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調味料

我々の食生活に欠かせない、日本古来からの調味料として、代表的な酢について勉強してみましょう。

味 噌  酢  醤 油


INDEX
酢の起源
米酢の製造工程
お酢の分類
お酢の身体に及ぼす効果
お料理上手のコツはお酢

◆酢の起源

お酢はお酒と並んで古く、紀元前5,000年頃にはバビロア人はお酢を造っていたとも言われていますが、 文字による記述では旧約聖書で、今から3,000年前(紀元前1,250年)頃には既にイスラエルに あったようです。
その後新約聖書やギリシャの哲学者ピポクラテス、歴史家ヘロドトスの書物に よって、除々に明らかになってきました。
日本では応神天皇(360〜404年)の頃、中国から渡来してきました。記述書としては奈良時代の万葉集で、平安時代には梅酒なども登場 して、広く使われるようになってきました。


◆米酢の製造工程

水 ◇酒精発酵
お米を蒸煮(ご飯を炊く)し米麹と水を加えると、麹菌の働きででんぷんが分解され、 甘酒のような「糖化もろみ」ができます。それに「酒母」(糖をアルコールに変える 微生物=酵母)を加えて「お酒」にします。

酒 ◇食酢発酵
出来たお酒と「種酢」(発酵が終わった状態のお酢で食酢菌が多く含まれている)を 混ぜて、加温し発酵槽に入れて「食酢菌膜」を植えます。種酢の中の食酢菌と菌膜の 働きで、約2週間でお酢ができます。

酢 ◇熟成・ろ過・殺菌
出来上がったお酢を1〜2ケ月熟成させ、その後ろ過し、瞬間殺菌し製品化されます。

★(お米以外に小麦やコーン等の穀物やぶどうやりんご等からも造られます)


◆お酢の分類

お酢の中に含まれる各種有機酸の酸味成分の割合を酸度といいます。

食 酢 の 分 類
分 類種 類品 名酸 度
醸造酢 穀物酢
穀物酢
4.2%以上
米 酢
果実酢 りんご酢4.5%以上
ぶどう酢
果実酢
醸造酢醸造酢4.0%以上
合成酢合 成 酢4.0%以上

◆お酢の身体に及ぼす効果

◇食欲増進
食欲のない時でも酸味のきいたお料理なら、食が進むことが良くあります。これはお酢の 酸味が唾液や胃の分泌を促し、食欲を増進させ、消化吸収を助けるからです。

☆空腹時の犬の胃に水、レモンジュース、お酢等を注入した実験で、下の表のように 「食酢は胃液の分泌を促す」ことを証明しています。

ピッケル博士の実験
注 入 液 体分泌胃液量
200cc2.5〜4.6cc
レモンジュース
3.3〜5.9cc
食酢
5.4〜8.0cc

◇殺菌・防腐力
お酢で食品が腐りにくいデーターを示す比較表です。

病原菌に対する調味料の殺菌効果
調味料チフス菌パラチフス
A 菌
パラチフス
B 菌
疫痢菌赤痢菌赤痢異型
1 菌
大腸菌
食 酢10分後
死 滅
10分後
死 滅
10分後
死 滅
30分後
死 滅
25分後
死 滅
30分後
死 滅
30分後
死 滅
醤 油いずれも5時間では生存、25時間後死滅
赤みそ5日間
生 存
5日間
生 存
4日間
生 存
5日間
生 存
3日間
生 存
4日間
生 存
4日間
生 存
ソース5時間以内
に 死滅
1時間以内
に 死滅
40分以内
に 死滅
2時間後
死 滅
5時間後
死 滅
5時間後
死 滅
5時間後
死 滅
食塩水5時間後
死 滅
4時間後
死 滅
5時間後
死 滅
5時間後
死 滅
2時間後
死 滅
5時間後
死 滅
2時間後
死 滅

[高野六郎博士及び柴山知輝博士共著「植物衛生」より抜粋]

◇減塩のお手伝い
味を構成する甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の5つの味を複雑に組み合わせて、いろいろなおいしさを生み出しています。
成人病や高血圧の危険因子とされる、塩分をひかえる代わりに、酸味(お酢)をプラスすることによって、お料理の 味気なさをカバーしてくれます。
お酢を上手に使うことによって、減塩のお手伝いと健康管理に大きく貢献することになります。


