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緑黄色野菜
はじめに

野菜を食べよう! 野菜は健康管理に不可欠なものだ!
最近 洋風化されつつある食生活で、野菜の必要性がが叫ばれています。 その体に良いと云われる野菜、特に緑黄色野菜について勉強してみましょう。
トマトについては[トマト]をクリックして下さい。


INDEX
緑黄色野菜ってどんなもの?
緑黄色野菜はガン予防の陰の功労者
緑黄色野菜の特徴
食物繊維
ビタミン
ミネラル
緑黄色野菜の色素

◆緑黄色野菜ってどんなもの?

厚生省の定義では「新鮮な野菜100g中にベータカロチンを600マイクログラム(μg) 以上含んでいるもの」とされています。但し ベータカロチンの含有量が600μg以下であっても、 多く食べられているトマトやピーマン等は緑黄色野菜に含められています。 代表的なものとして、にんじん、ほうれん草、パセリ、しゅんぎく、こまつな、にら、 かぼちゃ、ブロッコリー、さやえんどう、しその葉、アスパラガス、ピーマン、トマトなど 実にカラフルな色の野菜ばかりです。ところが、ベータカロチンの量が600μg(マイクログラム) 以下の野菜として、なす、きゅうり、オクラ、レタス等は「淡色野菜」と呼ばれています。


◆緑黄色野菜はガン予防の陰の功労者

ガンリスクのグラフ 戦後の食糧不足の時代には、結核や脳卒中などの脳血管疾患が死亡率のトップでしたが、 その後医薬品、医療技術の進歩で激減し、それに代わって躍り出たのが、ガンと心疾患。 その原因として、食生活の欧米化による肉食の多用と野菜摂取不足や運動不足、喫煙、飲酒などが 挙げられる。その結果喫煙や飲酒によって、体内のカロチノイドはどんどん減っていきますが、 右のグラフのように、緑黄色野菜を摂ることによって、ベータカカロチンやリコピンを 補給し、ガンになるリスクを抑える効果があることが解ってきました。
アメリカ国立ガン研究所(NCI)の報告書には、ガンを発症させる要因に、脂肪分の多い食生活や 高カロリー食、塩分の摂りすぎ、調理の際に加熱することによって出来る、発ガン物質の影響も 発表されていますが、一方発ガンの予防に効果があるとみられる成分として、セルロースやヘミセルロース、 ペクチン、マンナン、アルギン酸、ベータカロチン等の効果も発表されています。
緑黄色野菜にはこのベータカロチンが多く含まれていて、ガン患者の血清中のベータカロチンの量は、 健康体の人に比べて、極端に少ない研究結果も発表されています。緑黄色野菜が注目され始めたのは、 こうした陰の功労者として、
認められたからです。


◆緑黄色野菜の特色

緑黄色野菜には食物繊維、ビタミン、ミネラル、色素など多方面の機能にその役割を果たしています。 その効能を一つ一つ分析しながら勉強してみましょう。

★たくさん含んでいる代表

主にたくさん含んでいるもの
ビタミンB1カルシュウムビタミンCベータカロチン
ほうれん草かぶの葉赤ピーマンしその葉
パセリこまつなブロッコリーモロヘイヤ
芽キャベツほうれん草パセリにんじん

★健康管理上効果のあるもの

【ストレス】
こまつな、ピーマン、ブロッコリー、きゃべつ、ねぎ
【二日酔い】
トマト、かぶ
【美容・肌荒れ】
にんじん、ほうれん草、アスパラガス
【夏バテ・食あたり】
きゅうり


