●タニコメ旅日記● |
――キャンジュマからモンジョへ移動― ※※ キャンジュマ(Kenjoma)の朝 ここはまだ3500mばかりの高さだから山はよく見える。 朝は特に綺麗に見えるのだが、アマ・ダブラムは何時も逆光で「母の首飾り」と言われるほどの美しい素顔が見えないのは残念だ。 5:30Am、昨日のハードな行動のせいか、疲れの蓄積かは知らないけれど、昨夜は8:00頃寝て今朝5時過ぎまでグッスリ眠った。 今ようやくノロノロと起き出したところだ。 ※ 相変わらず鼻詰まりに悩まされる 山に入って以来鼻詰まりに悩まされている。 この時期の私は、日本に居る間は花粉症による鼻詰まりに悩まされ続けていて、寝る前には必ず点鼻薬を注している。 こちらに来たら花粉症から開放されると思って期待していたのに、どっこい鼻詰まりは激しくなっているのだ。 特に昨夜は鼻が詰まって口で息をしていたから、口の中がカラカラだ。 やはり、あの凄い土ホコリの影響があるのではないか「?」。 とにかくこの街道の土ホコリは猛烈だ・ 思うに、このモウモウたる土ホコリの中に杉やヒノキの花粉と同じようなサイズの粒子が混ざって居て鼻粘膜を刺激するのではなかろうか「?」。 ゾッキョやヤクのドライバー達のように、この街道を往来する人達の多くはバンダナで顔を覆っているのは合理的な方法なんだろう。 ※ ミネラルウオーターの値段は標高比例? 毎日1〜2Lのミネラルウオーターを買う。 行動中の飲み水や、クスリ用、或いは歯のクチュクチュ用など全て最終的には腹に収まるものだ。 先にも触れたと思うが、これ以外に使える水は夜作ってもらう水筒2本のお湯と、朝配ってくれる洗面器半分のお湯だけだ。 この商品の値段の合理性が面白い。 ルクラを起点にした距離制運賃かな?標高かな?。 標高 1Lビンの値段 ルクラ 2804m 100Rs(ルピー) パクデイン 2610m 120 ナムチェ 3440m 130 シャンボチェ 3790m 165 タンボチェ 3867m 165 キャンジュマ 3500m 150 ※ お土産 ロッジの前には朝早くからアクセサリーや置物などのお土産品の露天が店開きしていた。 こんなに沢山並べてどうするの?。 客は我々のパーティーだけだし、少しの時間でもここに滞在する人でなければ買う人は居ないだろう?。 前の道を通過するだけの人は買わないと思うけどなぁー。 明子さんはここで銀台のトルコ石(マラカイト)のペンダントを三個買った、誰かへのお土産にするのだろう。 一個500ルピー。 結構抜け目なくやっている。 ※ 濡れティッシュが大活躍 濡れティッシュが大活躍だ。 とにかく使える水が無いのだから、「大」の後のお尻のクリーニングもその後の手も顔を拭くのも全て濡れティッシュだ。 明子さんのアイデアの最高傑作だった。 今回は濡れティッシュを2パックとペーパー6ロール持ってきた。 ※ 今日でメインの山ともお別れ 何時も逆光のアマ・ダブラムをカメラに収めたが、今日がメインの山を見る最後の日になる。 サーダーの話では、今日は早めに雲が出るだろうとのこと。 ※※ モンジョへ向かって山下りの一日 8:30キャンジュマ出発、集落に近いところは道幅も2m前後ありよく整備されている。 小さなアップダウンの坦々とした道ばかりと思っていたら、突然岩場みたいな所に出くわすのだから、安心できない。 麝香鹿(じゃこうじか)(Musk Deer)の保護区という看板がある。 こんな潅木地帯に、ほんまに鹿が住んでいるんかいな?。 ※ ナムチェの展望広場が見えた キャンジュマをスタートして一時間あまり歩いた頃、前方はるかにナムチェの展望広場が見えてきた。 何時しかシャンボチェの丘の遥か裾野を巻く道に入っていたようだ。 夜が明けたばかりの広場に登って、初めて見るエベレスト山群の大パノラマに驚嘆の声を上げたのは3月17日の早朝であった、あれから早や三日過ぎたのだ。 エベレストは未だ“遥かな存在”であった。 左側はるか下にはドウド・コシ。 ※ 軽い気持で登りかけたのだったが・・・ その山の裾野を巻いて下っている今は、右手にクッキリと登り一辺倒の稜線が見えている。 10:20分。 