※訪問下さりありがたう御座います。自作HPの為拙いですがよろしく。

第8章〜未知普請パート2       なにせうぞ 
                               くすんで一期は夢よ 
                                       ただ狂へ


3月24日 いよいよヘヤリ-ベッチ戦略Go!
        
5日続いた晴天日。1日前倒ししてヘヤリ-ベッチ開始す。先走り耕運〜

まめ助播種〜転圧ローラー。

流れ作業のようにスタッフが稼働していく。耕運は追い付かれまいと2時間

早出〜播種はベテラン故に任せておけば安心〜ローラーのスタッフは

麦踏み6haを経験しているから、考えて稼働している。いづれもヘヤリ-ベ

ッチに一生懸命。そして楽しんで居る樂農庵の誇れる凄い男達である。



3月12日 生物資源研究センター来社
 樂農庵が小豆栽培を始める初年から並走して下さった技師が、研究員として6年振りに来社。

育ての親とも言える人物である。

2017年10月21日台風21号の我が圃場洪水直後、狼狽えていた俺に早朝TELで俺を叱ってくれた

『早く消毒しなければ小豆が死にますよ!』・・・懐かしい。

本庁転勤時に遺言?として『樂農庵は瑞穂大納言の申し子と思う。伝統を護る事と・瑞穂大納言

小豆をメジャーにして下さいね』って言葉を残して去って行った

あの技師である。

今回は 『ヘヤリーベッチの抑草効果研究』に於ける実証圃場検証の協力要請だった。

恩返しと抑草研究の敬意を込めて全面的に協力を約す。

3月8日  ヘヤリーベッチ『まめ助』


 
2月19日到着の『まめ助』を見ていると、20日から始めるヘヤリーベッチ戦略が浮んで来る。

計画書に穴が開く程毎日目を通して、4月1日までの終了工程がいつも浮ぶ。

工程を狂わすのは天候のみ。重要なのは狂わされる受身に対抗する代案を準備しておく事であろ

う。農を業するに雨は必須であり感謝を忘れてはいけない。

経験を単なる思い出として蓄えるんじゃなく、知識と洞察に変える器量を持ちたい。

2月21日 緑肥雪印社内研修会


 
岡山より雪印種苗様来社。

スタッフ等6名に緑肥に於けるヘヤリーベッチについて研修を受ける。

小豆・黒大豆の栽培利用にスタッフと共有する為である。

雪印様のヘヤリーベッチ説明に習得事項は多大であった。

なにより参考になったのが、播種期と発芽期そして鋤き込み期。

3月4日からの苦土耕運〜播種〜転圧との工程に苦慮していた俺は、大いに

参考になり3月20日よりスタートに変更す。 雪印様ありがたう御座いました。


2月14日 樂農庵の歩み第8章〜未知普請パート2

《風》・・・・・予感

 
正月来感じていた《風》。初詣に感じた《風》。正月に取り組んだ7年度計画の予算編成結果で6月からの軍資金は

 枯渇見込み。1月悶々と過ごした日々の樂農庵。

 2月に入ると早々に京都府普及センター所長・技師諸氏来社。環境負荷低減耕作で環境に寄与する目的の『みどり

 認定』推奨さる。即決して午後には黒大豆 小豆 枝豆予定の圃場へ行き、土壌分析のサンプル取得。

 直ちに熊本の『生科研』へ発送・分析代金も振込んだ。

  2月の7日『ヘヤリーベッチ実証実験報告会』の研修案内届き出席。ヘヤリーベッチの効力に疑心暗鬼させられる。

 当夜から既存の7年度予算をヘヤリーベッチ耕作に代えて再度予算編成に取り組むこと3日目の深夜、完成結果に

 於いて静寂な寒夜に大いなる感嘆す。

 気に入りのグラスを取出し安物のウィスキーを注いで・・・・・脳裏に《風》が過った。


《風は》みどり戦略・・・されど一言

 《風》が脳裏になびいていた。

 2月早々からの既日を思い浮かべるに共通項が浮んで来た。

 正月〜伏見稲荷の山頂詣、俺が感じていた《風》は 『みどり戦略』 を超越した有機栽培へと導く《風》ではないのか?

 《風》に敏感な俺は、いままで幾多の《風》に《当り》を経験して来たのを思い出す。

 みどり戦略は環境に寄与する目的で環境負荷低減栽培を取り入れても、プラ肥料の低減・農薬の低減で環境に寄与

 するという文面は美しく理想的だが現実的には美辞麗句の感が大である。俺が思うに中途半端なのである。

 農を業するに上質な土壌圃場の継続、土壌の健康維持対策には大いに賛成である。

 しかし農を業する者にとっては収穫量・販売額が最重要なのに・・・。

 みどり戦略に反して施肥の適期・適切量・また害虫対策の薬剤撒布をしての目先の収穫量対策が必要になる。

 みどり戦略で環境に配慮した健康なる土壌を経年維持するためには・・・・・ 収量減という犠牲もリスクも伴う覚悟が

 求められるのであろう。

 圃場の栽培経年・持続を考えると・・・ 目先の米粒より明日の糧ってことか。

 樂農庵の掟に【相応なる利益】と刻んだ額が掲げてある。『農を営んで経る・利益を得無ければ営みも経られない』

 我が暖簾の極意であり、さもなくば・・・・理念に唱っている 『スタッフ家族の笑顔 』 に曇りが現れる。

 大切なのは圃場経年対策・方法なのであろう。肝心なのは地球環境を憂う意志の原点で実行寄与ってところか?


