海藻

はじめに

健康志向、食物繊維、ノンカロリー、アルカリ食品・ダイエット食品・・と言えば、即「海藻類」と答えざるを得ません。 その代表的な五種類を、特集してみました。関心のある海藻から勉強してみて下さい。

こんぶ わかめ ひじき あらめ のり


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わかめ

INDEX
わかめの特徴と生育
わかめの養殖
わかめの産地と生産高
わかめの種類
わかめの栄養組成
わかめの市場規模
わかめの上手なもどし方

◆わかめの特徴と生育

わかめの体の中心部に中筋があり、その左右に葉がたくさんついているのだが、その周りに小さな葉を羽のようにたくさん付けている。 成長すると茎の左右にひだが出来始め、いわゆる「めかぶ」と呼ばれる部分に生育してくる。めかぶは胞子のうを作る部分で、 即ち 胞子葉である。春の終わり頃から胞子葉の表面に胞子のうが出来始め、やがて成育してくると、 遊走子が海中に泳ぎだす。遊走子はナスの形をしていて約9ミクロン、横に長短2本の鞭毛をもっていて、 岩などにくっついて芽を出して、糸状に発育していく。 このような状態でわかめは夏を越し、秋になると糸状の体の細胞のいくつかは、生殖器官にかわり、 ここに卵と精子が出来始める。精子は泳いで卵にくっついて受精する。受精卵は細胞分裂を繰り返して、 10〜11月頃に肉眼で見ることの出来るわかめの幼体に発育してくる。胞子葉1gから10万〜100万の遊走子が泳ぎ出すと言われているが、 この計算で行くと、1本のわかめの体からは数億の遊走子が出来ることになる。しかし、これらの遊走子の発芽体は、夏の高い水温や強い 日光の為に死ぬものがほとんどで、秋まで生き残って幼体に育つのは100個位です。こうしてみると、わかめの生育って神秘的ですね。


◆わかめの養殖

(1)たねつけ
春から初夏に胞子葉から泳ぎ出た遊走子を、ビニロンなどで出来た細い糸につける。

(2)種苗の培養
遊走子は、その糸の上で発芽して糸状の体に育てる。これを室内で培養する。

(3)成育
秋に海中に養殖筏をつくり、これに縄を張り、縄に糸状体の付いた糸を巻き付けたり、はさみこんだりする。 こうして冬の始め頃に幼体が見え始め、2〜3月頃には収穫できるようになる。

(4)生産高
全国のわかめの製産高は、約10万トンで、その内90%以上は、このような養殖わかめである。


◆わかめの産地と生産高

国内の産地は、岩手、宮城、千葉、神奈川、三重、和歌山、徳島、佐渡、石川、兵庫、島根、山口、福岡、大分、長崎、 などです。この内 岩手と宮城の二県で全国の生産高の70%近く占めている。 又 輸入は、韓国、中国が主である。
年間消費量は、水揚げ基準[注]で約20万トン。輸入量は国内産の約3倍程ある。

[注]水揚げ基準
わかめは海から収穫した状態から湯通し塩蔵わかめを作ると、歩留りが1/3になり、又 干しわかめや カットわかめなど製品ごとに、その歩留りが異なって基準が計りにくいため、わかめは水揚げの基準で 表示されています。


