おもちゃドクター入門講座 導入偏
第3章 おもちゃについて

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3−1 おもちゃとは

  おもちゃとは、子どもの大好きな先生です。
   音楽・体育・国語・美術・社会・工作・・色々な先生になります。
  おもちゃとは、子どもの大切な友達です。
  おもちゃとは、子どもの宝物です。
  おもちゃとは、子どもの・・   考えてみてください。

3−2 知っておきたい法律

製造物責任法(PL法)」平成7年7月1日に施行
 「PL」とは、Product Liability、すなわち「製造物責任」のことです。製造物責任制度とは、製品の欠陥によって生命、身体または財産に損害を被った場合には、被害者は製造業者などに対して損害賠償を求めることができる制度です。
 対象となる「製造物」とは、「製造又は加工された動産」をいうものとされている。
 ここに「製造」とは、部品又は原材料に手を加えて新たな物品を作り出すことであり、「加工」とは、物品に手を加えてその本質を保持しつつこれに新しい属性又は価値を付加することをいうものとされている。「加工」はPL法の対象となるが、「修理」は対象とならない。

3−3 おもちゃに付くマーク
損害賠償制度のある商品マーク
STマーク STマーク  Safety Toy   (社)日本玩具協会
03−3829−2513 http://www.toys.or.jp/
 (社)日本玩具協会の安全基準に合格したおもちゃに付けられる。
 マーク付きおもちゃの欠陥が原因で事故を起こした時、対人最高1億円(1事故2億円限度)、対物最高2000万円、また30万円までの見舞金制度あり。
市販のおもちゃの90%以上がマーク付き
SFマーク SFマーク  Safety Fireworks   (社)日本煙火協会
 03−3281−9871 http://www.hanabi-jpa.jp/
 火薬類取締法による法定基準検査および(社)日本煙火協会の安全基準に合格した国産・輸入花火に付けられる。
 マーク付き花火の欠陥が原因で事故を起こした時、対人、対物合わせて1事故最高2億円の賠償。
国内を流通する国産・輸入品のおもちゃ花火のすべてがマーク付き
SGマーク SGマーク  Safety Goods   (財)製品安全協会
03−5255−3631 http://www.sg-mark.org/
 消費生活用製品のうち、(財)製品安全協会が定めた安全性認定基準合格商品に付けられる。
 マーク付き商品の欠陥が原因で人身事故が生じた時、被害者1人当たり最高限度額1億円の賠償。死亡・後遺症を伴うような重大な事故では60万円を一時金として前払い。
乳幼児用製品、家具家庭厨房用品、スポーツ・レジャー用品、福祉用具、など
おもちゃ以外では、TSマーク(普通自転車)、HAPIマーク(ホームヘルス機器)、BLマーク(住宅部品品)などにも、損害賠償制度があります。
共遊玩具のマーク
うさぎマーク うさぎマークの付くおもちゃとは
耳の不自由な人々のために「配慮」が施された「共遊玩具」
盲導犬マーク 盲導犬マークが付くおもちゃとは
目の不自由な人々のために「配慮」が施された「共遊玩具」
(社)日本玩具協会 共遊玩具推進部
グッド・トイマーク グッド・トイマーク
 グット・トイ認定おもちゃに表記できる公式マーク。委員会のシンボルマークでもあります。
 おもちゃの「T」「O」「Y」のアルファベットを子どもが遊ぶ姿にデザイン化し、さらに、世界中で愛好されている「けん玉」の形にも見立て、幅広く親しまれることを願って作られました。「グット・トイ」の認定玩具はおもちゃ、パッケージ、カタログなどにこのグット・トイマークを表示することができます。
グッド・トイってなに?
 グッド・トイは私たちの「遊び力」を引き出してくれるおもちゃです。
 「遊び力」とは、見る力、聞く力、感じる力、コミュニケーションする力、夢見る力。人は遊びを通して、生きる力を身につけます。優良なおもちゃ、「グッド・トイ」とはその手助けをしてくれるおもちゃだと私たちは考えます。  
 NPO法人日本グッド・トイ委員会

