「家は買うものではなく建てるもの」
買った家とは違った家への愛着が生まれる、いつまでも暮らしたいと思う家づくりの姿があります。
1. 【設計】
住宅の設計は依頼者の要望を聞き、予算に沿って実現可能な内容を取りまとめることです。
建築そのものに魅力があることが一番ですが、家を建てる敷地の条件や環境、構造強度を考えた工法の選択、 経年変化を考慮した景観上の配慮、将来的な内部間仕切りの自由度、工事資金を用意する施主様の現在の要望を実現しただけでは収まらない、 さまざまな要素を同時に解決することが設計には求められます。成功すると生涯すばらしいものになります。

2. 【契約】
プランや設備機器など明細が決まり、価格にも納得できたら正式に工事請負契約を結びます。

3. 【着工】
いよいよ工事の始まりです。工事の安全と建物の加護を祈る地鎮祭をします。 場合によっては、基礎工事着工まで地鎮祭をしないときもあります。

4. 【木拾い [材料出し] 】
自社で製材した国産材を中心に構造材を出していきます。
図面に基づき材料の使われる場所、また、きざむ上で仕口や継ぎ手による長さや木の変化も考慮します。 国産アカマツはよく乾燥させているのでひねりや曲がりが出ています。このとき製材しなおしてから大工さんの元へ出て行きます。

5. 【墨付け加工 [きざみ加工] 】
柱や梁に使用する木材の程度、元口、裏表を確認し、大事な場所にいい木材が使えるように選別します。 図面を基に起こした板図と尺杖、短計棒と言う不思議なものを作り、これらを使い材一本一本に墨付け[材に穴を掘ったり、 切ったりする指示を書くこと]を行います。この墨付けをした人を「棟梁」と呼びます。 仕口や継ぎ手は、使用場所や必要強度によりさまざまな加工法が伝えられてきました。この技術は大工の秘術でしたが、 現在は強度の科学的な検討や比較も行われています。 木のくせを読みながら適材適所に木を配り、材料にあわせてしっかり組み上げる仕事は、手加工が一番適しています。 このときから大工さんにより仕事の個性や内容に違いがあり、その技術力に感心させられます。

6. 【基礎工事】
きざみ加工とほぼ同期に進められます。 建物の位置と基準の高さ、水平面を作ります。このとき施主様は敷地の中に作られる家の大きさや各部屋の位置、 庭や隣地との関係を確認します。地盤面を掘って栗利を敷き鉄筋を並べ、コンクリートを打設します。