●タニコメ旅日記●
ミルフォードトラック完走を目指して 2月14日(8日目)

――ミルフォードサウンドクルーズ ―― 
 マイターピークロッジの朝 外は雨だ。さすがに今朝は、脚の「フクラハギ」にミがいって痛い。歩くのもオックーだ!。 ノロノロと支度して、今朝もまた同じようにランチボックス作りだ、昨日までと違うのは、今日は自分で担がなくてもよい事だ。
 今日はフルーツと一緒に紙袋に入れ名前を書いてボックスに入れておいた。これはバスに積み込まれ、昼食時に手渡されることになっている。
 今日クイーンズタウンに着くまでは未だ、過去四日間と同じNo102チームの一員だからファーストネームだけで通る、KOICHI,MEIKOで全て判るのは、なかなか便利だ。
 今日は33,5マイルを歩き通したご褒美のミルフォードサウンドのクルーズだ。私達の「Red Boat」は、このNo102チーム専用みたいなもので空いていた。
 9:00出航の頃には朝からの雨も止み、船が方向転換して速度を上げる頃にはガスに包まれていたマイターピークも、その特徴ある姿(王や貴族の冠)を現した。
   昨年2月にこのクルーズを楽しんだ時には、恐らく二度とこのような所を訪れることは無いだろうと思っていたのだが、再び、しかも昨年に引き続いて今このクルーザーに乗っていようとは思いも懸けないことだった。そんな思いで、日本では見かけないこのフイヨルド全体の姿や、海面からイキナリ1600m余の切り立った岩山の奇景、そこいら中にやたらと落ちているフォールやカスケードに眺め入っていた。
   突然! MEIKOが泣き出した。
 昨日まであれほど沢山の花や風景を撮っていたデジカメを、ビデオにもなるのかしらと思って、訳もわからずにイジッテいる間に。 『映像は何も保存されていません』という表示が出て、全て消滅。今回のメインイベントであったミルフォードトラックの写真、一番ポイントになる写真が全て無に帰した。
 その落胆ぶりは見るに忍びないものだったが....。
 今更嘆いても、最早どうにもならないのに...。
悔しさと後悔で、拭いてもふいても涙が出て、止まらなかったのデシタ!!。
 少人数でユッタリしている上に、昨年の時とは違って風が無く気持ち良いクルーズを楽しんでいたが、タスマン海(外洋)に出るとさすがに「うねり」があり、何かにつかまっていないと立っていられなかった。
 フィヨルド一周の帰りルートでは「アシカ」が岩の上で昼寝?朝寝?していたり、岸壁の上の方には、直子さんの説明によれば“ホフツカワ”という低木の赤い花がこんもりと咲いていた。
nz
ミルフォードトレッキングのご褒美にミルフォードサウンドのクルージング

   スターリング滝で水煙を浴び、ボウエン滝に近づく頃、ついに出てきました!数十頭の「イルカ」の群れが、ミルフォードトラックの54kmを歩き切った私達を祝福するかのように、クルーザーの前になり後ろになりして戯れてくれた。
 “イルカだッ!ドルフィンだッ!”、英語圏の人達は“ドーフィン、ドーフィン!”と叫んで皆大喜びした。
 ボウエン滝をバックに交互に記念の写真に収まると、ここで丁度私のカメラフィルムNo7も終わった。後はクイーンズタウンに送ってあるスーツケースに入ったままだ、仕方ないか、どうせ今からはバスでテアナウ経由クイーンズタウンに向かうだけだから 写真をとるチャンスも少ないだろう。
 楽しかった、私達にとって二度目のクルーズも終わり、11時ちょっと前バスはクイーンズタウンに向かって走りだした。バスは昨年の思い出を辿るように、キャズムを横目に見ながらホリフォード峡谷やMtクリステイ−ナを眺め、急な九十九折を登り切って真っ暗なホーマートンネルを抜けるとマクファーソンシールだ、上の方は去年より雪が多かった。
 ここでデバイド(分水嶺)を越えてからは一気に駆け下り、こんな所に何で?と思わせる広大な平原、そうだノブスフラットでトイレ休憩。ここで、朝作って預けておいたランチボックスのサンドウイッチとトロピカルジュースを受け取った、バスの中で皆ムシャムシャ食いながら気楽な旅だ。間もなくバスの中は急に静かになり、この四日間の疲れが出たのか揃ってコックリコックリし始めた。
 気がつけば、バスは何時の間にか、四日前ここから「Milford Track Guided Walk」の第一歩を踏み出したTe.Anau Dounsを通過していた。
 Te.Anau Hotel & Villas でUSAの二人、John Porter、Marcia Porter 夫妻を降ろした、この夫妻はテアナウで休んだ後グランドトラバ−スに向かうとの事だ。
 つかの間の仲良しに別れを惜しみ、又 ガイドのベンとクリスも早や次のグループのガイドをつとめるために、ここで別れた。
   サンキュ− ベリマッチ ベン !
   アリガトウ クリス!
楽しいガイドウオ−キングを有り難う、サヨナラ!。
nz
グループ102は解散の時を迎えて、ガイドのクリスチーナにほほ寄せられて

   残りは更に二時間かけてクイーンズタウンまで。又また眠ってしまったが、ワカテイプ湖畔のカーブの多い道で気が付いた頃には小雨になっていた。15:50クイーンズタウン到着。
 ここで今回の「Milford Track Guided Walk」 No102グループは解散となった。
 お互い言葉は通じないながら、身振り手振りで結構意思を通じ合った仲間だが、五日間を共にした思い出を胸に夫々の次のスケジュールに移って行った。
 今日のホテルは上等だ。
Mercure Grand Hotel St Moritz Queenstown。
長たらしい名前だが、部屋は広く、大きく開いた窓には全面にワカテイプ湖が広がっていて素晴らしい眺めだ。R―No611、斜面に建っているので表からは2Fなんだ。NZに来てから今日始めて、本当に満足ゆく風呂に入った気がした。
   デイナーは「大黒」で。昨年はオークランドの「大黒」でパフォーマンス付きの焼肉を食べたが、同じような感じだった。この店で特筆すべきは
1) ムール貝の鉄板焼き特製マヨネーズかけ と
2) マッシュルームの鉄板焼きワインかけ
これが又、何とも云えない良い香りを引き出していた。勿論フィレステーキも美味しかったが、上の二つは特筆ものだった。
 まだまだ日は長い、食後小雨の中を華やかな店を覗いたりしながら散歩、結局は“AUTEA”で買い物。私は メリノウール/ポッサムの黒のトックリセーターを冬のゴルフ用に、明子は 赤い何と言うのか知らないが、ファスナー付きのセーターみたいなの を買った、660NZ$。土産は何も買わないと云っていたのだが、いざ となったらやはり色々買うもんだ!。
 シャワーを浴びて、ちょっとナイトキャップをという事で、冷蔵庫のジョニ赤(と思い込んでいた)を出して、明子が水割りを作ってくれたのは良いが、何となく色が濃いなあー、と思いつつ一口飲んで“何じゃ、こりゃー!!”ウイスキーとちゃうぜー!。
 ボトルをよく見れば、ご親切なことにアルコール度6%にコーラ割したものであった、変な味でガッカリだ。

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