《イノベーション》

 樂農庵に吹く《風》に懸けてヘヤリーベッチ栽培に挑戦することに一大決心す。

 眞に俺が好む挑戦であり未知普請である。

 デッカイ・デッカイ挑戦であり、目指すは樂農庵の大イノベーションである。

 この挑戦に成功すれば有機生産物としてアピールし営業販売は飛躍的とはいかないまでも良い数値に成るであろう。

 樂農庵のイノベーション計画出発進行 始まり 始まり〜。


動けば風神の如く 発すれば雷神の如し》

 緑肥播種 3kg/10a をどのようにして撒くか? ・・・ 手撒きで190,000 u は無理だ。手持ち機械でも 3kgは?

 どのようなタネ粒なのか? まめ助の単位比重は?・・・ 京都府へ協力依頼してタネを手に入れる。

 タネは何処で購入するのか? ・・・ 京都府に教えてもらった。

 2月24日までに入荷は可能なのか? 値段は? ・・・ 播種機械を決定しなければタネ発注が出来ない。

 取引先のイセキ農機へ相談Go ・・・ イセキの技術者達は素晴らしい!我社の機械使用でアイデアは決定した。

 いよいよヘヤリーベッチのタネ【まめ助】をイシハラシード店へ発注。

 翌日、イシハラシード店から『メーカーの雪印種苗さんと同行して播種等の説明に伺いたい』 旨連絡有。

 期日は2月20日13:00〜と決定。

 樂農庵スタッフ全員とイセキ技術者に研修の全員集合命令発す。

 風神雷神・・・樂農庵に幕末の志士高杉晋作が乗り移った2日間だった。


《ヘヤリーベッチ戦略》

 3年後の実質有機栽培認定なんかが目的では無い。

 今年正月にまとめた黒大豆 小豆 小麦 飼料稲の仕入予算は11,700,000円。

 有機栽培で黒大豆 11.1ha 小豆7.2haの仕入予算は2,670,000円。小麦6.4ha 飼料稲3.0haの仕入を加えて6,700,000 

 円。 黒大豆・小豆の有機栽培原価に驚嘆す。

 令和 5年 6年と続いた不作 凶作に、令和7年樂農庵の台所は火の車を予測していたが、まさに朗報来る。

 ヘヤリーベッチ戦略大いに血湧き肉躍る。

 なれど 【まめ助】! お前は本当に基肥の役目をするのか?お前は本当に雑草抑制の役目が出来るのか?

 お前は本当に害虫抑制の役目が可能なのか?

 【まめ助】君、俺はお前の名前が気に入っている。豆を助けるヒーローで有って欲しい。

 正月から感じていた 《風》 はお前だったんだ。貴方様だったんですね。

 樂農庵のイノベーションに大い成る働きを期待す。


《播種工程に苦慮》

 当社の機械稼働を工程表に落してみる。

 後作物の播種予定から逆算して3月中の緑肥播種完了が必須と見えて来た。

 苦土石灰散布耕運〜まめ助播種〜ローラー転圧 を一日当り80a 稼働計画で190,000u のヘヤリーベッチ

 播種作戦開始。

 降雨あれば圃場乾燥に3日か? ・・・ 3日降れば10日が消える。4日降れば???

 『土方殺すに刃物は要らぬ・雨の3日も降ればいい』 てな言葉があったっけ。

 降雨を考慮せずに稼働23日間が必要となる。 ・・・ 工程表に穴が開く程の睨めっこで浮んで来た。
 
 黒大豆11.1haをターゲットにすれば3月中の播種は充分可能な工程である。

 小豆7.1haの播種は7月20日予定とすると『まめ助』君は4月撒きにずらせるではないか。

 しかし3月には年28ha5回草刈り計画の1回目が控えている。

 3月の草刈りを逃せば4月は小麦 飼料稲の繁忙期に入り、1回目の草刈りは5月となる。

 樂農庵の圃場は美しいとの世評が蔭らないか。

 世評を気にすることはない?か。

 世評は暖簾にとってどうなのか?取引先への暖簾重視でいいのか?

 信用とは??? 自問自答が続く。

 2月18日13:00 緊急ミーティングでスタッフ全員集合命令発す。

 ヘヤリーベッチ作戦を発表予定。 驚くスタッフの顔が浮かぶ。

 3月度の作業工程案を提示すれば驚愕した顔で、質問・意見を多数発するであろう。

 厳しい工程に、ヘヤリーベッチ戦略を超える有機栽培に・樂農庵のイノベーションに燃えるであろう

 我が誇りとするスタッフが浮ぶ。

 目指すは有機栽培也! 利益の向上也 Go!Go!Go!