●タニコメ旅日記● |
――ポンポローナロッジを目指して ―― グレイドハウスの朝。昨夜は、夜中に寒くなって眼が覚めたら、まだ2:30AMだった、モタモタと予備の毛布を敷きこんだら暖かくなって改めて寝入った。昨日夕方17:00頃は、窓を開け放して風を入れておいても汗ばむ位の気温だったのに...。明け方は多分、気温も一桁にまで下がるのだろう、一日の内に四季があると言われる通りだ。 7:00AM,点灯がモーニングコールになって起こされた。昨夜、夜中は星空がクッキリ見えていたのに、今朝起きたら“何じゃ こりゃ!! ”空はドンヨリ、軒先からポタポタ滴が落ちているではないか、朝霧だというが次第に本当の雨になってきた。ここウエストランド地方は、年間200日は雨が降るといわれるほど雨の多い地方と聞いているが、昨夜の様子からは想像出来ない変わり様だ。雨が降るのが当たり前の地方なのだ。ミルフォードの森がRain Forestと呼ばれるのも、なるほどなあーと納得した。昨年2月、たった一日だけ歩いた日は絶好の天気だったのは奇跡だったのか? という感じががした。 7:30から、昼食のサンドウイッチつくり。揃えられた材料をチョイスして、好きなように欲しいだけのサンドウイッチをつくる。他に、色々なフルーツやクッキーなどのオヤツも揃えられている。とは云うものの、結局は自身の背中に担いで運ぶのだから、程ほどにしておかんと荷物になるばかりだ。私は、パン3枚にバターと粒コショウを塗り、一枚にはハムとピクルス、一枚には卵スクランブル、一枚にはレタスを載せて重量感のあるサンドをつくった。MEIKOも具を色々変えて同じく三枚重ねをつくった。フルーツは、私オレンジ MEIKOは昨日のりんご、これで充分だ8:30からの朝食、オートミールの後、目玉焼き/ベーコン巻き/ポテトなどのお皿が出て、なかなかのもの。 9:00、ようやくGlade Houseを出発。この頃にはとうとう、“今日は雨”の烙印を押された感じになって来てレインウエアー上下を着込んでの出発となった。カッパ橋(勝手にそう呼んでいるのだが、この辺りの風景は何となく梓川カッパ橋辺りの風景に似ている)の上から覗いたクリントン川には「大うなぎ」が泳いでいた、一寸歩いた辺りでは「マス」の姿も見られた。 直子さんの解説。◎ 「KOROMIKO」:NZ固有種の木の名前、トラの尾のような白い花が咲いていた。◎ 面白い木、:3フィンガー、5フィンガー、7フィンガー。対生している葉が3,5,7枚、今日全部みつけた。 ![]() 10:30 クリントン ハット、MEIKOの感激も一入。そうなんだ! 去年2月ここ迄やって来て、奥の展望台まで行ってMEIKOは、その素晴らしさに感動した。どうしてもミルフォードの森を四日間かけて歩き通したいと、強く願ったのだ。今その夢が現実になり、自分の脚で此処に立っていることを確かめてMEIKOは感激に浸った!。 ![]() 13:00頃、7マイル地点のヒレレフォールの休憩所Hilere Shelterで昼食、キアーが『悪さ』をしまくっていた。ここからは名の通りヒレレ滝は望まれる。昼食後30分も歩いたあたりで大きく開けた場所に出た、日光の戦場ヶ原のような所からは両側の峰から長大なフォールが何本となく、小説風に云えば無数の滝が、流れ下っている風景が見られ圧巻であった。 ランチ小屋から今日の宿泊地ポンポローナロッジ 11マイル地点までは残り4マイルだから2時間ほどで行けるだろう。あちこちのフォールや滝壷に立ち寄り、あの花この花の写真をとりながらの散歩だが、何時しか足早に急ぐ他の人達とは離れてしまった。こんな山の中にバスなんか来る筈はないのだが、川が増水して渡れない時のための待機小屋を、そう呼ぶのがイギリス人のウイットか!?。「バスストップ」の標識と待合所を過ぎて、川原のガレ場を越えて暫くの登り ではMEIKOはややヘバッテきた。 確かに、今日10マイル 16kmの行程は、私達が普段一庫ダム周回路で経験している距離より大分長く感じられた。それでも結構早い時間15:10ごろ、かなり強く降りだした雨の中をようやくポンポローナロッジ (Pompolona Lodge 410m)11マイル地点にたどり着いた、そう!今日は「辿り着いた」というのが似合う。 シャワー、洗濯や乾燥室への干し物の後結構時間があり、ビールを飲みながらMEIKOは部屋から見える長大なフォールをスケッチした。No8のこの部屋は、裏手のテラス側に長大なフォールが流れ落ちる大絶壁を控えた、素晴らしいロケーシヨンだ。正面に、少なくとも5段位に見える大きな滝、恐らく500m程度はあるだろう、滝の両側は見事な森林、滝の発生地点あたりが森林限界、その横の山は雪、というより氷河のようでもある。 ![]() 18:00過ぎ、例によって明日の行程のKey Pointのスライド、ベンが英語で、クリスが日本語で解説してくれる。始めから聞いていた事ではあるが、明日は標高1154mのマッキノン峠を越える急な登りがあり、11もあるジグザグの難所を登る日だ。スライドとベンの、否クリスの話では所々直登のような岩の道を登るとの事で想像以上に険しい道程のようだ。両手、両足を使って登り切る事になりそうだが、MEIKOさんがネ(音)を上げなければ良いが....と不安になる。 デイナー。毎晩美味しいのが出る、今夜は、私はローストチキンとポテトの照り焼きみたいなもの、温野菜の付け合せ。MEIKOは山盛りのビーフパスタ、パスタの方は量が多すぎてイマ一の様子だった。美味しいビールやワインと、山の中とも思えないような素晴らしいデイナーの毎晩で文句なしだ。だけど此処は寒い、いや今日が寒いのかな? 21:00ごろ、雨はほとんど止んだが少し風が出てきたようだ、向かいの山も森林限界を越えた辺りでは、先ほどまでの雨は雪になったようで上の方の根雪は勿論だが、氷河と思しきあたりの下の方の岩場もウッスラと白く見える。MEIKOはそれでもジャケットを着込んでベランダで、さっきから画いた スケッチに水彩を乗せている、イイ加減に中に入らんと風邪ひくぞー!。後一時間で自家発が止まって「消灯」の時間だというのに外はまだ結構明るい、 こんな事ではとても眠れそうもない、食後のコーヒーを部屋に持ち込んでノンビリしているところだ。今日の天気は、昼食までは太陽が出ているのに雨が降っている“きつねの嫁入り”、午後は雨。明日の朝はやや早い。 |
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