第2章 失敗から学ぶ

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2-1 失敗は、成功の元

 失敗は、成功の元
直せるとは、限りません。壊れていない部分まで壊してしまう場合もあります。
失敗から学び、活かすようすれば、技術力は向上します。
そのためには「同じ失敗を、繰り返さない」ことです。
下記の点に注意して、真の原因を探し対策することです。

(1) 第一の注意点は、「不注意を、原因にしな」いことです。
人は、不注意から、逃れられません、なぜ、なぜを、繰り返し、「真の原因」を導き出しましょう。

(2) 第二の注意点は、「思い込みをしない」ことです。
 思い込みによる失敗は、少し慣れてくるとよくするものです。
 同じように見える「故障」でも、「原因」はいろいろです。
思い込みを、排除して、「真の原因」を導き出しましょう。

成功したときの「原因」は、失敗しなかったからです。失敗したときこそ、多くの事を学べます。失敗を恐れずにチャレンジしてください。成功したときでも、反省は必須です。

2-2 不注意とは

 不注意は事故の原因ではない!!

  「不注意」とは、「注意が足りないこと」
    注意する対象が具体的にわからないと、何もできない。
  「注意する」とは、「人間が意識的にあることがらに意識の焦点を向けること」と定義されるが、「不注意」についての定義はできない。

 不注意は、人間が故意に不注意になるのではなくて、自然法則的に不注意という現象が起こると考えるべきである。人間が意識して不注意になるということは、原理的にできないことがらである。したがって、不注意は原因でなくて、むしろ結果であり、『注意によって間違いを防止する』というのは、非科学的です。

 なぜ、不注意になったのか、
 その原因(1)はなにか。⇒
 なぜ、その原因(1)は起こったのか、その原因(2)はなにか。⇒
 なぜ、その原因(2)は起こったのか、その原因(3)はなにか。⇒
 なぜ、その原因(3)は起こったのか、その原因はなにか。真の原因か?
 なぜ、なぜを繰り返し真の原因を追究して、対策を立てなくてはなりません。

不注意は、原因の結果として起こったことであり、事故の要因になっている。

-3 注意力の4つの性質

変動性・・注意力は一定の水準に保てない。注意にはリズムがある。
方向性・・注意力の多くが眼の働きに依存している。視線の向いていない所には注意力が働かない。
選択性・・人間は外界からからくる色々な刺激や情報を感覚器官から受け入れるが、外界のすべてを意識したら頭は混乱する。
情報性・・人間は周囲の事物を意味づけして認知し、行動する。その時、その人にとって役割を持たないものと判断したものは無視される。

 不注意になる原因を取り除くことはできません、不注意になっても重大な失敗・事故が起きないようにする対策が必要です。

2-4 治療時の不注意対策

 人間は、不注意から逃れられません、おもちゃ治療時の注意事項の内、太字で示したのが不注意に対する対策です。失敗をした場合は、真の原因をとらえ、それに対する対策をとり、大切なおもちゃを壊さないようにしましょう。

おもちゃ治療時の注意事項

分解するにあたっては、ケースを用意してネジや部品を入れる。ネジの大きさ、長さ、位置を、間違えないようにする。

分解した場合 , 部品の飛散や外れが起こり分からなくならないように、図に書くなど細心の注意を払う。デジカメの取っておいても良い。

* 分解してはいけない部品もあります。スプリングやゼンマイを使った部品は要注意。

ハンダ付けの配線が、修理中に外れることがあるので、印をつけるなど注意する。

* おもちゃに使われている電子部品は、ハンダ付けの時の熱などで破壊されることもあるので、注意ずること。プリント基板の配線は熱に弱く溶けることもあるので、注意すること。

机の上は白いものを敷いて行うと、飛んだ部品の発見が容易になる。また机のうえに布を広げて、その上で修理をすることは、机に傷がつかないし、外した部品の紛失防止になる

* 故障したおもちゃの館理を開始する前に、持ち主に故障前の正常な時の状況を良く確認をして、修理の目標にしてください。

* ぬいぐるみは、細かいところで元の状態に戻らないことがあることや、汚れるあるので、了解を得ておくこと。

* 故障している以上に、壊さないように細心の注意をはらう必要があります。

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編集 津おもちゃ診療所