グッド・トイマークは、対象を子ども用のおもちゃに限定していないが、
STマークは、14才までの子どもを対象にしたおもちゃに限定している

3−4 ST申請の際の検査

(1) 機械的および物理的特性の検査
 14才までの子どもが遊ぶおもちゃを作るときに安全性のため必ず配慮しなければならない試験項目があります。この項目では、おもちゃの形状や強度に関する検査をします。

(2) 可燃性の検査
 表面がパイル地または布で作られているやわらかいぬいぐるみやおもちゃのテント・家、その他子どもが身につけるものについて、使用してはいけない材料(セルロイド等)ではないか、また燃えやすいおもちゃではないかを調べます。

(3) 化学的特性の検査
 おもちゃの材料に有害な物質が使われていないかを調べる検査です。厚生労働省が定める食品衛生法の他、EN71(ヨーロッパで行われている玩具の安全検査)なども検査項目として取り入れています。
社)日本玩具協会 HPより

3−5 おもちゃの種類

動作・機能による分類
 故障内容・診療方法に影響する。
(1) 動くおもちゃ
   軌道を走るおもちゃ (走らない・脱線する・異常音・遅い・・)
   道路を走るおもちゃ (走らない・曲がらない・異常音・遅い・・)
   回る・往復動おもちゃ(動かない・回らない・異常音・遅い・・)
   落下おもちゃ     (落下しない・異常音・遅い・・)
   その他         (動かない・異常な動き・異常音・遅い・・)
(2) 音の出るおもちゃ
   電子回路      (鳴らない・異常音・小さい・・)
   楽器         (鳴らない・異常音・小さい・・)
   そのた        (鳴らない・異常音・小さい・・)
(3) 光るおもちゃ    
   電球         (光らない・暗い・・)
   発行ダイオード   (光らない・暗い・・)
   放電・火打石    (光らない・暗い・・)
(4) 組み合わせおもちゃ
(5) その他のおもちゃ  (破損・汚れ・・全てのおもちゃに共通)

動力源による分類
 故障原因・診療方法に影響する。 
(1) 電気エネルギー
   一次電池(乾電池) (電池の消耗・通電不良・断線・部品の損傷・・)
   充電電池       (電池の寿命・充電器不良・通電不良・断線・部品の損傷・・)
   アダプター       (通電不良・断線・部品の損傷・・)
   太陽(光)電池     (電池の寿命・通電不良・断線・部品の損傷・・)
   モーターで動力に変換(モーター不良・伝達部品の破損・・)
(2) 自然エネルギー
   ゼンマイ・バネ   (ゼンマイ・バネの損傷・伝達部品破損・・)
   弾み車・重力    (固定部品の損傷・伝達部品破損・・)
   風力・そのた    (固定部品の損傷・伝達部品破損・・)
(3) 人力
   手で動かす     (固定部品の損傷・伝達部品破損・・)
   口で吹く       (固定部品の損傷・伝達部品破損・・)
   足で動かす     (固定部品の損傷・伝達部品破損・・)

組立方法による分類
 分解・再組立方法が決まる。
(1) ネジ止め      (分解・再組立が容易)
(2) 嵌め込み      (分解・再組立時に破損する場合がある)
(3) 接着        (基本的には分解不可・元どおりにはならない)
(4) 縫製        (元どおりにはならない場合が多い)
(5) その他組み合わせ

操作方法による分類
 診断機器・方法が選ばれる。
(1) 直接操作  (動力源・操作部・作動部に分けて診断する)      
(2) 遠隔操作  (コントローラー不良か本体の不良かを、最初に確認する)
(3) 自動稼動  (動力源・センサー部・コントロール部・作動部に分けて診断する)

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編集 津おもちゃ診療所