◆お料理上手のコツはお酢

◇殺菌・防腐力を利用する
・魚などを2〜3倍にうすめた酢で、酢洗いすることのよって臭みをけし、ぬめりやアク をとり長持ちさせます。
・おにぎりを握る時、水とお酢を1:1で混ぜた手水でにぎると、防腐に役立ちます。

◇かくし味に使う
・塩鮭や魚の塩焼きに、お酢をかけると、塩辛さがやわらぎます。
・バター焼き、ムニエル、フライ、中華料理にお酢をひとふりすることによって、 油っこさをやわらげます。
・古漬けや一夜漬けにも、お酢をひとふり、塩味がやわらぎます。

◇魚の臭みを消す
・さば、あじ、いわし等生臭みのある魚の煮物の仕上げに、お酢で臭みを消します。

◇美しい色に仕上げます
・筆しょうがを作るとき、さっと熱湯に通し甘酢に漬けると、きれいなうす紅色になります。
・カリフラワーは、お湯2Lにお湯大さじ3杯を加えてゆでると、白く仕上がります。
・ごぼうやレンコンは水カップ3に酢大さじ2の割合で煮ると黒くなりません。

◇やわらかく煮上げる
・昆布を煮るとき、水2Lにお酢大さじ3杯でやわらかく煮上がります。

◇苦み・えぐ味をとる
・とろろ芋を作るとき、皮をむき、水2Lにお酢大さじ3杯と塩少々を混ぜた中に、30分程 ひたして、水気をとってからおろすと、えぐ味がとれ色もなくなります。

◇ぬめりを取る
・あわび等貝類のぬめりは、水とお酢を1:1で混ぜた中で洗うととれます。
・里いもをゆがく時、お湯2Lにお酢大さじ2杯を混ぜた中で洗うと取れます。

◇ビタミンCを壊さない
・もみじおろしは、大根おろし3/4カップ(約100g)に、にんじんおろし1/2カップ(約50g) とお酢大さじ2杯(30ml)の割合でつくると、ビタミンCを壊さずに召し上がれます。


◆お酢による暮らしの知恵

◇タバコのヤニをとる
・灰皿についたタバコのヤニは、お酢をそのままスポンジにつけて拭くか、しばらくお酢に 漬けておくと、とれます。

◇畳の変色を防止する
・畳を洗剤で拭いた後に、バケツ1杯の水(約5L)にカップ1/4のお酢(50ml) を入れたもので拭きます。洗剤のアルカリが中和され畳の黄変を防ぐことが出来ます。

◇まな板(プラスチック)の洗浄、殺菌
・まな板を洗剤で洗って、水洗い後熱湯をかけます。乾いたふきんをかぶせて、お酢1/4カップ 食塩大さじ1/2 水3/4カップの酢水をたっぷりかけ、1時間以上置いた後水洗いします。

◇スポンジの洗浄、殺菌
・スポンジを洗剤で洗って水洗いします。お酢大さじ2 食塩大さじ1 お湯1カップ を45℃以上に温め、ボールの中へ水気を切ったスポンジを浸し、軽くもんでスポンジに 浸透させ、15分以上置いた後しぼって使用します。

◇魚料理に使った鍋のニオイとりに
・魚料理に使った鍋に、100倍にうすめた酢水を入れて10分位煮立てます。洗っても取れにくかった ニオイが取れます。

◇コーヒーカップのアクを取る
・お酢をそのままスポンジに漬けて、コーヒーカップの汚れをこすると、アクもきれいに とれます。

◇魔法ビンのフレークス防止に
・魔法ビンの中にお酢を2〜3滴たらすと、フレークス(水中に浮遊するキラキラとした薄片) は発生しません。又フレークスが発生した時は、熱湯にお湯を1割加えて洗うと取れます。

◇野菜のアク取りに
・ごぼうやレンコン等の野菜類のアクで黒ずんだ鍋に、2倍にうすめた酢水を入れ15分間位 煮立てると、きれいになります。
但し 焦げ付いて黒くなった鍋には効果はありません。


 【調  味  料】  【海   藻   類】 
みそ 醤油 植物油 わかめ ひじき あらめ 昆布 のり
インスタント ラーメン 小麦粉 食物せんい 緑黄色野菜 トマト はちみつ コーヒー



 
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