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第6章 知っておきたい部品の特性
| 6−1 | 極性のある電気・電子部品 |
2端子部品で極性のある部品は、接続を間違えると動作がおかしくなるだけでなく、破損などの重大事故につながるので十分注意する必要がある。(3端子以上の部品は各端子に特有の働きがあるので仕様を確認して使用する。)
電池:電池は極性だけでなく、出力電圧も色々あるので指定品を使用し向きに十分注意すること。
初級編P-4「電池と電源」参照
モーター:おもちゃに使用されているモーターは、ほとんど外磁に永久磁石を使用
した3極ローターの直流モーターである。電源の「プラス」と「マイナス」を入れ替えると逆転する特徴がある。
![]() 記号 カソード アノード |
ダイオード:順方向電流を利用した整流用や検波用のダイオードや、逆方向の耐圧電流を利用した
ツェナーダイオードなどあるがいずれの場合でも接続方向が重要である。
帯状の印が付いているリード線側がカソード側を示す。
写真の一番上と二番目のものは電流の整流用途のものです。
上が6Aの電流が流せるもの、その下が1Aの電流が流せるものです。
三番目の赤っぽいものは、ON/OFFの切り替えが高速行える、スイッチング用です。
一番下のものはツェナーダイオードで6Vのものです。
発光ダイオード[LED]:順方向(アノードに+、カソードに−)電圧を加える
と点灯するが逆方向では灯しない。(LEDを2個以上組み合わせて色々な動作をさせているものもある)
光ダイオードの極性の確認方法は新品の場合にはリード線の長い方がアノード側、短い方がカソード側になります。
電解コンデンサ:極性と耐圧が表示されている。大容量コンデンである。
マイナス側の電極を示す表示があります。(写真左の2個)
タンタルコンデンサも極性がある。(写真右)リード線のプラス側を示す記号がコンデンサ自体に記されています。

その他のコンデンサーはほとんどが無極性である。
フォトトランジスタ:通常トランジスターは3端子素子であるが、フォトトランジスタは1端子
が入力光となっているために外見上は2端子であり極性がある。
スピーカー:おもちゃのスピーカーはほとんどダイナミックスピーカーで極性に関係なく使用できる
が、多くの場合信号だけでなく直流分が流れる回路となっているため、コーンが一方向に引っ張られる。このため、音が小さい場合接続を逆にすると大きくなる場合がある。
(2個以上使用している場合は音の干渉を考え極性を合わせる必要がある。)
そのた:+−の極性表示がある部品はその指示によること。
リード線の色:通常マイナス側(接地側)が黒色、プラス側(電圧側)が赤色や青色である。
「注意:家庭の100/200V屋内配線の色は接地側が白色で、電圧側が黒色・赤色であり、黒色(赤色)の線に触ると感電する。」
| 6−2 | トランジスタの極性 |
トランジスタは半導体の組み合わせにより大きくPNPタイプとNPNタイプがある。
また、トランジスタは用途と上記のタイプにより以下のような名称が付けられる。
2SAXXX PNPタイプの高周波用
2SBXXX PNPタイプの低周波用
2SCXXX NPNタイプの高周波用
2SDXXX NPNタイプの低周波用
小型のトランジスタでは、2Sを省略して表示する場合が多い。
トランジスタの種類によってリード線の内容が違うので、マニュアルなどで確認する必要がある。
2SC1815の場合(写真左)
品名が印刷されている平らな面を手前にして、

左よりエミッタ コレクタ ベース
で、ECB(エクボ)と覚える。
2SD880の場合(写真右)
品名が印刷されている面を手前にして。
右が エミッタ
真ん中が コレクタ
左が ベース
注意:おもちゃに使用されている中国製のトランジスタの足の配列は、左よりEBCが多いが、代替品の日本製は上の左写真のようなECB配列が多いので交換する場合は注意が必要である。
参考:電界効果トランジスタ(FET)
昔の真空管に似た原理で、入力の電圧で出力の電流を制御する特性を持っている。

| 参考資料 |