滋賀夕刊新聞 (平成23年11月10日) |
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定年退職後の生きがいは何?(見聞録) |
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![]() 声を市政に生かそうと、藤井勇治市長がスタートさせた取り組みで、市内各地で様々な団体と意見交換している。28回目となるこ の日の相手は、定年退職した男性で組織するボランティア団体「一休会」と「だんき会」だった。 この2団体が組織された経緯を簡単に紹介すると―。 定年退職を迎えると▽仕事がなくなる▽職場の人間関係がなくなる▽規則正しい生活リズムがなくなる▽時間を持て余す―と、こ れまでの仕事優先の生活から一変する。 家にこもってゴロゴロしていれば心身ともに不健康になり、ゆくゆくは病院のお世話 に。第2の人生を、健康で生きがいを持って過ごすにはどうすれば良いのか?その答えが、仲間を作り、地域活動やボランティア に参加することだった。 そこで、長浜市が団塊世代の男性に呼びかけて「仲間づくり講座」を開催し、この2団体が誕生した。 まちづくり役場で行わ れる「まち役寄席」の企画・運営、図書館での葉刈り、学童保育支援、福祉施設でのひょうたん栽培などと活動は幅広い。この日 の座ぶとん会議では両団体のこれまでの活動、会員それぞれの地域活動への思いが話題となった。 その中で気になったのが、一休会、だんき会を生んだ長浜市の「仲間づくり講座」がたった2年で終了したということ。担当し ていた市職員が人事異動で他の部署に移ったことで、講座が引き継がれなかったためらしい。会員からは「我々は仲間が欲しい。 しかし、男は家にこもりがち。誘い出す手段が欲しい」「毎年、定年退職する方がいる。呼び水の取り組みをお願いしたい」と、 市に仲間づくり講座の復活を求めた。 藤井市長は「地域のために皆さんが持つエネルギーを行政がどう生かすのか。宿題にしたい」とした。日本人の平均寿命は90歳 に迫っている。仮に60歳で定年退職すれば、人生の3分の1が残っている。家でゴロゴロし、趣味に打ち込むだけでは、人生の浪 費でしかない。 これまで生活を支えてもらった地域社会への恩返しと、心身の健康維持のためにも、仲間をつくり、地域活動やボランティアに 参加したいものだ。そのきっかけ作りをどこが担うのか。将来的には市民グループが自主自立して取り組むべきだろうが、当面は 市や社会福祉協議会など公的機関のサポートが欠かせないのではないか。 |
2011年11月10日 17:59 |