◆わかめの種類

塩わかめボイルした後冷却し、塩を加えて脱水したもの。
塩を加えないで乾燥したものより、やわらかい。塩抜きして使う。
塩ぬきわかめ採取したあと、茎の部分を切り取り、熱湯に通してから冷水にとり、
乾燥したもの。
灰干しわかめ木灰をまぶしては数回、天火乾燥を繰り返したもの。
真水で灰を洗い落とすと、特にあざやかな緑色になる。
糸わかめ
(鳴門産)
灰干ししたものを洗って、灰を落としてから塩抜きする。これをすじぬき、
葉の部分をさいて干したもの。ひものように細いものほど良質。
一般に「わかめの王様」と評価されている。
糸わかめ
(伊勢産)
すじを抜いてから葉の部分をさいて干したもの。
糸わかめ
(韓国産)
生わかめ(湯通し塩蔵わかめ)を水洗いして、乾燥機で乾燥したもの。
板わかめ浜に敷いたせいろの上に、わかめを一枚づつ広げて、天日乾燥し、
火であぶって食べる。
カットわかめ生わかめ(湯通し塩蔵わかめ)を水洗いしてカットし、
乾燥機で乾燥したもの。
子もちわかめわかめの表面に魚が卵を生み付けたもの。とびうおなどの卵を、
人工的にくっつけたりする。
茎わかめわかめの茎(軸)の部分。
芽かぶ成長したわかめの茎の下部に、ヒダ状に出来るぶ厚い葉(胞子葉)のこと。

◆わかめの栄養組成

可食分100g当たり
わかめの栄養素生ワカメ乾燥わかめ湯通シ塩蔵ワカメ茎わかめ芽かぶ
素干し
素干灰干板ワカメ塩蔵塩抜キ水煮
水     分(g)90.413.096.013.152.691.890.591.712.4
蛋  白  質(g)1.915.01.114.94.10.60.80.611.6
脂     質(g)0.23.20.11.10.50.10.10.12.9
炭水化物 糖 質(g)3.835.32.039.59.06.83.23.841.6
繊 維(g)0.42.70.22.60.50.10.70.63.7
灰     分(g)3.330.80.628.833.30.64.73.227.7
無機質(mg) カルシュウム1009601401,000190207060660
リ    ン364001635095102317490
鉄    分0.77.00.76.72.80.20.20.28.3
ナトリュウム6106,100484,10013,0002305203303,200
カリュウム7305,500607,70025051,9001,2008,800
ビタミン(mg) カロチン(g)1,4003,30050 8,700 840 49 210 160 1,900
A効力(IU))7801,80028 4,800 470 27 120 90 1,100
 B10.070.300 0.58 0.03 0.03 0.02 0.02 0.31
 B20.181.150.03 1.40 0.07 0.01 0.05 0.03 0.61
ナイアシン0.98.00 8.9 0.9 0 0.8 0.5 16.5
 C15150 19 0 0 14 4 24


◆わかめの市場規模

1995年度を参考(単位=円)
カットわかめ業務用63億13.0%
加工食品用33億6.8%
家庭用40億8.2%
ボイル塩蔵200億41.2%
素乾し灰干28億5.8%
加工用使用121億25.0%


◆わかめの上手なもどし方

●もどし加減が一番重要>
乾燥わかめは、水でもどすと約10倍位のボリュウムになります。あらかじめ分量に注意して、下ごしらえにかかります。 水に浸し過ぎると特有のコシがなくなってしまいますから、汁物に用いる場合は、半分位のもどし加減にしておくと、料理が出来上がる 頃には、ほどよく水分を吸収して、おいしく味わえます。

●もどしたわかめは水気をとる
もどしたわかめは、ザルにとり水分をしっかり取ること。これを怠るとベトベトしたり、水っぽくなったりして 仕上がりに影響します。油で炒める場合などは、ふきんやキッチンペーパーにはさみ、 軽く押さえると効果的。風味が封じ込められ口あたりもやさしくなります。

●わかめは熱を通しすぎない>
わかめは、熱にとてもデリケート。煮炊きする場合は、鮮やかな緑と歯ざわりをそこなわないように、最終段階でわかめを入れ、 サッーと一煮立て、火を止めたっぷり味をしみこませるように。


 【調  味  料】  【海   藻   類】 
みそ 醤油 植物油 わかめ ひじき あらめ 昆布 のり
インスタント ラーメン 小麦粉 食物せんい 緑黄色野菜 トマト はちみつ コーヒー



 
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