◆食物繊維

食物繊維とダイエタリーファイバーの定義については、学問的過ぎるので、一応ここでは 同じものとして考えることにして、食物繊維については、この”Mitsuo'sHomePage”の 「食物せんい」のページにMoving imageを採り入れて、詳しく説明していますので、参考にして下さい。 一応ここでは簡単にまとめて、説明しておきます。
  1. 食物繊維が多く含まれる野菜として、にんじん、オクラ、ごぼう、切り干し大根、 ブロッコリーなどがある。
  2. こんにゃくに含まれるマンナン、果物に含まれるペクチン、海藻に含まれるアルギン酸も 食物繊維の一種です。
  3. 効能としては、コレステロールの吸収を抑制し、その血中濃度を下げる作用がある。
  4. 糖分の吸収を遅らせ、血糖の急激な上昇を抑え、インシュリンを節約する作用がある。
  5. 体の中の異物や腸内細菌(大腸ガンの菌など)を吸収し改善する作用がある。
  6. 腸内を刺激して、その運動や消化液の分泌を高める作用がある。
  7. 腸内の内容物の量を増加させ、その腸内滞留時間を速くする作用がある。
  8. 食物繊維が不足すると、便秘になりやすく、大腸ガンのリスクが増えることになる。
  9. 食物繊維には水溶性と不溶性があり
    @水溶性は、血糖値や血中コレステロール濃度の上昇を抑えたり、低下させる作用がある。
    A不溶性は、便秘の改善に効果がある。
  10. 注意事故として有害物資を吸着し、排出させると同様のメカニズムで、カルシュウムまで 吸着、排出してしまうので、カルシュウムは多めに摂るよう心がけることが必要です。

◆ビタミン

野菜に含まれる栄養素で良く知られているのがビタミンです。そのビタミンには、 脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンがあります。
@脂溶性ビタミンには、ビタミンA,D,E,K等
A水溶性ビタミンには、ビタミンB1、B2,B12,ナイアシン,パテント酸,葉酸,ビオチンのB群と ビタミンC,U等。
ビタミンA
ビタミンAは肝臓に蓄えられ、レバーなどに多く含まれていますが、緑黄色野菜もビタミンAをベータカロチン という形で含んでいます。暗い所で目が見えにくくなる鳥目など視覚作用に特に効能があります。
ビタミンD
骨や歯の成長に作用するビタミンで、不足するとくる病や骨軟化症になるおそれがあります。 カルシュウムの吸収率を上げるDは、太陽光線(のドルノ線)を受けて体内で作られるので、 戸外で陽光を浴びることも必要です。
ビタミンE
ちょっと難しい表現になりますが、細胞膜のリン脂質が体の柔軟性を保つために必要な不飽和脂肪酸の抗酸化作用 を担っている。つまり身体の組織の中で、酸素によって酸化されやすい物質を、ビタミンEは細胞膜の中にいて、 この酸化を防いでいる働きをしている訳です。細胞の柔軟性は肌や体の若さに必要なため、美容に効果があるとされています。
ビタミンC
ビタミンEと同じ抗酸化に作用しますが、違いは脂溶性のEが体の中の脂質部分で働くのに対して、 水溶性のCは体の中の水分中で働いている。Cは風邪などの予防に働き、抵抗力を強めるビタミンと 云われている。不足すると貧血を起こす原因になります。
ビタミンB1
糖分をエネルギーに変える時に必要なビタミンです。即ち生きる為の全ての運動に関係するので、 不足すると体がだるくなり、イライラしたり、頭痛をおこしたり、エネルギー不足になります。
ビタミンB2
体のさまざまな所で全ての栄養素の代謝に関係していて、不足すると発育や成長が止まります。 また皮膚に炎症がおこり肌荒れがおこります。
ビタミンK
怪我などの出血の際に、血液を固める成分が肝臓で作られる時に必要になります。
過酸化脂質
以上のようにビタミンは、体のあらゆることに関係していますが、もう一つ知っておきたいことは、 過酸化脂質とビタミンとの関係です。体内の過酸化脂質が大気汚染や職場環境のストレスから 出来やすいので、この過酸化脂質が出来るのを防ぐ作用するのが、上記で説明したビタミンEとCで、 ベータカロチンにもその作用があります。この体の錆(さび)ともいえる過酸化脂質は、 ガンや動脈硬化といった成人病を引き起こす原因になるとも云われています。
それだけに、ガンの大敵の過酸化脂質に立ち向かうビタミンとベータカロチンの存在と効能を無視する 訳にいかないのです。


