●タニコメ旅日記●
グランドキャニオンを目指して(1日日)

§  10月12日(火)  ―― 出発 ――  

※※  長い一日目
 一寸早いが12:07に光風台出発。  残暑とでも云うような暑さだ、恐らく26〜7度位だろう。  天気は上々、気分も上々。
 14:20頃早々と関空到着。  取り敢えず両替。  以前は“りそな”があった場所が池田泉州銀行に変わっていた。  どういう意味か解らないが、本日優遇でレートは84,57円/USドル。  ちょっぴり円高ドル安の恩恵を感じた瞬間であった。
 外国へ行って何時も最初に困るのはチップ用の小銭だから1ドル札を30枚、後は10$20$の小額 紙幣を貰った。
   15:00頃添乗員の山下敦寛氏と面会。  ガッチリした体躯だから聞くと空手と背泳をやっていたのだそうだが、今はもうかなりの“太っ腹”。 神戸市出身、50歳前後とお見受けした。 人気のベテランガイドらしいから安心、大船に乗ったようなもんだ。
同行メンバーは、別段の紹介もないが京都の女性高木さんと北川さん、神戸市からの奥野御夫妻、 それに私達夫婦の僅か六人。 何となく集まって荷物預け、スーツケースは予め明子サンが計量してあるから問題ナシの25kg以下。

※  出発は午後5:25発のユナイテッド航空、UA−886便サンフランシスコ行き
 チェックイン後小腹が空いたのでスタバで私はドーナツとコーヒー、明子はドーナツと何やら云う 飲み物で虫抑え。 お茶のペットボトルは機内持ち込みOKだそうだから待合室手前で買って、いよいよ準備完了。
機材到着遅れで待たされて、17:50ようやく離陸。 サンフランシスコの天気は良好、気温23℃、飛行時間9時間30分、到着時間は現地11:05と表示され ている。 気流が悪いようでかなり揺れる。

※  巻き寿司の“ヘタ”みたいな座席
   シートは一列2/5/2の9席、私達の席はH、Jの二人席。 空港で搭乗券を貰った時には、出入りし易くてラッキーと思ったのだけれど、乗ってみれば、これ 以上後ろへ行ったらヒコーキから転げ落ちるという42HJ、は最後尾のシートだった。
板前がきちんと切った巻き寿司の“ヘタ”みたいで心なしか狭い(感じがした)、シートの倒れ方 が少ないのだ。 トシのせいか病気のせいか解らないが、「オシッコが近いので含んでおいて下さい」と事前に云ってあったから山下さんが配慮してくれたのか「?」、朝日さんがケチった結果か「?」。 何時もの事ながらヒコーキでは窮屈な思いをしながらの約10時間だ。
 19:00ごろ(日本時間)夕食。  フライドチキン/サラダ/パン。  ドリンクは、「ビールは売り切れ」というから白のワインを貰った、レッドウッドクリーク (Redwood creek)180ml、取り敢えず腹ごしらえ。  海外旅行のフライト中にビールを飲まなかったのは初めての経験だ。  相変わらずよく揺れる。

※  長い一日目は続く 今日も又10月12日(火)一日目だ
只今現地時間10:30分。 後一時間足らずでサンフランシスコに着陸予定だ。 外は青空。
早くも今、朝食を戴いたところだ、ハム/チーズ/?/のサンド。 これが又大変なシロモノで、何かしらドロドロしたものがこぼれ出していて、アルミ箔をめくったら そこら中べチャべチャで甚だ気持悪い。 ヨーグルト&コーヒーで戴いた。
昨夜は結局殆ど眠れなかった。 11:15サンフランシスコ着陸。

※ 10本指の指紋と顔写真にびっくり  
 入国審査は厳重だ、左手の四本指に次いで親指、ハイ右手に替えて同じように両手10本指の指紋 採取。  更に此処をよく見ろと言われて顔写真も。  オレが悪い事しそうかどうか、専門家が見たらすぐわかるやろ!。  腹の中でそんな捨てゼリフを並べながらやっと入国。  遅い荷物の出を待って、ようやくアメリカへ来た感じ。

※ ジョシュ
  『ジョシュ。助手席と同じジョシュと呼んでクダサイ』 『姓はマリーン。海のマリーンと覚えてクダサイ』 のジョシュ・マリーン。 アイダホ出身の25歳(後で判ったが多分自称だろう)の青年、歳の割にはこの人も相当な“太っ腹”。 日本には愛媛県を皮切りに一年半ほど住んだことがあるそうで、日本語ペラペラ、 日本の事情にも結構詳しい好青年だ。 このジョシュのガイド兼運転で私達のアメリカ西部の旅は始まったのであった。 現地時間12:30、時差16時間(日本は既に10月13日水曜の午前4:30)。
 装甲車みたいな構内バスで駐車場へ、流石アメリカ、だだっ広い駐車場やなぁー。 今日から私達を載せてくれるのは運転席/助手席の後ろに3人掛け×4列シートの ワンボックスカーみたいな車、エンジンは6300CCとか云っていた、これもやはり小型バスと云うの かなぁ。
 後ろには荷物専用コンテナーが載ったキャリーカーを引っ張って。 トータル八人が乗るには充分広いスペースだ。 今から10月21日ラスベガス空港で別れるまでずーッとこの車に乗せてもらうのだ。
いざ出発!。 コロラド河を、グランドキャニオンを目指して!。

