平成元年(1989年)津木中学校にホタル飼育施設が完成しました。
以降、津木中学校ではホタルの保護活動をはじめ、ホタルの研究を中心に、環境教育の取り組みが続いています。
ホタルが飛び交う季節を前に、校区内の道沿い約40カ所に生徒と職員で看板を設置しています。
ホタル鑑賞に来られる方や津木地区を訪れる方々はもちろん、地元の方々にもホタルの保護と広川の環境保全に向けた取組を呼びかける看板です。
いつまでも、ホタルが飛び交う環境が続くことを願って…。
全校生徒と職員が校区内の14カ所でカウンターを使ってホタルの飛翔数を調査しています。
下流の前田・猿川地区から飛び始めたホタルは、やがて中流域の寺杣地区、シーズン終盤にかけては上流の中村地区や岩淵地区へとその飛翔のピークは移り変わっていきます。
毎年5月下旬から6月の上旬にかけて見ごろを迎えます。
調査結果は翌日集計し、Webページ(URL)で公開するとともに、地域の温泉宿泊施設「ほたるの湯」でも掲示しています。
ピークは毎年6月の上旬です。調査地点は、飛翔数調査のページをご覧下さい。
飛翔数調査の期間中に生徒や職員でホタルの成虫を捕獲しています。
幼虫を孵化させるため、校内の飼育箱で霧吹きで水分補給などをしながらホタルが卵を生み付けやすい環境を整えて、ていねいに観察を続けます。
一つの飼育箱で60~70匹飼育しています。
孵化した後、体調1.5㎜の幼虫数万匹を広川各地に放流します。
飼育箱のホタルです。飼育箱に敷いた水苔や草の葉に約0.5mmの黄色い卵を産みつけます。
(右の写真)一匹のメスは約500個~約1000個の卵を産みます。
幼虫は約一ヶ月で孵化して、飼育箱の下の水盤に落ちます。
10カ月経つと3cm程の大きさまで成長します。
4月頃川岸の土の中にもぐって、サナギになります。光る理由は、卵、幼虫、さなぎは、警戒行動、成虫は、求愛行動と考えられています。
津木小学校の児童や地域の人たちと校区の滝原地区を中心に幼虫を放流しています。
放流の準備には地元滝原区の皆様にご協力いただいています。
地域みんなでホタルを守り育てるこうした活動は、生徒たちに“ふるさと津木”を体感させる絶好の機会となっています。
ホタルとともにふるさとを愛する気持ちも守っていきたいものです。
ほたるの幼虫の飼育に欠かせないのがエサとなるカワニナ(巻き貝)です。
校内の施設でジャガイモ等の野菜を与え、カワニナを育てています。
広川からもカワニナを採集して繁殖させていますが、違う種類の貝も含まれることから生徒や職員で一つひとつていねいに選別します。