◆ミネラル

ミネラルは、ビタミンによく似た役割を果たしている栄養素で、ビタミンとともに酵素を 作用させたり、タンパク質を作ったり、骨の形成などに大きな役目を担っています。

★カルシュウム
ミネラルの代表的なもので、私達の骨の材料です。カウシュウムは99%が骨や歯の成分として、 貯蔵カルシュウムと呼ばれ、残り1%が機能カルシュウムとして、体全体の組織の中で働いています。
機能カルシュウムが体の機能のために不足してくると、骨の中の貯蔵カルシュウムが不足分だけ引き出されてきます。 その為最近カルシュウム不足から起こると云われている「骨粗鬆症」(こつそしょうしょう)という 骨にすき間が出来、骨が弱くなる症例が話題になっているのです。特にカルシュウムはビタミンDと密接な 関係があるのですが、ビタミンDは太陽光線とも関係し、機能としては、血液の凝固、心臓や筋肉の収縮に 関係したり、神経の興奮を抑える働きもあります。食品としては、小魚、乳製品、野菜ではこまつな、 パセリ、ねぎ、しゅんぎくに多く含まれています。
★鉄分
鉄分は、血液と深い関係をもっていて、血液の構成成分であるヘモグロビンは、酵素を身体の隅々まで運びます。 ミオグロビンは、筋肉の中に酸素を貯える働きをし、運動する時に酸素を放出します。 チトクロームは、普通の細胞の中に酸素を貯えて、必要に応じて放出し栄養素の燃焼に役立っています。 鉄分の不足が貧血を招くのは、このように血液中で鉄が酸素と重要な役割を担っているからです。 動物性タンパク質と同時に摂ったり、ビタミンCを多く含んだジュースを同時に飲むなどして吸収して下さい。
★マグネシュウム
マグネシュウムは、体の中の細胞間の濃度の調節に重要な役割を果たしています。その他 タンパク質の合成を調節する作用や、虚血性心疾患などの循環器疾患を予防する作用や、 体温や血圧の調節、神経の興奮、筋肉の収縮など体の生理的作用に、重要な役割を果たしているミネラルです。
★その他のミネラル
リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリュウムなどが主なミネラルです。ミネラルは 体の中の調整役として機能しています。例えば、細胞の水分代謝にも大きな役割を 果たしていて、細胞の中に溶けているミネラルが十分な働きをしてくれないと、 人間は水腫れになったり、逆に干からびてしまったりします。そのようにミネラルの機能も ビタミンと同様、決して見逃してはならないものです。


◆緑黄色野菜の色素

野菜のもつ緑や黄色、赤といった色が、健康に欠くことの出来ない役割を果たしていることを ご存じですか?野菜にはちゃんとした役目があるのです。

★クロロフィル
コロロフィルは葉緑素で光合成に関わっています。緑色の色素で、野菜の色素の中では 最も馴染みの深いものです。このクロロフィルは、口臭や汗などの臭いを消す脱臭作用の他 造血機能や傷の治りを早める作用、抗アレルギー作用、抗潰瘍作用等があります。
★カロチノイド
カロチノイドは黄色や赤の色素です。この色素はにんじんのベータカロチンやアルファカロチン、 トマトのリコピンが有名です。ビタミンAは野菜の中でベータカロチンとして存在します。 というのはベータカロチンはちょうどビタミンAが二つ繋がったような物質なのです。 そのベータカロチンは、腸の中でレチノールの形になり、やがて肝臓でビタミンAになります。 ビタミンAは発育や視角に影響を及ぼし、ベータカロチンは発ガン防止作用の他、ビタミンAの 摂取源としても重要な色素といっていいのです。
★フラボノイド
フラボノイドはたまねぎや柿に含まれている褐色の色素で、この色素もガン予防や心臓病の予防に効果が あると云われています。
★アントシアニン
アントシアニンは紫色の色素で、赤キャベツやしそ、ブルーベリーに含まれていて、目の病気や 血管障害系の病気に効果があるのではないかと、考えられています。