※ “デコデコ”コンビ
 運転席と助手席の“太っ腹”の二人がコンビを組むのは始めてだとの事だが結構調 子は合っているようだ。 何となく吉本チックな会話の様子は、さしずめ凸凹コンビならぬデコデココンビという所か。 旅の道中を通じてなかなかの掛け合いぶりであった。

※ いきなりカルチュラルショック
  今日は暑い!。 ジョシュの話ではサンフランシスコではこんなスッキリした晴天は滅多に無い事だそうだ。 そりゃそうだろうな「霧のサンフランシスコ」という位だもんな。
少し郊外へ出た辺りで、この辺が有名なシリコンバレーです。 「えッ!。」 「シリコンバレーってこんな所なの!。」 「“バレー”というのは日本語では“谷”と違うの「?」」。
私は随分以前からシリコンバレーというのは【山と山の間の谷間にある静かな街】であって、 そんな囲われた落ち着いた環境だからこそ世界中の優秀な頭脳が集まって最先端の産業を起業 するのに適しているのだと思っていた。
 確かに遥か彼方に山は見えるが、この広々した原からはどう見ても“谷間”というイメージは 湧いてこない。 日本で云えば平野やないか!。 いきなり広大な北米大陸とのサイズの違いを見せ付けられた思いであった。
 暫く走ったヘイワードの街で昼食。 アイホップ(I HOP)というレストランでのメニューはエビのフリッター。  ここでもやたら量が多いことにギョッ!。  サラダだけでもかなり足りているのに、そこへ出て来たエビフリッターの量。  おまけに付け合せのポテトフライ/ブロッコリーにパン。 アメリカ人の大食ぶりにもビックリ、とても付き合いきれない。 アメリカ大陸に来るなり一撃を喰らわされた感じであった。

※※  一路ヨセミテへ向かって長いドライブ
 14:20ヨセミテへ向かって出発。  インターステート道―580は直ぐに郊外に出たが、周りの丘陵地帯は枯草色の草と木立ばかりだ。  ジョシュの説明では、この草は枯れているのではなく本来こんな色で、栄養もありウシ君も好んで 食べるのだそうだ。  道はやがてR−120に入り周りの景色も多少変った。
   
アメリカ西部の原野は枯草色だったが、草は生きているのだそうで、本来こんな色。 何日も走ったが、何処も大体こんな色だった。 2010.10.12。
片側二車線のR-120は、何処までも続くアーモンド畑の中を走る。  「そんなにアーモンド作ってドナイするの」。  暑い!。  ここはカリフォルニア州。
 16時頃ようやくやや山地に入って起伏も多くなった。  周りは疎林、下は牧場らしいが特に手入れした様子は無くウシもいない。  広葉樹林が濃くなり松も混ざった山になりダム湖を過ぎて間もなくジョシュの車は急回転して 脇道に入った、どうやらR−120から外れた模様だ(地図は―49となっていた)。
 16:30頃モカシン(Moccasin)で左に水力発電所を見た辺りからは本格的な山岳地帯に 入り道は急激なアップダウンを繰り返しながら次第に高度を上げていった。
 17:30マリポサ(Mariposa)でトイレ休憩。  この辺りには有名なメタセコイアの森があるのだそうだ、後日見に行く考えもあったらしいが スケジュールが合わず取り消しになった。
 18:30、日もとっぷり暮れて暗くなった中、ようやくヨセミテビレッジに着いた。  四方を高い山に囲まれた宿泊施設があるだけの狭い空間だ。  今夜の泊まりはYosemite View Lodge.。
 サンフランシスコから約6時間かけてジョシュは車をすっ飛ばして、シエラネバダ山脈の懐まで 入り込んできた。 今日は初めて観るアメリカ大陸の原野の広大さだけが唯々印象に残った一日であった。

※ ヨセミテの一夜はドンと来たステーキにギブアップ
時間も大分遅くなっていたので、慌てふためいて二人で30分のシャワーで夕食へ。 ビールは地ビールの中ジョッキ。 私はシエラネバダ、明子はエール。 私のシエラネバダは一寸糖の香りがあるので明子のエールと交換してもらったらスッキリして美味い。 先ずは乾杯、2杯で14$。
野菜をたっぷり取ってきて、さてメインは私ステーキ、明子はサーモン。 ミディアムレア―に焼いてもらったら結構柔らかくて旨い、これはイケル。 だけど、この大きさはどうだ!。 結局半分ばかりでギブアップ。 聞けば350gが普通だという、若い頃でも250gが限度だったんだからムリというもんだ、『参った!』。
10月の山岳地帯は大分寒いと聞いていたが少なくとも今日は暑い位の天気であった。  明日は1000m〜2000mばかりの高度差の中だし、朝夕の気温差も激しいから対応が難しいが、 どちらかというと【暑い】にウエイトを置いた準備をしよう。
   只今10月12日夜の10時、日本は10月13日昼の2時だ。  起きてから既に30時間以上殆ど眠らない長い一日であったけれど、それ程疲れは感じない。  ヨセミテ ビュー ロッジ1F No−1334のこの部屋はシャワーのお湯もたっぷり出るし、大きな 部屋にセミダブルベッドのツインもなかなか快適。

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