●タニコメ旅日記●
スイスさわやかハイキング8日間 9月2日(6日目)

  ――アルプスを去る日 ――
 アルプスの麓を発つ日。今日は、ついにアルプスとお別れして「バス」でルツエルン(Ruzern)へ!。今度は湖船とケーブルカーを乗り継いで、見晴らしの良いMt,RIGIでの一日を楽しむ日だ!!。こちらに来てから、次第に天気が良くなっている。
 今朝も6:00モーニングコール、7:00の朝食時、コンベンション前(玄関前)のテラスは快晴、眼前のアイガーやベルナーオーバラントの峰峯は見事に、鮮やかに晴れ上がっている。7:50の出発前、最後にこの姿をカメラに収めた。 アデユー “アイガー” アデユー “アルプス”。
 9:05分バスは谷底の町ラウターブルンネンを発車して一路大都会ルツエルンへ!。この企画の特徴である、「列車を乗り継いで、ナマのスイスに触れながらの爽やかハイキング旅行」の中では唯一の例外として、時間節約のためにチャーターバスでの移動となった。 1時間半ばかりの短いバス旅行だが、大型バスに18名が一人一席を占めてのゆったりした旅だ。
 暫らくは一昨日通った電車と並行しながらインターラーケンオストに向かい、ツーン湖を右に左に見ながら、峠を越えたところ“ローガン湖”畔でカメラ休憩、ユングフラウが、それとハッキリ見える最後のポイントとなった。この辺からは、料金は払わないが高速道路(スイスの高速道は有料かどうかは知らない)のような道を、やがてバスは古都ルツエルンに到着した。
 ホテル「ルツエルナーホフ」に荷物を預けた後、休む間も無くMMのミグロ(COOPと並んで大手スーパー)で、ピクニック準備よろしくサンドウイッチ、オレンジジュースや黄桃など昼食を買い、カペル橋近くの船着場から定期船に乗った。 船上から観る湖岸には、ホテル、教会の塔やカジノなんかの看板が立ち並び、リゾート都市の風情が垣間見えた。
 静かな湖上の船旅を楽しみ、右奥に火の鳥の山「Mt・ピラトウス」を見ながら、やがて船は目的地「フィッツナウ」で下船。ここからは、周りの景色が“斜め”に見える程の急勾配のケーブルカーに乗って「マウント リギ」山頂1790mの「リギクルム」へ。 本来この山の人気は、眼下に湖を見、遠くアルプス連峰を望みながら360度の眺望が開けるビューポイントである。しかしこの日は残念ながら、ややカスミがかかって遠景は見えなかった。暫らく眺望を楽しんだ後、今度は、やや季節は外れかけていたが花々を愛でながら、「リギ カルバート」迄1時間半ばかりのハイキングを楽しんだ。
 ここからは、行きとは違ってゴンドラに乗り、一気にフィッツナウ手前の港べッギス(Weggis)に下山した。再び湖船でルツエルンへむかった、ところが、ラッキーな事に乗った船が「ウーリ ULI」という102歳という名船、1901年製、スルザー社製の駆動装置を持った“外輪船”だった。
 船内では機関室が見えるようになっていて、巨大なクランクシャフトや数々の機器は型こそ古式蒼然たるものがあるが、とても100年前に造られたとは思えないほど、新造船のようにピカピカに磨き上げられていて、なるほど有名な船だけの事はあるなーと思い、スイス人の、物を大切にする真髄を見たような気がした。
 向かい(進行方向 左)に奇怪な姿の山、火の鳥の山と云われるピラトウスを眺めながら夕暮れ近いルツエルンの街に帰り着いた。古都ルツエルンは、正に“石の街”という感じの建物が林立した落ち着いた街であった。一方、“木の文化”も古いようで、観光客に人気の屋根付きの木造橋「カペル橋」は内部の天井のようなところには、古い絵や文字が書かれた絵馬のような額が架かっている (多分建設当時に書かれたものだろう、1000年前?)。火災で大分焼失したとのことだが、それも良く復元されている。
 ヨーロッパの他の都市は知らないが、このルツエルンの街はお店の閉まるのが早い。この夕方、ガイドの原田氏が随分努力してくれたのだが、18:00前にはアチコチの土産物屋さん(Tourist Souvenir)は何処も閉まっていた。 ツアーの皆は買いたがりばかり、皆ガッカリ!。というのは、今夜がスイス滞在の最後の夜なのだ、明日は帰国の途に付く日なのだ。 ガイドの原田氏は、“お土産は明日空港で時間がありますから心配いりません”と、なだめるのに懸命だ。
 ガイドも大変な仕事やなー、疲れているのに土産物屋をまわり、夕方まで市内のあちこち遂には旧市街まで案内してくれて。私達もホテルに帰り着いてグッタリ!!。所が、もっとグッタリ!は、シャワーを浴びようとしたらお湯が生ぬるい、その内に熱くなるだろうと体を洗ったりしていたが、結局何時まで経っても熱くならなかった。
 “風邪ひきそう、お前さんは止めたほうがよさそうだわ“と私、これは夜遅くに強くしてくれたと原田氏が態々TELくれたが。 この旅行では、都市型ホテルにはベルンと今日で二回泊まったが、広さといい機能といいあまり良く無かった。 今夜はホテルでデイナー。最後の夜ということもあって、ビールやワインはサービス(誰がしてくれたの?)、サイコロステーキが出た、シチューかと思うほどソースもたっぷり、付け合せはポテトサラダと鉛筆位の太さのニンジンの茹でたもの。この辺では牛肉というのは余り食べないのか、全体に固い肉だった。
 パーテイ―の皆は硬いカタイとゴタゴタ云っていたが、私にしてみれば、確かに硬いが、硬さが均一で筋っぽいところが無いのが良い、この旅で食った一番美味しい料理に思えたノダ!。食後は、一次大戦時スイスから傭兵として出て行って、戦死したりキズついたりした兵士達を記念する、岩壁に彫刻されたライオン像を見にいったが、想像以上のスケールで、また見事な表現力で、「背中に、折れた矢が突き刺さって傷ついたライオン」の、自分の運命を悟った悲しげな眼差しが私の胸を射した。
 今日も一日盛り沢山に遊んだが、何となく印象の薄い、感動の乏しい一日であった。まあ、こんな“お茶漬けさらさら”みたいな日もあってよいのかな!?。明日はいよいよ帰国の途につく日だ、6:00AM荷物出し、6:30出発という早や発ち、今夜は早く、22:30に寝付いた。
今日知った花々。
 「Gefranster Enzian」 エンチャン  竜胆の小型のような紫色の花。
 「Feld Enzian」      野のエンチャンとでも言うかな?!。
 「Silber Distel」       “あざみ”の仲間。
 「Berg Distel」       “山あざみ”とでも云うかな、やや背が高い。

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