野菜の色素と効用
-野 菜色 素効 用効果的な摂取方法調理例
赤色トマト、赤ピーマン
金時にんじん
カロチノイド系
・リコピン
・カプサンチン
がん予防
動脈硬化予防
健胃、視覚
熱に強いので
炒めてもOK
脂肪分との同時摂取
により吸収が向上
ミネストローネ,ラタトウイユ
魚介トマトシチュー
黄色にんじん
かぼちゃ
カロチノイド系
・アルファカロチン
・ベータカロチン
がん予防
心臓病予防
免疫増強
グラタン
パウンドケーキ
かぼちゃのソボロ
あんかけホウトウ
天ぷらす揚げ
緑色ほうれん草
緑ピーマン
ポルフィリン系
・クロロフィル
がん予防
抗アレルギー
脱臭、増血機能
熱と酸の組合せに
弱いので注意
おひたし,サラダ
あえもの,マリネ
褐色たまねぎ
にんにく
フラボノイド系
・ケルセチン
がん予防
心臓病予防
オニオングラタンスープ
ガーリックトースト
ポタージュ
(赤)紫色赤キャベツ
しそ
アントシアニン系
・ルブロブラシン
がん予防
血管の保護
熱に強く水溶性
なのでスープ
などがよい
梅干し,サラダ
ミソ炒め,コールスロー
しそジュース


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INDEX
トマトの発祥は?
日本への渡来は?
加工用トマトは栄養が高い
トマトは低カロリーで好バランス
トマトのリコピン
トマトの料理効果
野菜の好き嫌いアンケート
トマトは野菜か?果物か?

◆トマトの発祥は?

トマトは「ナス科」の植物で、同じナス科にはなす、ピーマン、ジャガイモ、タバコも仲間です。
最初にトマトが栽培されたのは、紀元前1,000年ごろと推測され、発祥地はメキシコ説が有力です。 メキシコでアステカ文明が栄えた頃、アステカ人がほおずきを育成、栽培 していた史実が知られていることから、ほおずきによく似たトマトを栽培していたことが 想像される。彼らは栽培したトマトの語尾に、トマトル(TOMATL=膨らむ果実)という言葉をつけ、 この名が今日のトマト(TOMATO)の語源になっている。トマトは、メキシコを中心に、ペルー、ボリビア、 エクアドルなどの中南米の高冷地で栽培が進み、15世紀後半のコロンブスの発見によって、西欧にもたらされたと云われています。 熱帯地方では多年生だが、日本のような温帯では一年生。色は赤、黄、桃、緑などの変異がある。


◆日本への渡来は?

日本への渡来は、17世紀の末頃オランダ人が、東南アジアから種子か苗を持ち込んだのではないかとされています。 18世紀の始め頃「養生訓」の著書の貝原益軒が「大和本草」の中でトマトを「唐ガキ」と紹介したのが、始めての 記述史料と云われている。ただトマトを雑草類の中で書いており、まだ食用果菜としては見られていなかった。
西洋野菜としてトマトが伝わったのは、幕末の1859年に飯沼慾斎の「草木図鑑」によって、野菜に近い観賞用としての 記述がある。
食用になったのは、明治12年の「西洋野菜の育て草」という書物の中に、味、栽培方法が図解入りで 記述されていることから、明治以後と推察されています。
トマトの栽培第一号は、明治の初め頃札幌農学校のクラーク博士から栽培を頼まれた秋庭三治郎という農民だった。 当時トマトの独特の臭みのため、日本人の口にあわず外国人や一部のハイカラ好みの人々だけのものだった。 トマト缶詰加工実験は、明治9年アメリカから帰国した、内務省官僚の大藤松五郎が始めて。しかし缶詰は一ヶ月で 腐ってしまい、実験は失敗に終わってしまった。
この厚い壁に立ち向かったのが「カゴメ」創業者の蟹江一太郎。農民だった蟹江一太郎は、あらゆる西洋野菜の栽培に取り組み、 名古屋市内のホテルや料理店を歩き回り、試食、販売を試みたが、いつも売れ残るのはトマトだった。 そうしたさまざまな苦労の試行錯誤の結果、明治36年日本初の国産トマトソースの製造に成功したのです。 そして明治41年にはトマトケチャップ、昭和10年にはトマトジュースの開発、販売へと進展してきました。 そして今日ではトマトは世界で7000万トン、日本では74万トンの生産に至っています。