あの日、ここからがシャンボチェへの道の始まりだったいう所、我が明子さんは早くも『ソナム ヘルプ ミー』と叫んでプライベートポーターのソナムに手を引いてもらって登った石段の所まで戻ってきた。 ![]() ※ またヤラレタ! 先ほどから腹具合が悪い。 今朝方、食堂での皆さんの会話では「急行から準急位になった」とか「各停」まで戻ったとか、下のバルブの話題が多かった。 田中さんは下痢と風邪気味が重なっているようで元気が無い。 あの元気者の前田さんまで下痢らしい。 一度も罹っていないのは杉浦さんと明子さんだけのようだ、この人達の腸はステンレスかなにかで出来ているのだろう。 私は先にヤラレテ、今朝まではほぼ完璧に治ったと思っていたのに又おかしくなったようだ。 今朝の朝食時に気を許して、“おかゆ”とその後から出た“柔らかいチャパティの上に目玉焼きが乗ったもの”を全部戴いた。 どうやらこれがイケナカッタようだ。 食べ物に罪は無いのだとは思うが、私の胃腸の性能では食べ物に気を許したら「アカン!」ということがよく判った。 再び坂本先生の4点セットの登場。 ナムチェバザールでは3月16日に泊まったロッジ、シャングリ・ラで昼食になったが、控えめにして野菜スープと紅茶だけにした。 ※ ナムチェ坂を一気に下って 11:45ナムチェバザールを発ち600mの標高差を一気に下ってきた。 登りでは苦労したが、やはり降りは楽で、何なく降りて来たという感じで13:10ボテ・コシ/ドウド・コシの合流を見下ろす吊り橋を渡りきった。 明日は土曜日。 ナムチェではバザールが開かれる日だから沢山の荷物を担いだポーターやゾッキョの数が特に多いようだ。 それにしても、この輸送能力は凄いものだ。 タカが人や牛の仲間というなかれ、頭数が多い上に夫々100kgに近い重量を黙々と運ぶのだから・・・。 ![]() ※ テンネンおばさん 吊り橋のたもとで休憩中に、すぐ傍で大きな荷物のポーターが「一本立てた」。 その時我が明子サン。 「アレェ?」。 「お尻を突っ張るんじゃないんだ!」。 『アホか!』 『お尻につっかい棒してどうスンのよ!』 『ひっくり返るだけやないか!』 『今まで何十度も、何処を見てきたんや!?』 『荷物につっかい棒するのが当然やないか』。 あまりのテンネンおばさん振りに、コッチの方がひっくり返りそうになった。 ※ チェックポイント到着 合流からはドウド・コシの河原の、平坦だけれども道とも言えない道を通っていた頃は明子さんの足も軽かった。 14時ごろジョサレで小休止。 直前の急激な登りに一寸手間取ったが14:25分無事にチェックポイントまで帰ってきた。 Sagarmatha National Park Warld Heritage Natural Site Tourist Information Center ここに下山報告。 この時、思い掛けないことに全員に写真付き署名入りの登録証(Registration Card)が手渡された。 『へーえ!こんな物くれるの!』 写真3枚も提出したが、ビザ用だとばかり思っていたが、こんな所で役に立っていたのかぁー。 「帰国後、額に入れて飾って下さい、それだけの値打ちあります」と貴子さん。 そこからは直ぐに、14:40モンジョ(Monjo)着、今夜のロッジ「SUMIT HOUSE」に入った。 今日のルートは基本的に下りだったから比較的楽であった、私達も余り遅れることはなかったが、これこそ昨日随分下まで降りてきていた効果だろう。 ※ 明子さんは早速スケッチに 時間の余裕があるから、明子さんは早速スケッチに出かけて行った。 5時ごろ「クンビラ」が綺麗に見えたけれど、風が強くなって来たといって帰ってきた。 明朝ここモンジョを発ってルクラに帰り着くところまで進んできた。 いよいよ僕達のトレッキングも終幕が近づいている。 ※ 加藤さんの情報が入った ルクラまで降りたが、体調は良くならなかった。 結局カトマンズまで帰るべく待機しているが、気象が悪く飛行機が飛ばずに困っている状況だ、とのことだった。 |
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