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調味料

我々の食生活に欠かせない、日本古来からの調味料として、代表的な味噌について勉強してみましょう。

味 噌  酢  醤 油

INDEX
みそのルーツ
みその原料
みその種類
みその製造工程
赤みそと白みその作り方
微生物
みその効用

◆みそのルーツ

奈良時代の文献によると、中国から朝鮮半島を経て日本に伝来してきたもので 「ひしお」と呼ばれ、貴族だけが口にできる贅沢な食べ物でした。
当時は製法も食べ方も今とは異なっていましたが、戦国時代に広く普及し 戦国武将達は その保存法と栄養価に着目し、武士に携行させました。 これを機会に庶民にも普及していったと言われています。

◆みその原料

主原料の大豆を蒸したものに、米や麦をベースにした麹と塩を加えて熟成させたものです。 麹の原料に、米みそ、麦みそ、豆みそに分類されます。

◆みその種類

@米みそ-(1)甘みそ
米麹を多く用い、食塩が少なく、麹の糖分により大変甘いみそです。

@米みそ-(2)甘口みそ
甘みそ程甘くはなく、糖分が多く、塩味の少しきいたみそです。

@米みそ-(3)辛口みそ
塩味をきかせた、一般的なみそです。

A麦みそ-(1)甘口みそ
米麹に変えて麦麹を多く使ったみそです。

A麦みそ-(2)辛口みそ
甘口みそより塩味をきかせたみそです。

B豆みそ
豆麹と塩だけで米や麦は使っていないみそです。

Cその他
・麹に使った米粒が見える麹みそ。
・お総菜として食べる金山時みそ、ひしほみそ、鯛みそ、柚子みそ、鉄火みそ等が有ます。
・2種類以上のみそを調合したり、米麹に麦麹や豆麹等をまぜ合わせて造る調合みそも有ます。


◆麹歩合

大豆に対する米、麦の比率

◆甘口・辛口

塩分が同じなら、次に麹歩合の大きいみその方が甘口になります。

◆熟成期間

甘みそは短く、辛みそは長期間必要。

★以上のことをまとめると下の表のようになります。★

みその分類
原 料麹歩合(%)塩分(%)熟成期間Kカロリー(100g)
米みそ
(大豆、米、塩)
甘みそ
15〜30
5〜7
5〜20日
217
12〜20
5〜7
5〜20日
214
甘口みそ
淡色
8〜15
7〜12
5〜20日
217
10〜15
11〜13
3〜6ケ月
196
辛口みそ
淡色
5〜10
11〜13
2〜6ケ月
192
5〜10
11〜13
3〜12ケ月
186
麦みそ
(大豆、麦、塩)
甘口みそ
15〜25
9〜11
1〜3ケ月
203
辛口みそ
8〜15
11〜13
3〜12ケ月
196
豆みそ(大豆、塩)
全 量
10〜12
5〜20ケ月
217

みその成分と産地
原 料蛋白質脂質炭水化物灰分水分産  地
米みそ甘みそ
9.7
3.0
37.9
6.8
42.6
近畿地区、中国地区、香川
10.8
3.1
35.6
7.5
43.0
東京
甘口みそ
淡色
10.9
5.4
31.2
8.5
44.0
静岡、九州
11.2
4.4
27.9
14.5
42.0
徳島
辛口みそ
淡色
12.5
6.0
21.9
14.2
45.4
関東甲信越、北陸
13.1
5.5
21.1
14.6
45.7
関東甲信越、東北、北海道
麦みそ 甘口みそ
10.0
4.1
31.4
12.5
42.0
九州、四国、中国
辛口みそ
11.8
4.7
26.5
13.0
44.0
九州、四国、中国、関東
豆みそ(大豆、塩)
17.2
10.5
14.5
12.9
44.9
愛知、三重、岐阜


◆製造工程

◇米(又は大麦・裸麦)の処理
精選(米を選別する)→洗浄→浸漬(米を水に漬ける)→蒸米(蒸気で蒸す)→冷却 →種付(蒸した米に麹菌を付ける)→製麹(麹を造る)→出麹→塩切り

◇大豆の処理
精選(大豆を選別する)→洗浄→浸漬(大豆を水に漬ける)→蒸煮(大豆を高圧蒸気で 短時間で蒸しあげる)→みそ玉→冷却→種付(種麹+香煎)→製麹→出麹→胞子除去→玉潰し

◇仕込み混合
麹と蒸気大豆に食塩、酵母、乳酸菌(又は種みそ)等が加えられて混合される→発酵・熟成(熟成タンク で3ケ月〜半年じっくり熟成される)→掘出し→調整→品質検査→包装→製品→出荷


◆赤みそと白みその作り方

◇赤みその作り方
大豆を蒸す(と大豆を褐変させる成分が蒸豆に残る為褐変する)→食塩+米麹(又は麦麹)を混合→ 長期間発酵させる(又は温度を高くする)→撹拌して空気にさらすと着色する→赤みそ

◇白みその作り方
大豆を煮る(と大豆を褐変させる成分が煮汁に移る為褐変しない)→食塩+米麹(又は麦麹)を混合→ 短期間で熟成させる(又は温度を低くする)→撹拌したり移し変えない→白みそ


◆微生物

◇麹菌
原料の大豆や米等を分解する酵素を作り出す、この酵素の働きによって、みその旨み、 甘味、成分等が作り出されます。みその製造に用いられる麹菌は「Aspergillus orvzae」 と呼ばれるものが主です。

◇酵母
酵母は、みその香りを創り出している。酵母によって生成されるエタノール等の アルコールやそのエステルは、みその香りの主要成分です。みそで働く酵母は 「Zvgosaccharomvces rouxii」と言う種類で、食塩濃度が22%でも生育できる 耐塩性を持っている。

◇乳酸菌
乳酸菌は、乳酸を生成します。乳酸は、みその「塩なれ効果(塩味をやわらげる)」 の働きをします。みそで働く乳酸菌は「Pediococcus halophilus」という種類で、 24%の塩分濃度でも生育できます。


◆みその効用

◇大豆=タンパク質、サポニン、レシチン、植物せんい
体内のコレステロールを低下させ、血管の弾力性を保つことによって、動脈硬化を 予防します。その結果、脳梗塞や心筋梗塞、血栓症を予防する事が出来ます。

◇麹、酵母、乳酸菌=ビタミンB2、ビタミンB12、酵素
体内の酸化還元を促進することによって、消化を助け、腸をきれいにし、造血作用や 神経疲労の防止につながり、胃潰瘍にもかかりにくい調査結果もでています。

◇大豆=ビタミンE、ダイゼイン、コリン、プロスタグランティンE
抗酸化作用で高血圧の防止、肩こりの解消、老化の防止に効果があります。

◇大豆=トリプシンインヒビター
糖尿病の防止の効果に加えて、1981年国立ガンセンターによる調査で、毎日みそ汁を 飲んでいると胃ガンや肝臓ガン等になる確率が低くなることが解りました。


 【調  味  料】  【海   藻   類】 
みそ 醤油 植物油 わかめ ひじき あらめ 昆布 のり
インスタント ラーメン 小麦粉 食物せんい 緑黄色野菜 トマト はちみつ コーヒー



 
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