◆加工用トマトは栄養価が高い

トマトはサラダなど野菜として食べる「生食用トマト」とトマトジュース、ケチャップ、ソース等の原料となる 「加工用トマト」に分けられる。
加工用トマトには、農水省の規定で、”樹の上で完熟したもので、標準赤色板より 赤いこと、リコピンの含有量が100g当たり7mg以上であること”等が規定されています。
生食用トマトの代表の「桃太郎」と、加工用トマトの一つ「カゴメ77」という品種との栄養濃度を比べた 調査結果では、加工用トマトの方がリコピン、ベータカロチン、ビタミンC、ペクチン、食物繊維などの 機能性成分を多く含んでいて、特にリコピンは3〜4倍も多く含んでいることが解っています。 また ベータカロチンやビタミンCも塾度が増すにつれて含量が増えるので、近年出来るだけ畑で赤く 塾させた「完熟トマト」が出回ってきています。しかしいくら新鮮なトマトでも、冷蔵庫で 保存しておくと、次第にビタミンが失われていきます。しかしジュースなどの加工品なら 密閉状態なので、加工段階の熱処理でわずかに失われた分を差し引いても、ビタミンの減少を 防げるという利点もあるのです。


◆トマトは低カロリーで好バランス

トマトは下の表のようにビタミン、ミネラル、食物繊維、がバランス良く含まれている上、16Kcalと他の食品に比べて カロリーも低くダイエット食品としても適しています。

生食用トマトの栄養成分
エネルギー16kcalカルシュウム0.9mgカロチン390μg
たんぱく質0.7gリ  ン18mgビタミンB10.05mg
脂  質0.1g鉄  分0.3mgビタミンB20.03mg
糖  質3.3gナトリュウム2.0mgナイアシン0.5mg
食物繊維0.4gカリュウム230mgビタミンC20mg

◆トマトのリコピン

リコピンは、自然界で約600種類以上あると云われるカロチノイドという緑色植物や微生物などが 作る黄色や、赤色で水に溶けないポリエンという構造をもつ赤色色素の一つです。 リコピンが含まれる量が多いほど赤くなり、トマトが赤いのは、このリコピンがたくさん 含まれているからです。トマト以外では金時系にんじん、スイカ、赤いグレープフルーツの 果肉などにもある。リコピンは、同じカロチン類のベータカロチンより一部の臓器を除き、 ガンや動脈硬化などの成人病を予防する効果が優れていることが解ってきました。 トマトの赤は、ただの色素ではなく、体に有効なリコピンの効果が、これまでの疫学調査で いくつもの報告がなされています。下記にその疫学調査の推移を挙げてみました。

リコピン(トマト)のガン予防効果についての疫学調査
年 度主な研究者(地域)内      容
1989年モーリス(米)血中リコピン濃度の低レベルとすい臓ガン、膀胱ガンの発生に相関性のあることを報告
1990年キャンプベル(米)肺ガン患者は健常人に比べ血中リコピン濃度が有意に低いことを報告
1991年カサルグランディ(伊)肝硬変患者は血中リコピン濃度が低いことを報告
1991年ボーエン(米)血中リコピン濃度の低レベルと子宮頸ガンの発生に相関性のあることを報告
1994年ネグリ(伊)トマトの摂取量と消化器系ガンの発生率が逆相関することを報告8リコピンの関与を示唆)
1995年ウィレット(米)トマト及びリコピンの摂取量と前立腺ガンの発生率が逆相関することを報告
1997年秋田大・京都府立医大・カゴメ(日)ラットにリコピン投与で大腸ガンの発生率が低下する研究結果を報告

