序 章 


なぜ瑞穂大納言小豆なのか
           
         文明の力で大抵の事を簡単に満たせるが、心は満たせない。

                 心を満たすのは文化の域に多数見られる。

      特段に心を満たすのに京の食文化が語られよう。和菓子もそのひとつであろう。

               季節の表現・視覚の表現・味覚 食覚等、共通するのは

            和菓子職人の『匠』が奏でる『文化の美』と『心豊かで質素な表現力』

                 さらには需要者への『挑戦状』をも偲ばれる。

            そんな『匠』の奏でる美に『赤いダイヤ・畑のルビー』を添えたくて・

                    添えたくて・たまらなく添えたくて、栽培するのが

                   日本一小豆 『瑞穂大納言小豆』なのです。

               色・艶・形に魅せられて『畑のルビー』・惚れに惚れさす『赤いダイヤ』

            地域資源の魁『瑞穂大納言小豆』の守護・継承を宿命に燃えたぎる。


瑞穂大納言小豆の歴史
     1240年前 延暦13年、桓武天皇が京に都を遷された頃まで遡る。

     丹波出雲の国馬路豪族が上京の都度宮中へ献上したと伝えられている。


     色 艶 風味共に優れ大きく俵形をしており、縦に4段積める俵型小豆。

        現在年間の収穫量が少量のため、市場にはほとんど出回らず幻の小豆 とも言われて

         いる。





             京丹波町瑞穂地区は古くから小豆の栽培が盛んな地域です。

         地域農家の努力も有り、瑞穂大納言小豆の種をずっと守り続けてきました。

         老舗の和菓子店や料理店が認めるブランド小豆です。
       
         その豊かな風味は、丹波高原に秋から冬にかけて発生する『丹波霧』

            の冷却効果によって大粒に甘さが凝縮され生み出されているのです。

         そんな
瑞穂大納言小豆は、昭和末期に生産農家500戸 栽培面積65ha

            収穫量63tを頂点に、5年後に51ha さらに5年後に49ha 5年後40ha

          5年後16ha 5年後11ha そしてさらに5年後には
10haまで減少したの

       が平成28年(2016年)です。


       原因としては栽培過程の多くが手作業で、夏場の時間や労力が掛かる

          こと。生産者が減少しているうえに高齢化が進んでいることが考えられる。

       平成26年 危機感を募らせた地元では、JA京都瑞穂支店 京丹波町

                      JA広域営農センター 京都府農業改良普及センター 

                 京都府農業共済組合 瑞穂農業公社で構成する

                 『瑞穂地区農業技術者会』が増産に向けて、機械化栽培の

                             実証実験開始。

      
平成27年 樂農庵が瑞穂大納言小豆0.4haの栽培に いざ見参。\(^O^)/

       平成29年  官公庁機械化実証実験終了。機械化栽培の問題点の改良

                 をすることなく終了す。

      
令和 3年   樂農庵の瑞穂大納言小豆14ha 生産量14t 市場占有率84%で

                              地域資源のブランド小豆瑞穂大納言を守り、革新 し続けている。