●タニコメ旅日記● |
§10月19日(火)―― 遂にグランドキャ二オンを目指す日 ―― ※ 夜明けのモニュメントバレーをスケッチ 我が明子サンは未だ明けきらない薄暗がりの中で防寒衣を着てテラスへ。 薄蒼い空気の中に立つビュートなどをスケッチした。 今朝は割合時間がとれたから満足だろう。 私も暫く同じ景色をカメラに収めていたが、明るくなるの待って庭へ出掛けて朝日に染まるバレーを眺めた。 7:00AMの空は鮮やか、地上の空気はやや冷んやりだが素晴らしい天気、日の出の後の空はどんどん変る、下の黒/その上がオレンジ/上はスカイブルー。 この色が次第にオレンジが薄くなり黒と薄いブルーに変化してきた。 陽の光の中ではホテルの輝きとの対比が無いからかえって岩山の景色が自然に写った感じで改めて見直していた。 ※※ 先ずはアンテロープキャ二オンで光の芸術を見よう 9:00ホテル出発、道はR-163を走っているが間もなくR-160更にR-98へと変って行った。 ジョシュは大体70マイル/H(約110km/H)で走っているが見渡す限りの荒野。 時々緑が目立つ丘を通過するが殆どの時間帯は枯草色の砂漠地帯を走っている。 今日も又荒野の道は真っ直ぐ、相変わらず【他に何も無い】。 此処でアリゾナ州との境となり時差調整1時間遅らせて10:58から9:58にした。 10:10ページ(Page)の街で昼食、ちょっと早いがこれからアンテロープに向かう都合での早やメシ。 今はナバホ地区の外れにいる、本道はここからR-89になる。 【ジャック インザ ボックス】で私はチキンバーガー(注文して造ってもらう)&コークを戴いたが、これがクセモノ。 採ったカップは500mlはラクに入る、冷たいもの飲み過ぎてPMはオシッコの我慢に苦労する羽目になった。 ※ 現物か、写真か以外に説明の方法はない? 川に突き出た岩山が大水の時に運ばれる土砂によってくり抜かれて出来た縦型の細い洞窟のような通路。 サンドブラストで出来た滑らかで変化に富んだ岩壁に、天から射しこむ太陽光が微妙に反射して様々な色合いの空間ができる。 巧まざる色や形はまさに光りの芸術といえる。 ![]() 四駆のトラックに乗せられて、今は水の無い河原を行く事小一時間、狭い洞窟内は立派なカメラを構えた人達で大賑わいであった。 長さ2〜300mのナローパスは実に様々な光の模様を見せていて、正に光の芸術だ。 写真愛好家には応えられないスポットだろう。 目的が別な私には『ヘぇ―、変った景色やなぁ―、こんなのは滅多にお目にかかれんな!』とは云いながら、只それだけのこと。 それでも尚、やたらシャッターを押しまくっていた。 今日は好天だからラッキー、曇っていたらサッパリやろうな!。 ちょっと文字では表現し難い情景であった。 ![]() ※※ レイクパウエル 13:30ペイジの街を出発、レイクパウエルへ向かった。 程なく巨大なダム湖が見えてきた、レイクパウエルだ。 長さ300kmに及ぶという長大なダム湖は青々とした水を湛えていた。 ダムの高さ220mほどながらこれほどの長距離(東京/名古屋間に相当)に及ぶというのは日本のような急流の川では考えられない。 コロラド河が如何に長大で悠然と流れているかと云う事だ。 一昨日見たコロラド河、デッドホースポイントはダム湖が及んでいない流れのようだったから、まだそれより上流なのだ。 ![]() ※ グレンキャ二オン・ダム 深さ300m幅400mのグレンキャ二オンでコロラド河を堰きとめたダム。 堰堤の高さが220mほどらしい。 このダムが長大なダム湖レイクパウエルを作ったのだが、満水になるまで17年もかかったのだそうだ。 私達は堰堤とは別に掛かった橋を歩いて渡ったが、ちょっと興味深かったのはダムの堰堤の上端が遥か下の方にあったことだ。 日本で見るダムは通常堰堤の上端は周辺道路と同じレベルで繋がっているが、ここのダムは峡谷の深さが300mもあるのだから堰堤は谷底内に収まるというのは当然なのだが・・・。 ※※ 今度こそホンマにグランドキャニオンを目指して 14:00ダムを後にしていよいよ本気でグランドキャニオンへ向かう。 R−89を南下。 青い空に僅かに白い雲。 真っ直ぐな、バカみたいに真っ直ぐな道。 15:15キャメロンの街、ここは未だナバホネイション地区内だ。 キャメロントレーデイングスポットで一寸買い物。 “INDIAN ARTS & CRAFT”で孫達にドリームキャッチャーなどのお土産を買った。 ※ グランドキャニオン近し! ここで道はR−89と分かれてR−64へ右折、グランドキャニオン27マイルの標識、いよいよ近づいてきた。 16:00コロラド河の支流リトルコロラド川の流域に入ったが、この辺りから景色は大きく変り、突然という感じで先ほどまでの枯れた平原から一転緑濃い森林地帯に入った。 道は次第に登りに入って行った。 カイバブ国有林(Kaibab Natinal Forest)だ。 ジョシュの解説。 今車が走っている森林地帯は凡そ海抜2000m。 先ほどまでの平地では気温が高過ぎて木が育たない、この辺りの標高になって丁度樹木の生育適温になる。 高山の森林限界も標高だけでは決まらないが、丁度その逆の現象が起きているのだ。 ※※ とうとうやって来ました! 16:15 GRAND CANYON NATIONAL PARKに入った。 とうとう来た!。 長い時間かかったなぁ―。 先ずデザートビューポイント(イーストリム)から眺め、間もなく17:00にはグランドビューポイント(サウスリム)へ移動。 ![]() ※ 私には「壮観」としか表現できなかった リムの上からこの峡谷を正しく見るためには、先ずは私の頭の切り替えから始めなければならなかった。 この河の何百キロ上流か知らないが、二日前に見たデッドホ−スポイントでは平地を断ち割ったような断崖の600m下をコロラド河は流れていた。 あの時見たものは確かに大峡谷であったし私がイメージする峡谷そのものであった。 けれども今、目の前に見るグランドキャニオンの壮大なスケールはどうだ!。 【あれの何倍の大きさ】というような概念では到底測りきれない大きさだ!。 サイズがどうのこうのという見方は今や意味を失い、全てに【遥か・・・】という表現がふさわしい凄さだ!。 これをどう表現すれば良いのだろう、私の乏しいボキャブラリーでは【壮観】という言葉しか思い浮かばなかった。 大きな空と茫漠たる平原を背景にした、雄大な峡谷全体の姿こそが人の心を惹きつけ、見た者に感動を呼ぶのだろう。 これをして【偉大なる神の創造物】と言わずして何と云おうか。 到底人知の及ぶところではない!。 今立っている所は海抜2200m、遥か底の方に光って見える川面まで1600m。 幅は狭い所で13km広い所では26kmもあるというが、私には何処と何処を結ぶ距離なのか判らず、只呆然と眺めていた。 コロラド河の長さは446km(東京/京都間の長さ)だけれど蛇行しているからリム(岸辺)の長さは凡そ2000kmに達するそうだ。 ![]() ロッキー山脈に降った雪解け水が源流となり遥か2000kmの旅をしてカリフォルニア湾に到って太平洋に流れ出るコロラド河。 600万年かけて大地を削り続けて出来上がったこの大峡谷だけれど、今日もまたコロラド河は大地を削り続けているのだ。 ※ ヤバパイ・ロッジ(YAVAPAI LODGE) 夕日のグランドキャニオンに満足して引き揚げ。 先ずは夕食。 ビールMIRROR(ミラー)は美味かった。 明日は大峡谷の断崖を下るハイキングだ、ブライトエンジェルトレイルを歩く。 いよいよこの谷に足を踏み入れるのだ、何処まで到達できるかは判らないが、きっと私の胸に新たな感動を呼び起こしてくれるものと確信して寝よう。 |
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