漢方について

漢方薬の特徴について
一つの漢方薬は数種類から十種類の生薬からなり、個々の生薬の薬効(やくこう)が組み合わさって効果を発揮しています。
今、私たちが服用しています漢方薬は漢方エキス製剤(かんぽうエキスせいざい)と言われ、煎じ薬を精製した粉薬からできています。
漢方では患者さんの病状の違いによって、現代医学では同じ病名ではあっても使用する漢方薬が異なります。例えば、「慢性気管支炎」には何種類もの病型があって、それぞれの病型に応じて異なった漢方薬を使用して治療しています。
漢方では、個々の病型を適切に診断することが最も重要になってまいります。

漢方処方の一例
「きちんとした睡眠をとり、食事をとっているにもかかわらず、いつも身体がだるく、朝が起きれない、食欲がない、すぐに疲れてしまうなどの症状があり、周囲の人からは“やる気がないのか”と言われてしまう…」
このような症状を、漢方では「元気が少ない」という意味で「気虚(ききょ)」と呼んでいます。一般的に「冷え性で、やせ形で、色白の低血圧の女性」に多く見られる症状です。
私が勉強しています中国の漢方医学は中医学と言いますが、中医学では気虚をさらに細分化しています。
このような症状は、胃腸の症状が全面に出てきますので、脾胃気虚(ひいききょ)と呼ばれ、補中益気湯(ぼちゅうえっきとう)という漢方薬を服用することで症状が改善できます。

漢方あれこれ
病名漢方はあまり効果的ではありません。
「△△△という病気には○○○という漢方が効果的だと書籍で知りました。このまま服用しても大丈夫でしょうか?」
ひとつの病名(症状)に対して、ひとつの漢方薬を使うという方法は「病名漢方」といわれ、あまり効果的ではありません。病気というのは、もともとその人の生活環境や体質によっても治療法が異なってくるものなのです。
あくまでの病気の治療にはその人個人に対応した薬の処方が大切です。
漢方は効きにくいのではなく、効果を最大限引き出せる状態と組み合わせがあります。
「ドラッグストアで漢方薬を購入し、服用しましたがあまり効果がありませんでした。漢方薬は西洋医学のお薬と比較して効きにくいのではないでしょうか?」
私は、数多くの治療から「漢方薬が西洋医学の治療と比較してはるかに有効であった」症例を、数多く経験しております。
一例を申し上げますと、私の娘が3歳で重度の小児ぜん息にかかり、西洋薬を服用させても改善がみられませんでしたが、「小青龍湯」という漢方薬を服用させることで改善がみられ、その後、娘は中学卒業のころにはぜん息を完治しております。
ぜん息のほか、アトピー性皮膚炎やじん麻疹といったアレルギー性疾患等で苦しんでいる患者さまには、まずは一度、当医院へご相談ください。適切な漢方治療をご説明させていただきます。
また私は、(社)日本東洋医学会認定漢方専門医として漢方治療を行っておりますので、安心して当医院で漢方治療を受けていただきたいと思います。