◆トマトの料理効果

★補足の効果
手軽なトマト加工品を料理と組み合わせることによって、より健康的な栄養のバランスに なります。下のレーダーチャートの図を参考にしていただくと、良く解りますが、 例えば、カツ丼だけで終わると、脂肪、タンパク質、糖質は所要量を満たしているが、 ビタミンやミネラルは著しく不足しています。しかしカツ丼と一緒に、トマトジュースを 一本飲むことによって、ビタミンやミネラルが充足されます。
またチャーハンも同じことで、トマトジュースが3倍に濃縮されたトマトケチャップを 50g添えてオムライスを食べることによって、栄養の偏りが補足されます。
つまり新鮮な野菜や果物を、充分摂ることが出来ない外食も、ちょっとした工夫でバランスの良い 食事に変えることが出来ます。


★酸味効果
トマトの強い酸味は、食酢と違い長時間煮ても蒸発しないので、酸味が変わることはない。 例えば、肉料理に加えると、塩をたくさん入れなくても肉のうまみを引き出し、脂肪分も 抑えておいしく仕上がります。塩分のとりすぎを防ぐだけでなく、トマトの酸味は肉の 脂っこさもなくします。
★消臭効果
魚の生臭さをなくすのにもトマトは有効です。トマトには、魚の臭いを消して、身を引き締める 働きがある。またトマトのもっているカルボルニ化合物や各種のエステル類が、肉を煮ると出る 特有な硫黄化合物の臭いを消してくれます。
★風味効果
トマトはレモンやバニラなどと同じ系統の香りを含んでいるため、ケチャップやピューレ などのトマト加工品には、肉や魚の臭みを消し、料理の風味をよくする香りの成分が含まれています。 赤い色は、自律神経を刺激し、血圧を下げ、胃液の分泌を良くし、視覚的にも食欲をそそる 効果もあります。


◆野菜の好き嫌いアンケート

野菜名最も好きな野菜好きな野菜(複数回答)
トマト16.2%48.6%
じゃがいも11.5%39.2%
さつまいも11.5%36.9%
かぼちゃ9.5%36.9%


野菜名最も嫌いな野菜嫌いな野菜(複数回答)嫌いだが必要な野菜
カリフラワー13.1%30.6%11.0%
にんじん7.0%15.5%17.6%
ピーマン6.1%19.1%17.0%
かぶ4.5%21.6%7.0%
さやえんどう3.2%18.2%7.0%


子供の好きな野菜子供の嫌いな野菜
1.とうもろこし1.セロリ
2.じゃがいも 2.パセリ
3.さつまいも 3.ふき
4.えだまめ 4.ピーマン
5.きゅうり 5.かいわれ
6.もやし 6.しゅんぎく
7.かぼちゃ 7.グリーンアスパラ
8.プチトマト 8.グリンピース
9.トマト 9.なす
10.さといも 10.しいたけ


◆トマトは野菜か?果物か?(付録の世間話)

アンケート調査では矢張り「野菜派」が8割、「果物派」が1割、「その他+判らない派」が1割と 分かれている。
野菜派は、その理由として「八百屋さんで売っている」「野菜ジュースに入っている」などを挙げ、 果物派は、「赤くてかわいいから」「生でそのまま食べられるから」などと答えたという。
アメリカで「トマト論争」が裁判ざたになったことがある。1793年。当時、アメリカは輸入の際、 果物には関税がかからず、野菜には関税が課せられていた。このため、トマトの輸入業者は、 税金がかからないようにと「果物」と主張。これに対して農務省の役人は「野菜」だと言い張った。 両者は一歩も譲らず、論争はエスカレート。とうとう最高裁判所の判決を仰ぐことになってしまった。 判決は「野菜」。裁判長はずいぶん悩んだと思われ、判決文には「トマトはキュウリやカボチャと 同じように野菜畑で育てられている野菜である。食事中に出されるが、デザートにはならない」 と書いてあった。・・・というほんとうの話。
ちなみに、日本では、リンゴやミカンのように木になるのが果物。トマトやウリ類は 「果菜類」と呼び、一般的に「野菜」として扱っている。いちごやスイカはさてどちら?

参考文献:石黒幸雄・ 稲熊隆博・坂本秀樹著「続・野菜の色には理由がある」(1999年 毎日新聞社 発行)


 【調  味  料】  【海   藻   類】 
みそ 醤油 植物油 わかめ ひじき あらめ 昆布 のり
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