それよりも、ガイドのクリスが余りに『見えた見えた!』『良かった良かった!』と喜ぶ姿を見て一抹の不安を覚えたのであった。
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 “ヒマラヤを目のあたりに見たい”“圧倒的なヒマラヤを眺めながら、その麓を歩いて見たい”。
 こんな思いで勢い込んでやって来たものの、この旅では、こんな程度の遠さで、こんな程度の大きさで見えるのが限界なのか「?」と思えて些かガッカリしたのでありました。やはり企画の選択を間違えたかなぁー。
 後はハイキング時、標高の高い山懐に入る予定だから、それに期待するしか無いのか「?」と、中途半端な企画に乗ってしまった事を後悔して、些か落胆したのであった。これが杞憂であってくれればよいが・・・。
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