十六日之夕膳
本膳
- (1)しほひき
- (16日御あさめし膳参照)
- (2)かりの豆
- ガンの肉と青豆を煮る料理もあり、不明。早生ダイズをゆでて用いた。
- (3)焼き物
- 魚肉・鳥肉をあぶり焼きしたもの。
- (4)あへまぜ
- するめ、干しあわび等の魚介類を削り、湯にかけて戻し、もみ洗いし、煎り酒と酢で和える。儀式料理のメニューである。
- (5)御飯(湯漬け)
- 御飯に湯をかけて食べ、菜(おかず)は香の物より食べる。
- (6)香の物
- (15日おちつき膳参照)
- (7)ふくめたい
- ふくめ=現在の田麩の前身ともいえる。中世成立といわれる。
- (8)蒲鉾
- 魚のすり身を串につけて焼いた物。現在のちくわの形をしている。
二膳
- (9)からすみ
- ボラやサワラの卵巣を塩漬けにして乾燥させたもの。土佐の特産物であった。
- (10)たこ
- (15日おちつき膳参照)
- (11)さざえ三つ
- ゆでて、3ヶ皿に盛る。
- (12)あつめ汁
- イリコ、串あわび、麩、シイタケ、大マメ、アマノリなどを入れた具の多い汁。
- (13)小串
- 魚や鳥の肉をさして焼く。
- (14)あえくらげ
- クラゲを大きめに切ってそのまま盛る。上に華鰹を置き、酢をかける。
三膳
- (15)山椒鱧
- ハモは骨切りをし、6cmの長さに切り、ゆでる。上にサンショウ味噌をぬる。
- (16)たけのこ・白鳥
- ハクチョウはカモ科の水鳥で、肉は塩漬けにして保存したものを使う。旬のタケノコと盛り合わせる。
- (17)えびの舟盛
- 「手のもの」といわれる高級料理フナのなますを高く盛り、その上に小エビを盛る。
- (18)のしもみ
- アワビの肉を薄くはぎ乾燥させ、これを小さく切り塩でもみ柔らかくする。
- 鯉汁
- コイの味噌汁。
与膳
- (19)数の子
- ニシンの卵巣。
- (20)百菊焼き
- 鳥の砂肝をたれ味噌に漬け、焼いたもの。
- (21)青鷺汁
- 夏から初秋にかけて味が良く、主にすまし汁、味噌汁に用いられた。
- (22)瓜もみ
- 瓜を薄切りにして塩もみし、二杯酢に煎り酒を加えて和える。
五膳
- (23)鴫のはもり
- シギの焼き鳥。両羽、両足を飛ぶ形にして置く。
- (24)鯨汁・うど
- クジラはコイよりも上の魚とし、珍重された。クジラの尾の部分を使用した味噌汁。肉は塩漬け保存されていた。
- (25)ばい貝
- 海産の巻き貝。ツブとも言う。
御菓子
- (26)羊羹
- 室町後期には菓子の甘味料として砂糖が使われはじめている。アズキ・くず粉・もち米・砂糖を材料にして練り合わせたよせ物。
- (27)うち栗
- かち栗ともいう。栗の皮をとり、天日で乾燥させ保存した栗。
- (28)栗やくるみ
- 栗やクルミなどの「木の実」も菓子として食べられていた。
- (29)揚げ物
- 奈良・平安時代に中国より伝えられた唐菓子のうち「ぶと」を盛る。
- (30)花に昆布
- (15日おちつき膳参照)
- (31)おこし米
- 餅米をいり、水飴でこね、かためたもの。
- (32)のし
- 古くから祝事の贈物にはアワビの干物を添えて飾り物とし、これをのしあわびといった。
御てんちん(御点心)
朝夕の食事の間に、うどん、餅、菓子類などを食べることをいい「中食・胸やすめ」ともいう。
- (33)むしむぎ
- 麺類をゆで、蒸して温かくしたもの。
- (34)しょうが
- 点心に添える粉。
- (35)あんにん
- 点心に添える粉。
- (36)さんしょう
- 点心に添える粉。
- (37)かたのり
- 淡水産のノリで、あぶり肴に又さしみのつまに用いられる。香りのよさが珍重された。
- (38)こたうふ
- 煮て用いる。
- (39)しいたけ
- 煮て用いる。
おそんさかな(お添え肴)
羊羹などの酒の肴にならないものの時には別に肴を添えて出す。羊羹を食べ、添え肴を食べて酒を飲んだ。
- (40)橘焼き
- クチナシで黄色に染めた魚のすり身をたれ味噌の中で煮たもの。
- 角盛り
- (15日晩御膳参照)
- たいのあつ物
- (15日晩御膳参照)
- つぼもり
- 折十かう・盃の台外いろいろ
※館内での展示は、五月十五日の「おちつき膳」「晩御膳」のみになります。
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